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BDについてもっと知りたい!コミュの『Les Aventures Extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec(アデル・ブラン=セックの驚くべき冒険)』

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 Jacques Tardi(ジャック・タルディ)による『Les Aventures Extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec(アデル・ブラン=セックの驚くべき冒険)』の第1巻「Adèle et la Bête(アデルと怪獣)」を紹介します。以前僕の日記に書いたものですが、このコミュニティではまだ紹介していなかったので。1976年カステルマン社刊の古典的(?)バンド・デシネですね。梗概は以下の通りです。

 物語はパリの自然史博物館における翼手竜の誕生と共に始まる。この中生代の怪物は、ある科学者の研究を通じて現代に甦ったのだが、科学者の影響下から逃れると次々と人間を襲い始める。恐慌に陥るパリ。そんな中、翼手竜の撮影もしくは捕獲に懸賞がかけられ、エディット・ラバジョワというディジョンの資産家の娘がその捕獲に乗り出す。ここでようやく我らが主人公アデル・ブラン=セックの登場である。アデルはパリに行く車中で仲間のアルベールとジョゼフと共にエディットを軟禁し、エディットに成りすます。実は、このエディットという娘の父親は飛行機械を所有していて、アデルはそれを必要としていたのだ。エディットを誘拐し、身柄を引き渡す代わりにラバジョワ家の機械を手に入れるというアデルの陰謀は、しかし、パリに来て早々に暗礁に乗り上げる。アデルを殺そうとする謎の人物の登場、アルベールの裏切り、エディットの失踪… そうこうするうちにも翼手竜による犠牲者は増え続け、エディットの兄オーギュストまでもが翼手竜の手にかかって命を落としてしまう。アデルの運命は? アデルが飛行機械を必要としていた理由とは? そしてパリを混乱に陥れた翼手竜はどうなってしまうのか? 

 バンド・デシネ・ノワールとでも言えばいいんでしょうか、犯罪物のBDです。日本のマンガで言えば、山田章博の『紅色魔術探偵団』とか近いかもしれません。ユーモアの洗練度とかはどうしても『紅色』の方が上だと思いますが… というか、たぶんジャック・タルディはそういう作家ではないですし。ちなみに『GUIDE FNAC』では「幻想と驚異」というジャンルに分類されています。たしかに、第1巻には恐竜が出てくるし、2巻以降のタイトルを見ると「エッフェル塔の悪魔」、「気狂い科学者(マッド・サイエンティストの方がいいかな…)」、「錯乱のミイラたち」、「サラマンドラの秘密」、「頭が二つある溺死者」、「怪物たちのすべて(誤訳かも… 仏語では Tous des Monstres!)」、「深淵の神秘」といかにも幻想的です。本書「アデルと怪獣」について言えば、蒸気機関車が走り、レトロな車と辻馬車が往来に同居する20世紀初頭のパリを舞台に、恐竜が現われ、殺人が起こり、奇妙な飛行機やギロチンといった何やら「独身者の機械」めいたものが登場し…と幻想文学好きの心をくすぐる設定だと言えます。めちゃくちゃうまいんだけど、怪しげな(と言っていいんだろうか…)雰囲気を醸成しているデッサンが魅力です。

* サイトを見つけました。
http://www.casterman.com/adele/index.htm

コメント(7)

天野さん、情報ありがとうございます! 「スチーム・パンク」って名前だけ見ると、ん? って感じですが、ウィキペディアの項目を見て納得しました。『アデル・ブラン=セック』はまさしくスチーム・パンクですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF
『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』って、あの文学やアメコミのヒーローが勢ぞろいしているやつですよね? 翻訳あるんですか? アメコミはちょっと勉強したいと思います。
 『Les aventure extraordinaires d’Adèle Blanc-Sec(アデル・ブラン=セックの驚くべき冒険)』第2弾「Le démon de la tour Eiffel(エッフェル塔の悪魔)」を紹介します。オリジナル版は1976年、カステルマン社から出版されていますが、僕が読んだのは Librio というポッシュ版(?)です。このシリーズは2ユーロと格安で、BDを高いと感じる日本人にとっても手を出しやすいんじゃないでしょうか。残念なのはこのシリーズが白黒だということで、元々色がついているものを白黒にしているので、かなり物足りない感があります。その昔、色つきのポッシュ版BDもいろいろあったようですが、今は、この Librio と Soliel 社が出している人気BDの第1巻を除くと存在していないようです。残念… さて、それでは以下に「エッフェル塔の悪魔」の梗概を掲げます。

