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BDについてもっと知りたい!コミュの『ZOO (動物園)』

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フランク&ボニフェイのBD「動物園」をご紹介します。

物語の舞台は20世紀初頭のフランス、ノルマンジーの片田舎にある、古い広大な邸宅とそれに付属する私設動物園。
医師のセレスタンは、奔放な養女のマノン、そして寄宿人でありマノンの恋人でもある彫刻家のビュジーと共に、祖父から相続した風変わりな遺産であるこの動物園を管理し、数多くの動物達を養いながら暮らしています。
しかし、今では動物園を維持管理するための遺産ももはや底をつき始めており、補修もままならない施設を、懸命に維持しているような状態です。

ある日、自分たちの手で動物園の修理するため、廃材をもらい受けに町に出たセレスタン達は、廃材の運搬を申し出てくれたジプシー、ピオトルの一行と知りあい、動物園の修理も手伝ってもらうため、彼らを邸宅に招きます。
ピオトルのワゴンには彼の母親、妻の他に一人のロシア人女性、アンナが同行していました。
こうして、かつてロシアの狩人の妻であり、狩人達の喧嘩騒ぎに巻き込まれ夫を失い、彼女自身も鼻をそぎ落とされるという苦難を生きぬいてきたアンナが、セレスタン達の静かで平和な暮らしに加わります。
鼻はその持ち主の魂の象徴であるというロシア人達の迷信。そして鼻を失い「呪われし者」として忌まれる身となったアンナですが、一度失われた彼女の「魂」は、マノンの助けを借り、やがて動物園という小宇宙の中で、静かに癒され再生していきます。

一方、この平和な小宇宙を取り巻く世界で吹き荒れている戦争の陰は、着実にセレスタンの心に陰を落とし始めていました。
ある日、近くの町で起こったガス爆発事故で、粗末な救護所で負傷者達の治療を続けながら、セレスタンは、戦場ではそれよりもはるかに巨大な悲劇が繰り広げられているという思いと、自分の無力さに苦悩し、そして医師としての職責を果たすため、自らも軍医として戦場に赴くことを決断します。

また動物園の財政状況も悪化の一途をたどりつつあり、彫刻家のバジーもマノンの反対を振り切り、自身の作品をブルジョアに売り渡すことで、なんとか動物園を維持しようと苦闘していました。
こうして表面上は穏やかな日々が続きながらも、季節が秋から冬に移り変わる中、次第に彼らの間には別離への予感が垂れ込めていきます。
やがて、ひと足早いクリスマスを村人達と祝ったつかの間の平穏の後、セレスタンはマノン、バジー、アンナ、そして動物達に別れを告げ、一人戦場へと赴くのでした。

ベルギー出身でアニメーターでもあるフランク・ペーによって描かれた、セピアを基調とする絵の中を生き生きと駆け回る動物達、そして空間を満たす光が強く印象に残る、非常に美しいBDです。
生命力にあふれたヒロイン、マノンをはじめとして、魅力的な登場人物ばかりですが、なんといってもこの物語の真の主人公は、彼らが暮らす動物園です。
かつてのベルリン動物園をモデルとした建物や内部の描写には、廃墟テイストも加わって、実に幻想的かつ魅力的な小宇宙を作り上げています。

現在第2巻まで刊行されていますが、フランクの仕事の都合で一時中断していた第3巻の製作も再会されたようで、続
巻の刊行が待たれます。
なお、こちらのサイト で物語についての詳しい情報や、数多くのフランク・ペーの絵を見ることが出来ます。
http://www.bdcouvertes.com/zoo/ouverture.htm

コメント(2)

おおおおお! これ面白そうですね! ふくひまさん、ご紹介ありがとうございます! フランクと言えば、以前紹介した『Broussaille(ブルッサイユ)』(http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=5283285&comm_id=424387)の作画家ですが、絵柄が全く違う… でも、動物に対する眼差しやポエジーなど共通する部分もありそうです。鼻を削ぎ落とされた女性という設定がすごい! 魂の再生とか弱いんですよね、僕… こりゃあ読まねばなりますまい…
とりあえず画像を見つけたので貼っときます。第2巻から。

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