参加者:abeille さん、becco さん、Freddo さん、memento mori さん、アキタさん、あやさきんぎょさん、ショードヴァル、菫子さん、せのつくさん、乳の日は薔薇の花束をさん、椿屋さん、ハニーさん、ぶた王子さん、みゆきさん、レイコさん、他コミュニティ不参加者2名(計17名、アルファベット順、続いて五十音順)
概要: 13 :30〜 雑談しながら持ち寄ったBDに目を通したり。
14 :00〜 自己紹介。
14 :30〜 椿屋さんによるNicolas de Crécy(ニコラ・ド・クレシー)の略歴および作品の紹介。椿屋さんがド・クレシー作品を持ってきてくださったのですが、処女作と最新作、絵本作品などを除くとほとんど全ての作品があり、壮観でした。ド・クレシー作品をよく知る椿屋さんの解説は非常にわかりやすく、また面白いものでした。椿屋さん、ありがとうございました。参考までにということで、当日は略歴と作品名を載せたレジュメを配布しました。以下に掲げておきます。 ---------------------------------------------------------------------------- 略歴 1966年9月29日、リヨンに生まれる。1984年、当時創設されたばかりのアングレーム美術学院バンド・デシネ・コースに入学。1987年、同校卒業後、フランス・ディズニー・スタジオに勤務、1年間作画の仕事を努める。同じ頃、アングレーム美術学院で出会った Sylvain Chomet(シルヴァン・ショメ)と共作で、Victor Hugo(ヴィクトル・ユゴー)の処女作『Bug Jargal(ビュグ・ジャルガル)』(1818年)に基づいたBDを制作、1989年、同題でスペインの出版社 Ikusager(イクサヘール)から出版。以降、BD制作に従事し、今に至る。代表作は以下のとおり。『Foligatto(フォリガット)』、『Léon la Came(麻薬のレオン)』(全3巻)、『Le Bibendum Céleste(天空のビバンドム)』(全3巻)、『Prosopopus(プロソポプス)』、『Salvatore(サルヴァトーレ)』(2巻まで出版)、『Période Glaciaire(氷河期)』、『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』。シルヴァン・ショメとは複数の作品で共作を行なっており、ショメが監督を務めたアニメーション作品『La Vieille Dame et les Pigeons(老婦人とハト)』では、美術を担当している。
書誌 ■『Bug Jargal(ビュグ・ジャルガル)』(シルヴァン・ショメとの共作、イクサヘール、1989年) ■『Foligatto(フォリガット)』(Alexios Tjoyas〔アレクシオス・チョージャ〕原作、Les Humanoïdes Associés〔レ・ユマノイド・アソシエ〕、1991年) ■『Le Bibendum Céleste(天空のビバンドム)』(全3巻、レ・ユマノイド・アソシエ) 第1巻(1994年) 第2巻(1999年) 第3巻(2002年) ■『Léon la Came(麻薬のレオン)』(シルヴァン・ショメ原作、Casterman〔カステルマン〕、1995〜1998年) 第1巻「Léon la Came(麻薬のレオン)」(1995年) 第2巻「Laid, Pauvre et Malade(醜悪、貧困にして病弱)」(1997年) 第3巻「Priez pour Nous(われらのために祈りたまえ)」(1998年) ■『Monsieur Fruit(ミスター・フルーツ)』(全2巻、Seuil(スイユ)) 第1巻(1995年) 第2巻(1996年) ※ 2007年に『Super Monsieur Fruit(スーパー・ミスター・フルーツ)』として合本刊行(スイユ刊)。 ■『Dessin(デッサン)』(Jour de Fête〔ジュール・ド・フェット〕、1995年) ■『La Nuit du Grand Méchant Loup(意地悪な狼の夜)』(Pascal〔パスカル〕文、Pastel〔パステル〕、1998年) ■『Plaisir du Myope(近視眼者の愉しみ)』(Cornélius〔コルネリユス〕、1999年) ■『Le Roi de la Piste(ゲレンデの王さま)』(PMJ〔ピーエムジェ〕、2001年) ■『Lisbonne, voyage imaginaire(リスボン―空想旅行)』(Raphaël Meltz〔ラファエル・メルツ〕文、カステルマン、2002年) ■『Monographie(個別研究)』(l’an 2〔ラン・ドゥー〕、2003年) ■『Prosopopus(プロソポプス)』(Dupuis〔デュピュイ〕、Aire Libre〔エール・リーブル〕叢書、2003年) ■『Café Moulus(カフェ・ムリュ *粉挽きコーヒー?)』(Verticales〔ヴェルティカル〕、2004年) ■『Des Gens Bizarres(奇妙な人々)』(コルネリユス、2004年) ■『Salvatore(サルヴァトーレ)』(全2巻、デュピュイ、Expresso(エクスプレッソ)叢書) 第1巻「Transports Amoureux(愛の輸送 *違う意味かも…)」 第2巻「Le Grand Départ(大いなる旅立ち)」 ■『New-York-sur-Loire(ニューヨーク・シュル・ロワール)』(カステルマン、2005年) ■『Période Glaciare(氷河期)』(Futuropolis〔フュチュロポリス〕、2005年) ■『De la Confiture de Myrtilles(コケモモのジャム)』(Le 9eme Monde〔ル・ヌヴィエム・モンド〕、2005年) ■『Escales(停泊地)』(コルネリユス、2006年) ■『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』(フュチュロポリス、2007年) ■『L’Orgue de Barbarie(手回し風琴)』(ラファエル・メルツと共作、フュチュロポリス、2007年)
15 :20〜 ショードヴァルによる補足。椿屋さんにお借りして読んだ『Léon la Came(麻薬のレオン)』の簡単な解説と冒頭部分の翻訳の配布。および途中まで読んでいる『Journal d’un Fantôme(ある幽霊の日記)』の解説。Freddo さんもド・クレシー関連情報を提供してくださいました。
続いて、左から『Des Gens Bizarres(奇妙な人々)』、『De la Confiture de Myrtilles(コケモモのジャム)』、『L’Orgue de Barbarie(手回し風琴)』。最期の『L’Orgue de Barbarie(手回し風琴)』が今のところ最新作ということになるんですが、Hugues Dayez(ユーグ・デイエ)編のインタヴュー集『La Nouvelle Bande Dessinée(ヌーヴェル・バンド・デシネ)』(Niffle〔ニッフル〕、2002年刊)によると、これは当初ド・クレシーの長編アニメーションとして構想されていたもののようですね。仏語版ウィキペディアにも「Film Book」と記されていて、もしかしたらそうなのか?と思ったりもするのですが、フナックで検索するとBDと書いてあります。『Lisbonne, voyage imaginaire(リスボン―空想旅行)』でコンビを組んだRaphaël Meltz(ラファエル・メルツ)が協力している模様。