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BDについてもっと知りたい!コミュの『poulet aux prunes』Marjane Satrapi

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『Persepolice(ペルセポリス)』が翻訳されたMarjane Satrapi(丸ジャン・サトラピ)の最新作を紹介します。
たしか今年の夏にフランスで行われたBDのイベント?で賞をとっていたと思います。

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物語は1958年、テヘランの街角でNasser ALI KHANという著明な音楽家が子連れの女性とすれ違い「どこかでお会いした事がありませんでしたか?」と話しかけるところからはじまります。
女性は彼の事をまったく知らないと答え、Nasser ALI KHANはそのまま楽器店へ壊されてしまったTar(三味線のような楽器みたいです)の変わりを買いに行きます。手に入れた楽器は今まで自分が使っていたもの程の音色を奏でません。仕方がないので、息子を連れて、知り合いに教えてもらった街まで夜行バスで買いに出かけるのですが、手に入れた新しいTarはやはり彼に音楽を奏でる喜びを再び感じさせくれる事はありませんでした。壊れてしまった楽器は元へは戻らない。それは絶望的な事で、かれはベットに横になり死を待つ事にしました。
しかし自殺する方法を色々と考えても選べないので、死の方で彼を迎えにくることを寝て待つ事にしました。

1958年11月15日、死ぬ事を決めて部屋にこもりベットに横たわってから八日後に亡くなるまでの現実の彼に起こる事と、彼自信のこれまでの人生の回想と彼が亡くなって子供達が大きくなってからサトラピ自信が掘り起こしたエピソード(主人公とは親戚どうしでみたいです)の3つのエピソードが交錯しながらストーリーは進んで行きます。

一日目:彼を心配して部屋に尋ねてくる自分に良く似たお気に入りの娘との靴にまつわるエピソード。

2日目:過去に政治犯として収容されていた事もある弟との母親とのエピソード。母が得意だった「poulet aux prunes(鳥のプラム煮?)」という料理が大好物だった事を思いだし、大好きなソフィア・ローレンの胸にだかれて苦しみが少し和らいで眠りに付くのでした。

3日目:妻が「poulet aux prunes」を作って誤りに来るのですが、彼は自分の大切にしていたTarを激しい口論の末、目の前で膝で竿を折って壊してしまった妻をどうしても許す事ができません。
妻は初めて彼とあって話し掛けられた子供の頃を思いだすのですが、彼にとっては妻は本当に好きだった女性にラブレターを渡してもらうだけの存在だった事がわかります。
妻は妻側からの視点で幸せだった頃を思いだしますが、彼にとっては本当に好きだった女性と別れさせられて、たまたま傍にいた妻と結婚しただけなので、「君の事は一度も愛した事はなかった…」と思わず口にだしてしまいます。

四日目:彼の一番下の息子の底後のエピソード。外見は母親に似ているので、彼はあまり可愛がっていないのですが。。。

五日目:明け方、死が身近に迫って来ている事を感じます。亡くなった母親が枕元に表れ、母親が亡くなった日のエピソードを思いだします。母親の余命があまりないと知って、毎日祈りを捧げていたのですが、その祈りがあまりに過ぎた為に、亡くなった母親の身体から煙りが立ちのぼり、葬式に出席した僧侶から「あまりに強い祈りのために母が旅立てない」と諭されます。
はたして今、Nasser ALI KHANの為に祈ってくれる家族はいるのでしょうか?

六日目:ついにAZRAELという死神が彼の元に表れ、「お前を知る為に表れたけれど、まだお前が死ぬ順番ではないからいずれ時がきたらまた来る」と言い残し去ってゆきます。

七日目:離婚した妹が尋ねて来て、「お前には愛していない男と生きて欲しくない。お前には人生を失敗して欲しくないんだよ」とやさしく声をかけます。

八日目:最愛の女性と結婚できずに今の妻と結婚をするに至までを思い起こし、今までずっとその女性を思い続けて生きて来た事を思いだします。
そして冒頭の子供連れの女性とすれ違うシーンに戻ります。

果たして愛する人と結婚できなかった彼の思いは届かず、人生は失敗だったのでしょうか?

コメント(13)

ああ、なんだか長くて読みにくいレビューになってしまいました。
この話はサトラピの遠い親戚であった音楽家の話の様ですが、
宗教的な事や当時の政治状況を垣間見る事ができます。

身分の違いから相手の父親に結婚を反対され、
それでも初恋を忘れる事ができずに生きたNasser ALI KHANと、
同じように彼に初恋を抱き、身替わりでも結婚できた今の妻。
どちらも不幸だったと思いますが、
最後に「ああ、そうだったのか。。。」と余韻が残りました。

姿が似ていれば中身も同じだろうという子供に対する考え方や、
母親が亡くなった時の僧侶とのやり取りなどは、
哲学的でもあり、なかなか読みごたえがありました。
フランス語の授業でやったのですが、先生がいたから読めたという感じです。
フランス人とはまた違った、独特のユーモアと人生を達観したような
「ペルセポリス」とは違った、大人の短編映画のような作品だと思いました。
abeille さん、紹介ありがとうございます。これ素晴らしいですね! サトラピやっぱりすごいな! ちょっと要約読んだだけで感動がありますよ。トルストイの『イヴァン・イリッチの死』を思い出しました。こんなの翻訳しなきゃだめですよね!「死の方で彼を迎えにくることを寝て待つ」という発想が好きです。ほんとに映画みたいだ… BD自体はコマ割がなくてユニークな構成になってるんですね。絵は最初ちょっと素朴に見えましたが、今ではむしろ好きです。素晴らしい紹介ありがとうございました。こちらにもちょっとだけサトラピ情報あります。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=3048989&comm_id=424387
アリスさんの情報によると、サトラピが賞を取ったのはアングレームのフェスティヴァルですかね。ちなみに『ペルセポリス』の作者紹介では『Poulet aux prunes』を『プラムを持つ鶏』と訳してます。これは誤訳では?
ありがとうございます。
コマ割りは、現在と、過去、そして主人公自身の回想で分けてあるみたいです。かなり構造が複雑なので、言葉だけで説明するのは難しいのですが、こういう時間構成のコマ割りって独特ですね。
絵は木版画のような感じで、時々入る1ページの大胆なイラスト構成は、
モノクロが生きていますね。

>『プラムを持つ鶏』
これはたぶん本を読まずに、タイトルだけでつけてしまったのでは?
と思います。
料理のイラストも出てくるのですが、たぶん丸鶏をプラムで煮込むとか、
プラムソースをかけるとかそんな感じなのでは?

ただ、タイトルに持ってくる程重要なエピソードなのか?という
疑問は残りますが。。。
アルバムについての記事と、もう1ページ見れます。
http://www.bdselection.com/php/chronique.php?rub=pagesbd&id_bd=7174

2002年の記事ですが、マージについてです。
http://www.chris-kutschera.com/marjane_satrapi.htm

ヴェールについてですが、近年、着用について、学校で着けるかどうかニュースでも話題になっていましたが、街の中では、以前よりヴェールを着用している若い女性が増えたようで、ちょっと怖い気がします。
ちなみに、このアルバムは今年のオングレムのBDフェスティヴァルで優秀アルバム賞を獲っていますね。
http://www.bdangouleme.com/prixJury/index.ideal?action=nommes&annee=2005&id=1

BDフェスティヴァルで、賞をとっている作品についての紹介トピックを立ててはいかがですか?
賞を獲っていることが絶対の基準ではないですが、指標にはなっていると思います。
とりあえずオングレムでの受賞作品からとか、、、。
http://www.bdangouleme.com/

これは2005年のオングレムのフェスティヴァルの様子。
http://www.toutenbd.com/gallery/FIBD2005
>abeille さん
BDのコマ割はちょっと真剣に考えてみたいと思います。日本のそれと比較できると面白いですよね。
>これはたぶん本を読まずに、タイトルだけでつけてしまったのでは?
と思います。
それにしてもきちんと確認しないで訳すってどうなんだって思っちゃいますよね!

>アリスさん
>BDフェスティヴァルで、賞をとっている作品についての紹介トピックを立ててはいかがですか?
それ、面白いですね! ポスター見てるだけでも楽しいですからね。ぜひ立てましょう! でも、いかんせん今日は時間がない… 仕事から帰ってきて時間があったら立てたいと思います。立ててくださってもいいですよー(笑)
「オングレムでの受賞作品を紹介していくこと」を主人に話したら、「SURTOUT PAS!(絶対だめ!)」と大声で言われまして、、、。
特にオングレムの審判たちは、仲間内で賞を与え合っているようだし、出版社による工作もあるから、必ずしもよい作品に会えるとは限らない、、、だそうです。
どんな分野にせよ、メディアであまり語られないけど、傑作があるのは確か。
一番よいのは「PUBLIC」の声。
ということは、売り上げか、口コミか、、、。
アリスさん、紹介ありがとうございました。
オングレムでしたね。
なんだか楽しそうで、一度行ってみたいですね。
意外ですねー。アングレームのフェスティヴァルって誰からも高く評価されてるのかと思ってた… アカデミー賞みたいなもんですかね? まあ、でも冷静なアングレーム紹介だったらステファンさんも納得じゃないですか? いいところも悪いところもとりあげて。とりあえずポスターは見てるだけでも楽しかったしな… ちょっとトライしてみたいと思います(月曜日くらいまでに…)。
『poulet aux prunes』、ようやく読みましたー。abeille さんが紹介してくださってからもう1年半くらい経つんですね… 紹介文を読んで素晴らしい本だと思いましたが、いや、これ実際非常にいい本ですね! 傑作ですよ。タールという楽器の名人である Nasser(ナセール?)は、妻に愛用の楽器を壊されてしまってからは2度とかつての楽器を弾く歓びを取り戻すことができなかったわけですが、楽器とともに壊されてしまったのは彼の音楽の秘密に他なりませんでした。どんな名器でも贖うことができない魂の音… 紹介文を読んだ限りでは、トルストイの『イヴァン・イリッチの死』に似てるかなと思ったんですが、ちょっと違いますね。イヴァンはあらゆる執着から自由になって、全てを赦しつつ死んでいくのですが、ナセールは執着とは言わないまでも、かつての恋人に対する想いを最後まで胸に抱きつつ死んでいくことになります。素晴らしい場面はいくつもあるんですが、死を決めてから3日目にタバコを吸うところで、回想シーンに現われる母親の言葉、「タバコは魂の食べ物なのよ」ってのがすごくいい。僕はタバコを吸わないんですが、こんなこと言われると吸ってもいいかなって気がします。ボブ・マーリーの「Kaya is herb.」みたいなもんですな(笑)。6日目にナセールを訪れる死の天使アズラエルの話もすごく好きです。寓話風に語られるソロモン王時代のある人物とアズラエルのやりとりが好き。そしてまたラストがいいんですよねー。なんで訳されないんだろうなあ…
読み終わりましたか。
これかなりいいですよね。
今、やっと2章まで荒訳が終わってるので、今度持ってゆきますね。
他のサトラピ作品とくらべると、フェミ視点と政治視点と奔放な少女のエッセイみたいなノリが薄いからでしょうか、訳されませんね。
でもこちらの方が、物語として練って作ってあるので、作品としては優れていると思うのですが。

画像は2章にでてくるナセール・アリ・カーンのお気に入りの娘ファルザネのエピソード。
形態心理学という考え方も面白いですが、緩やかな自殺のような考え方はちょっとゲーンスブールっぽくて、これはやはり父譲りなのかなというエピソードですね。
読み終わりましたか。
これかなりいいですよね。
今、やっと2章まで荒訳が終わってるので、今度持ってゆきますね。
他のサトラピ作品とくらべると、フェミ視点と政治視点と奔放な少女のエッセイみたいなノリが薄いからでしょうか、訳されませんね。
でもこちらの方が、物語として練って作ってあるので、作品としては優れていると思うのですが。

画像は2章にでてくるナセール・アリ・カーンのお気に入りの娘ファルザネのエピソード。
形態心理学という考え方も面白いですが、緩やかな自殺のような考え方はちょっとゲーンスブールっぽくて、これはやはり父譲りなのかなというエピソードですね。
昨日日仏学院の図書館でみつけたので、借りて読みました。
いいですね。あとで自分の日記にも書こうと思います。

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