ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

BDについてもっと知りたい!コミュの『Fous d'Amour(愛の狂人たち)』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 Reiser(ライザー)作、Albin Michel(アルバン・ミシェル)社、1984年刊のBDです。男たちと女たち、時には動物たちの愛の行為をひたすら描いた怪作。
 馬に恋した男が、その性癖を隣人たちに咎められ、村の神父さんの勧めもあって、人間の結婚相手を探すことに。村人総出で結婚相手が村にやってくるのを今か今かと待ち構えていると、やってきたのは馬ズラの女性で… という仕様もない話から始まって、基本的には馬鹿馬鹿しい話が多いですが、己の性的欲望の満足を目指して邁進する男たち(と時に女たち)の姿は神々しくすらあります。表紙の絵からして何やら鬼気迫るものが… 扱っているテーマと言い、絵のいい加減さと言い、BD界の根本敬と呼ぶに値する作家です。
 作者のライザーはわずか42歳(1941-1983)で亡くなった才人で、『Hara-Kiri(ハラキリ)』、『Charlie(シャルリー)』、『Paris Match(パリ・マッチ)』といった雑誌で活躍したそうです。

* 左から『愛の狂人たち』表紙、もう一つの代表作『Vive les femmes!(女、万歳!)』の表紙と中身(?)。
ちなみに作者名の Reiser は『フランスコミック・アート展 2003』(以下のトピ参照 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=2954583&comm_id=424387)の表記にしたがって「ライザー」と読みましたが、「レゼール」とも読めちゃうわけで、どっちが正しいんでしょうか? 知ってる方、教えてください。

コメント(1)

実は、私、ライザーの『愛の狂人たち』を、『STUDIO VOICE 特集:地球コミック宣言』(vol.179、1990年11月号)に掲載された仏文学者、中条省平先生の書評を参考にして購入しました。以下に氏の書評を引用します。

「レゼール(ママ)はフランスのBD界でブラック・ユーモアを極限まで押し進めた偉大な漫画家だ。彼のあつかう世界の底なしの下品さを知っている人は、「偉大」などという形容詞を訝るかもしれないが、先ごろ邦訳の上梓された『理想の図書館』(パピルス刊)の全漫画のジャンルで、レゼールはディズニーのミッキー・マウス、エルジェのタンタン、マッケイのリトル・ニモ、ジャコブスのブレイク=モティマー、ゴシニーのアステリクス、モリスのラッキー・ルークと並んでベスト10にランクされているくらいなのだ。ある街にレゼールの名をつける案が出て、これはさすがにスキャンダルを捲きおこしたこともある。早世した彼の遺作『愛の狂人たち』で、その錯乱したグロテスク・ユーモアの過激な突出を見ることができる。大げさなことを言うようだが、人間の条件の悲惨な滑稽さを直視する勇気において、レゼールは限りなくセリーヌに接近している。『むかつくデブ公』は、そのセリーヌ的な絶望を端的に表すレゼールのほとんど唯一の長編漫画である。また、彼のデッサンの速度感は野獣(フォーヴ)と化したマチスとさえ呼びたい。」(p.48)

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

BDについてもっと知りたい! 更新情報

BDについてもっと知りたい!のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング