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BDについてもっと知りたい!コミュの『太陽高速』(邦訳)

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 バル作『太陽高速』(ハセガワ タカコ訳、講談社、モーニングKCDX、1995年刊)読了しました。乳の日に薔薇の花束をさんからお借りしたものです。乳の日さん、ありがとうございました! 講談社がモーニング、アフタヌーンなどに掲載した一連の作品の1つですね。同じ1995年に出たヴァレンヌの『喜郎』(講談社)なんかもそうですが、ちょっと大きめのマンガ単行本サイズで、白黒作品だったらBDをこんな版型で出版するのもありなのではと思います。なしにろ持ち運びに便利で読みやすい! ちなみに日仏同時発売だったのか日本語版が先だったのかはよくわかりませんが、仏語版も同じ1995年に出ているようです。仏語版タイトルは Baru『L’Autoroute du Soleil』、Casterman(カステルマン)社刊で、Mangas(マンガ)というコレクションに入っていた模様。版型も日本と同じものだったのでしょうか、21×15cmとちょっと小さめで、ページも400超です。現在は24×17cmとちょっと大きくなり(普通のBDよりは小さい)、2巻に分冊、コレクションも Ecritures(エクリチュール)に変わっているようです。日本語版の作者名表記は「バル」となってますが、普通に発音すると「バリュ」ですよね。日本人向けに表記したのでしょうか? あるいは「バル」というのが正しい発音なのか… タイトルの「太陽高速(Autoroute du Soleil)」というのはリヨン‐マルセイユ間をつなぐ高速道路とのこと。作中でも、南進すると地中海沿岸の都市にまで行きつくから「太陽高速」って呼ばれてるんだというナレーションが入ります。ということで、梗概は以下のとおり。

 主人公のカリム・ケマルとアレクサンドル・バルビエはフランスのさるうらぶれた工業都市に生まれ育った青年である。カリムはアラブ系、50年代風のファッションに身を包んだ美青年で、女性にはもてまくり、すっかり町の顔になっている。金持ちの奥さま方に言い寄っては金を貢がせ、気ままな生活を送っている。一方のアレクサンドルはイタリア系。これといった長所もない平凡な青年で、自分とは正反対のカリムに憧れを抱いている。ある日、アレクサンドルがカリムに話しかけたことがきっかけで、2人の間に友情が芽生える。町に繰り出し、アレクサンドルに遊びを教えてやるカリム。日が落ちると、女のところへしけこむために、彼はアレクサンドルと別れる。そして、この後起きることが2人を悪夢の逃避行へと誘うことになる… カリムが相手にしていた女は、医師にして右翼系政治団体の代議士ラウル・フォリシエの妻だった。その日、自分の足場固めをする上で重要な意味を持つはずの政治集会を移民系労働者たちに妨害され、散々な目にあったフォリシエが家に帰ってみると、そこには憎き移民系の男と寝ている妻の姿があった。半狂乱の態でカリムに襲いかかるフォリシエ。偶然近くに居合わせたアレクサンドルの機転で、その場をうまくやり過ごしたものの、2人は狂気と化したフォリシエの執拗な追跡に悩まされることに。フォリシエの魔手を逃れようと、彼らは太陽高速を南下していくことになる。フォリシエから逃れていく過程でいろいろな出会いを経験する2人。彼らの運命やいかに…

 日本の雑誌に掲載された作品ですが、コマ割が特別日本的だということはないようです。とは言え、伝統的なBDのそれとも違っていて、ラバテ(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=11272311&comm_id=424387)やダヴォドー(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12291969&comm_id=424387)に近い印象を受けます。ページにおけるコマ数が少ないせいか、違和感なく読める気がします。カラーは冒頭だけで、残りは全て白黒。ちょっとしたロード・ムービーという感じで雰囲気がすごくいいです。男の2人旅ということで、ヴェンダースの『さすらい』を思い出しました。完璧青年向けという感じの作品です。セリフがよければもっと魅力的なものになった可能性大です。旅の途中でいろんな人たちと会っていくのがこの作品の魅力の1つで、中にルネ・ロワゾウっていう登場人物がいるんですが、2人がこの男の家に厄介になってる時に、彼の車庫で普段はスカしたカリムが憧れの車を見つけて有頂天になる場面があって、ここがすごくよかったですね。あと、ラストも結構いいかな。一方、2人を追い回すフォリシエという登場人物がいるんですが、妻の不倫をきっかけに突然湧き上がる狂気みたいなものがもうちょっと説得的に描かれてもよかったんじゃないかと思いました。キレ方は面白いんだけど、なんでこんなにキレてんのかよくわからんみたいな… なんにしても、BDで400ページ超を一気に読ませる物語を作っただけでも、十分価値があるような気がします。この作品を作るにあたって、日本の編集者ってどれだけ関わってるんですかね?

* 画像は仏語新版です。

コメント(4)

お、マジっすか? 日本語版と全く同じかどうか気になるところです。読み易さってことから言えば、いわゆるBDよりはマンガにかなり近いですよね。でも、これが日本のマンガの影響かどうかが僕にはわかりません。いろいろ細かいところを他のBDやマンガと比較してみたら面白いでしょうね。ラバテ、ダヴォドーそれから L'Association 系のBDなどもかなりマンガに近いと思うんですが、影響関係などどうなんでしょう? ワールド・ワイドなスタイルということかもしれませんし…

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