 前巻「アデルと怪獣」は読者に謎を残したまま幕を閉じた。銀行家ミニョノーを殺した一味は金品を奪って逃走する。盗品をめぐって、かつて仲間だったアデル、アルベール、ジョゼフの3人は対立することになる。最終的に金品が入った鞄を手に入れたのはジョゼフだったが、その中には不思議な彫像も含まれていた。この彫像は何を意味するのか? アデルを裏切ったアルベールとジョゼフはそれぞれどこに姿をくらましたのか?本巻の物語はこれらの謎をめぐって展開される。
 警察の手を逃れようとするアデルの前に一人の男が現われる。シモン・フラジョレと名乗るこの男は、ある人物から、盗まれたミニョノーの彫像を奪還するように依頼されたのであった。問題の彫像はアッシリアの悪魔パズズをかたどったものだった。調査を始めた二人はパズズと銀行家ミニョノーの接点となる画家ペソニエに思い当たる。ミニョノーは古代の遺品のコレクターであると同時にペソニエの絵のコレクターでもあったのだ。ペソニエを訪れる二人。彼らはペソニエの事件への関与を確信し、その場を去る。しかし、ペソニエの背後には裏切り者アルベールの存在が… アデルとシモンはこれから彼らに襲いかかる危険に気づくよしもなかった。自宅へと戻ったアデルのもとにかつての仲間ジョゼフから便りが届く。至急会いたいという彼を訪れると、ジョゼフは何ものかに連れ去られようとしているところだった。辻馬車で尾行するアデル。しかし、アデルの馬車に火炎ビンが投げ込まれ、車は大破してしまう。アデルの運命は? 折りしもペソニエが舞台背景を担当する史劇『バビロン最後の日』の上演後に主演俳優が殺害されるという事件が起きる。警部カポーニが調査に乗り出すが、彼もまたアッシリアの悪魔パズズをめぐる事件に巻き込まれてしまうのだった… 一連の事件の背後にはカルト宗教の存在が。そして、その事件の黒幕はなんと…

 と、こう書くと何やら深刻な物語のように感じられるかもしれないが、ユーモアもたっぷりあって楽しく読むことができます。しかも、それでいて前巻よりもドキドキの展開。ストーリー・テリングもうまくなってるのかもしれません。古代の悪神、カルト宗教の秘密集会、地下水路での冒険といかにも19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパの裏側という感じの舞台装置も見ていて楽しい。澁澤や種村の愛読者だったらうれしくなること請け合いです。
なんだか面白そうですね。
実はこのシリーズの一冊も授業の教材として使っていた事が
あったのですが、その頃は授業を受けていなかったので、
とっても残念です。
それにしてもスチーム・パンクっていうジャンルがあったんですね。
サイバー・パンク以降SFから遠ざかっていたので、
とても興味深いです。
ジャン・レイって『ウィスキー奇譚集』の人ですよね? こんなの書いてたんだー。これはぜひ読みたいな。岩波少年文庫恐るべしですね。絶版本でいい本がかなりあるような気がします。マルセル・エーメ『おにごっこ物語』とかイタロ・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』とか… BDとは全く関係ない話でしたー(笑)。
 『Les aventure extraordinaires d'Adèle Blanc-Sec(アデル・ブラン=セックの驚くべき冒険)』第3弾「Le savant fou(気狂い科学者)」、読了しましたー。オリジナル版は1985年ですが、僕が読んだのは、第2巻の「エッフェル塔の悪魔」と同様に Librio(リブリオ)というポッシュ版です。梗概は以下の通り。
 
 エッフェル塔での事件も片付き、パリの街に身を潜めつつ暮らしているアデルは、何者かに跡をつけられているのを感じる。待ち伏せして追跡者の不意を襲うアデル。彼女を追い駆けていた男の正体は、旧知の自然史博物館に勤める学者エスペランデューであった。彼はアデルをある住居へと導く。そこでは数人の科学者が交霊術の実験をしていた。かつて翼手竜を現代に甦らせたがその後命を落としたブータルデューを交霊術で呼び寄せ、古代生物を蘇生させ思い通りに操る秘密を聞き出そうというのだ。彼らが新たに甦らせようとしていたのは、破損のない状態で発見されたジャワ原人だった。ブータルデューの霊からは何も引き出せなかったものの、一同はジャワ原人を甦らせることに成功する。が、ここから事態は意外な方向へ。科学者たちの元を後にし馬車で帰途についたアデルを何者かが襲撃する。彼女は命からがら逃げ出したものの、同行したエスペランデューが捕えられ、犯人から脅迫の手紙が届けられる。待ち合わせの場所を訪れたアデルは、突然襲われるが、襲ったのはあのジャワ原人だった。姿を見破られたジャワ原人は一目散にその場を逃げ出す。なぜジャワ原人がアデルを襲ったのか? 馬車を襲ったのもジャワ原人なのか? 事件の背後には謎の黒幕の姿が…

 1巻から読んできましたが、確実に面白くなっています。物語的には相変わらずいろんな事件が起きすぎだろって感じなんですが、アデルの表情が豊かになっていて、登場人物同士のやりとりも結構気が効いています。ジャワ原人がいいんですよー。ラストの方でジャワ原人対メカの戦い(!)があるんですが、これがたまりません。チープなんだけど、意識的なんだろうな、これ…

* 画像はオリジナル版からです。

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