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BDについてもっと知りたい!コミュの『Le retour a la terre 1.LA VRAIE VIE』Ferri&Larcenet

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『Le retour a la terre 1.LA VRAIE VIE』Jean-Yves Ferri&Manu Larcenet (『田舎暮らし=非電生活 1.ほんとうの生活』ジャン-イヴ・フェレ&マヌ・ラルスネ)
を紹介します。
出版:DARGAUD(ダルゴ)Poisson Pilote(ポワソン・ピロット)

著者のひとり(イラストを描いている人?)、マヌがウィルスにかかったのをきっかけに、妻とパリ郊外(Juvisy-sur-Orgeらしいです)から田舎(BDの中では Les Rvenelle たぶん架空の地名じゃないかと思うのですが)へと引っ越した実話を元に、そこで体験する様々な出来事、都会と田舎とのギャップ、親切なんだけれどなかなかしっくり馴染めない田舎の人々との生活をコミカルに描いています。

可愛い絵柄に反してシニカルな内容で、主人公が自分の意志で田舎暮らしをはじめたのになかなかネットのない生活に馴染めなかったりと、かなり自己批判もこめたキャラ設定になっていて、そのあたりは偏屈もののウサギが主人公のトロンダイムの『ラピノー』シリーズに似ているでしょうか。

タイトルは一般的な意味は『帰農』で、田舎で農耕生活に戻る意味なのですが、もう一つに意味に『アース』つまり、家電製品についている電気を逃がす回路の意味ももっています。ネットからの解放を意味しているのだろうと思い、「非電生活」としてみました。
もちろん主人公はまったく出来ていないどころか、ネットがないと仕事も生活もできないネット依存症のようなところがあるので、これもかなり皮肉ったタイトルなんですね。

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ある日マリエットとマヌは都会暮らしにうんざりしたので、トラックに段ボールいっぱいの荷物を積んで、ラヴネルで暮らすために引っ越しました…
ラヴネルは、フクロウがいて、田舎で、木がたくさんあって、花もいっぱいあって、鳥もたくさんいる所です…
僕たちが到着すると、管理人のアンリさんが鍵を渡すために待っていてくれました…

こうして田舎へ引っ越してきた二人ですが、マヌが一番最初にやった事は、コンピューター一式をだして全部配線して自分の要塞を作ること。

せっかく田舎へ引っ越してきたのに、ネットばかり観て、「ジギタリスの花ってすごいんだよ」といっているマヌに妻のマリエットは「ネットで観てないで、実際に探しに行けば?」と一言。
「そうだね」「あ、でもその前にこの花をプリントアウトしなくっちゃ!」

片っ端から友達に電話して田舎に引っ越したことを自慢しつつ、「やっぱり都会に帰りたい」と、引っ越したその日にホームシックにかかったり、せっかく引っ越して来たのに、段ボールはいつまでも片づかず、段ボールに埋もれた生活じゃないと広すぎる田舎の暮らしじゃ落ち着かないマヌにマリエットが激怒したり、スピードという名前の猫に新しいテリトリーを教えてあげようと田舎を案内して、鳥を捕らせようとするものの、まったくやる気無しの猫に鳥がたかって馬鹿にされたり。

それでも少しずつ家の外へと生活のテリトリーを広げてゆくマヌですが、地元の人達がまた変わっていてマヌにとっては珍獣に出会うようなもの。
いつも窓の外から誰かが覗いていたり、ほんとうは親切で興味津々で色々と質問するのに「どうしてそんなこと色々聞くの?」と尋ねると「別に」とそっけないおばあちゃんや、木の上で生活している謎の人や、遊びに来たのに田舎に馴染めない従兄弟や、無口で親切な大家さん。

そんな田舎暮らしに果たしてマヌとマリエットは馴染めるのか?

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1ページを二分割して、そこに6コマ漫画が二つというページ構成がメインで、時々一枚のイラストに台詞が入ったカリカチュールのような漫画と6コマ漫画といったページもあります。

一つのエピソードが短いので読みやすいのですが、言葉遣いがかなりフランクなのと、時々裏の意味があったりするので、ネイティヴの人だとすぐにピンときて面白いみたいです。辞書に載っていない表現もあるので日常的なフランス語の表現を知りたい人にはフランス人に聞きながら読むのもお勧めです。

このシリーズは4巻まで発売になっているみたいです。
絵が可愛いので、フランス語がそんなに得意じゃなくても、絵を見てるだけでもなんとなくオチが分かるので眺めるBDとしてもお薦めです。


コメント(4)

これ、ほんとにかわいらしいですね

フランスは日本以上に都会と地方の格差があるから、よけい面白いかもしれませんね
abeille さん、ご紹介&翻訳ありがとうございます! 大分前にアリスさんが紹介してくれた『Le Combat Ordinaire』(→http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=3351391&comm_id=424387&page=all)と同じ作者の作品ですね。絵的にはほとんど同じ感じですが、『Le Combat』はストーリー漫画なので、この作品とはちょっと雰囲気が違うようです。翻訳された話、読みましたが、非常に面白いですね! 「電話」という話とか、かなりいいです。これはぜひ読んでみたいなー。abeille さんがおっしゃっるように、この辺の作品はフランス語の日常表現を身につけるのによさそうですよね。会話自体それほど長くないし、とても活き活きしている気がします。
>Kigalosoupeさん
>ショードヴァルさん

読む前は、一昔前にはやった『南仏プロヴァンスの…』みたいな話かと思っていたのですが、そうではなくて、むしろ日々のちょっと心に残った出来事を6コマ漫画にして綴ったブログみたいな感じですね。

6コマなので起承転結というより、無言のシーンの間合いの取り方が「ぽつねん」という感じで、三木聡(時効警察)の書く芝居みたいでいいですね。
微妙に表情がかわっているコマとかがいいんですよ。(上のだとわからないと思いますが、「初めての夜」の妻:マリエットの表情が、最初の5コマはほとんど無表情でテレビみてるんですが、最後の一こまで、口角がちょっとだけ上がっていて、マニュの最後の一言が嬉しかったんだろうなぁっていうのが分かるんです。)

田舎暮らしは日本でも流行ってますが、ネットはないとね。みたいな胡散臭いLOHASを自覚しつつ子供のように闇におびえたりするマニュがかわいいです。これなら抜粋で原稿のサイズを変えないで半分にして1/2のサイズで出版したら面白いかもしれませんね。
『Le Retour à la Terre』、第1巻「La Vraie Vie」、久しぶりに日仏で借りて読みましたー。abeille さんが紹介してくださった通り、非常に面白いBDです。とりあえず2つほど訳してみました。ここに訳出したものもそうだけど、フランス語の地口みたいなものが多く(「ラッキー・ニュック」みたいな…)、うまく訳すのが難しいですね… 逆に言うと、フランス語で読むとすごく楽しいです。1つ1つが短くて、でも通して読むと一連の物語のようになっていて、口語表現も多いし、ほんと、語学教材として面白いと思いますね。abeille さんがおっしゃるように、フランス人に説明してもらいながら読むというのがいいのかもしれません。僕は1人で読んでてよくわからんところが結構ありました…

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