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BDについてもっと知りたい!コミュの『Soirs de Paris』Avril & Petit-Roulet

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『Soirs de Paris(パリの夜)』Avril & Petit-Roulet(アヴリル&プティ-ルレ)
Les Humanoides Associes(レズュマノイド・アソシエ) 1989年

古本でやっと入手できたので紹介します。
Francois Avril(フランソワ・アヴリル)
http://perso.orange.fr/francois.avril/
は、イラストレーターとして有名ですが、昔はBDも描いていたんですね。

パリのとある一夜の出来事が、4っつのエピソードから描かれています。
それぞれ登場人物も設定も異なり、各話のつながりはありません。
パリの通りに詳しければ、このタイトルの通りだけで、「ここはブルジョワが住んでる」とか「歌舞伎町みたいな所」とか分かって、もっと面白いのではないかと思います。

『26 Rue Fontaine(フォンテーヌ通り 26番地)』
主人公は客引きの青年に連れられて「LE MARTIAL(ル・マーシャル)」というクラブへ案内される。おそらくこのような店へ来たことはないのだろう。騒々しいバンドの演奏、マジック・ショー。二階の男性専用部屋でのストリップ・ショー…気がつけば深夜1時過ぎ。客引きの男は消え会計を頼むと目玉の飛び出るような金額が!
それから一週間後の週末、主人公が正装して出掛ける支度をしていると、客引きの男から再び電話が…

一人で週末をどう過ごすか?というのが大問題なんですね。

『63 Rue de la Grange aux Belles(グラン・オ・ベル通り 63番地)』
(画像はこの話のチークダンスで足を踏まれてる場面)
とある家のパーティーに呼ばれた男達。一人はガールハントに励むものの眼中にされず撃沈してばかり。
もう一人は、背の低いちょっとコケティッシュな女の子を紹介されるが全く好みではない上に、チークダンスを踊れば足を踏まれてばかり。頭に来てトイレに行けば、そこでも隣の部屋でも取り込み中のカップルばかり。

一方振られっぱなしの男の方は、家の主人にアーティスト達を紹介されるが、マティスの話には全く興味が持てない。一人酒を飲んでいると、もう一人の男が呼びに来て…

フランス人だからといって、皆がパーティーで上手くやれる訳ではなく、行き場のない人達が集まる所と言えば…あそこですね。こういうの、ヌーヴェルヴァーグの映画の1シーンでありそうですね。

『52 Avenue de la Motte Piquet(アヴェニュー・ドラ・モット・ピケ 52番地)』
4っつのエピソードの中ではもっともエロティックなエピソードでしょう。それでも下品にならないのは、アヴリルの絵柄だからだと思いますが。

あるカップルの週末の話。一通り愛し合った後、女は水を飲みにキッチンへ。その後ろ姿に思わず後ろから抱きしめるムードのない男に対し、女の方はちょっと不機嫌に。居間でレコードをかけ、ムードをつくってなんとか続きを試みるも、勢い余って女の足を痛めてしまい、またしてもおあずけ。彼女をお姫様だっこしてバスルームへ連れてゆき、ビデで足を冷やしながら再びトライ。今度は最後までと思いきや、またしてもバスタブで身体を打って断念。あきらめてベットへ戻ったものの男は悶々として眠れない。
そして日曜日の朝。男は寝不足のまま二人で買い物をし美術館へ行きレストランでディナー。こうして週末は過ぎてゆく。夜10時過ぎにはベットに入り、男がみた夢は…

男と女の生理の違いがコミカルに描かれていて、ベットシーンもなかなか上手く描かれていて勉強になりました。面白かったです。

『66 Avenue des-Champs-Elysees-(アヴェニュー・デ・シャンゼリゼ 66番地)』
独身同志の男女四人が週末を一緒に過ごす話。
いつもの仲間と待ち合わせて映画を観にゆく事になった主人公。ところが満席で入れない。それでは他の映画を観ようという事になったが、好みが合わず。それでは食事にでもと行ったレストランも満席で入れず、仕方なく入ったレストランは騒々しすぎて耐えられない。それではバスティーユのバーへ行こうと行ってみるも、ここも人が多すぎる。それなら家で飲もうという事になり、やっと落ち着いて過ごすことが。
やがてお開きになり主人公と友達の女性はタクシーを一緒にひろうが、そのまま彼女の家でもうちょっと飲もうという事になり彼女のアパートへ。
だが猫と一緒に住んでいる彼女にはなんとなく魅力を感じず…

これもありがちな週末の風景という感じで、最後に主人公がどうしたかという落ちが男ってこんなもんかやっぱりという感じでした。

と、こうしてストーリーを説明してきましたが、画像をみておわかりの通り、実はこのBDには台詞はありません。だから絵柄をみて想像するだけなのです。
ストーリー解釈も、人によってはもっと違った解釈になるでしょう。こういう軽いエピソードは、洒落た台詞で決めるというのもいいでしょうが、絵柄が優れていれば、そして元となる脚本が優れていれば、台詞がなくても成立するという事ですね。

アヴリルのようなタイプのイラストの事もタンタン同様に<Ligne claire>というBDのスタイルで呼ぶようで、現在のアヴリルのイラストはさらに線が洗練され、マティスやモディリアーニのような暖かみのある直線と曲線で風景画なども描いているようです。

コメント(2)

abeille さん、ご紹介ありがとうございます! 『STUDIO VOICE 特集:地球コミック宣言』にこの本の1エピソードが掲載されていたのではと思うのですが、今手元にないので確認できません… パピエでも見たことがあるような気がするんだけど、気のせいかな… 非常に洗練された絵ですね。デュピュイ&ベルベリアンに似たところもあるような気がします。BDの中にはこういうイラスト系の作家の系譜があると思うんですが、誰かこの辺についてまとめている人はいないんですかね? 他にどういう作家がいるのか知りたいもんです。BD研究会の時にでもぜひ見せてくださいねー。
今回はこういうイラストとして成立している作品中心に買ってきたので、探せばけっこういるみたいですよ。
ただ、ドラマティックなストーリーとかではなかったり、女性向き?の話だったり、軽いコメディーだったりするので、BDとして主流には成りにくいのだとは思いますが。
キュート系BD発掘隊としては、地道に探してゆきたいですね。

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