ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

BDについてもっと知りたい!コミュの【インタヴュー】François Schuiten(フランソワ・スキュイテン)/Benoît Peeters(ブノワ・ペータース)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
今年8月にスキュイテン&ペータースの『Les Cités Obscures(闇の都市)』シリーズの新作「La Théorie du grain de sable(砂粒の理論)」第1巻が発売されたんですが(→http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=3679293&comm_id=424387)、それに合わせて2人の簡単なインタヴューが Casterman(カステルマン)のホームページに掲載されたので(→http://bd.casterman.com/zine/articles/5/31/?id=2037)、以下に訳してご紹介します。ちなみにこのインタヴューは PDF 形式で読めるカステルマン社のPR誌『castermag'』#19にも収められています。例によって Kigalisoupe さんに翻訳のチェックをしてもらいました。Kigalisoupe さん、ありがとうございます!
-----------------------------------------------------------------------------
カステルマグ:今回の新作の出発点はどのようなものだったんでしょうか?

フランソワ・スキュイテン:これから新しいアルバムを作ろうという時に私たちをつき動かしているのは、いつだって2人のコラボレーションをさらに発展させよう、新しい挑戦に身を投じようという欲望ですね。構想中の作品というものは、その都度、創造の場が未開拓で開かれたものだという感情を与えてくれなくてはいけない。この本は危険に満ちたわくわくさせるようなものになるはずだ、この物語が『闇の都市』シリーズの中で最も力強い作品になるはずだというね。

ブノワ・ペータース:物語全体の核になるアイディアがあって、いくつかの本はそこを出発点にして作られています。『La Fièvre d’Urbicande(ユルビカンドの熱病)』、『L’Enfant penchée(傾いた少女)』、『La Tour(塔)』がそういった傾向の作品ですね。他の作品―『Brüsel(ブリュゼル)』のような―は、そこから道草をするように作られている。そう、まるで物語が進んでいく内に、勝手に骨組みができあがるような感じでしょうか。『La Théorie du grain de sable(砂粒の理論)』が属しているのはこの後者ですね。この物語は様々な草案や欲望から生まれ、成熟しました。そこで主要な役割を果たしていたのは種々の幻想的な現象です。私たちはかつてブリュゼルという都市に物語を捧げたわけですが、あれから何年も経って、再びブリュゼルの町を登場させたいという気持ちもありました。そして、「傾いた少女」マリー・フォン・ラッテンという登場人物を再び取り上げたいという気持ちも。これはシリーズの中でも最も幻想味あふれる物語です。

フランソワ・スキュイテン:(現実から:訳者補足)幻想への転覆が少しずつ引き起こされます。それをいかに絵として表現するかという点でも、私はこうした現実のねじれに関心があります。登場人物を描写するにあたって、今回の私たちの決心は次のようなものでした。私たちがよく知っている人たち、私たちのすぐ隣に生きている人たちから着想を得、彼らの生活から心理や話し方、挙措、考え方、食事の取り方を汲み取ること。しかし、彼らの中の何人か、アラン・ゴファンやエリック・キュイペルー、セシル・ジョドーニュにモデルをしてもらったのは、私の手が安易な仕事をしてしまうのを避けるためでもあったのです。全てのバンド・デシネ作家にとって、自己模倣に陥ってしまうのは危険なことですからね。

ブノワ・ペータース:『砂粒の理論』における反復的な装飾の1つ―主役の1人と言ってもいいんですが―は、Horta(オルタ)によってブリュッセルに建てられた la Maison Autrique(オートリック邸)です。フランソワと私はこのアール・ヌーボー様式の建物の修復と保存、そしてその演出に携わりました。この場所は物語の中核を成している。それは視覚的な真実性をそのまま保ちながら、幻想の中にとらえられているのです。

カステルマグ:あなたたちのコラボレーションはここ数年で発展しましたか?

フランソワ・スキュイテン:私たちは物事が固定化してしまわないように、保護区のようなものを作ってしまわないように努力しています。ブノワは時として非常に視覚的な、グラフィックな考え方をします。そして逆に、私が非常に物語的な発想を持ち込むことがある。私たちにとって重要なのは、作品を作っている間中、ダイナミックな関係を維持し続けることなのです。バンド・デシネとは映画でもなければイラストレーションの総体でもない。それはコマからコマへと継起する絵のエネルギーによって活気づけられた一個の奇妙なメディアなのです。

Propos recueillis par N. Finet.
(インタビュー:N・フィネ)

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

BDについてもっと知りたい! 更新情報

BDについてもっと知りたい!のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング