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BDについてもっと知りたい!コミュの『Sambre(サンブル)』

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 Balac(バラック)原作、Yslaire(イスレール)作画『Sambre(サンブル)』第1巻「Plus ne m’est rien...(何て訳すんでしょう?「私にはもう何もない…」?)」(Glénat[グレナ]社、1986年刊 )読了しました。日仏学院のメディアテークで借りたものです。フナックのBDガイドで歴史ものの古典として紹介されていたので、読んでみることにしました。イスレールは割と有名な作家なのではないかと思いますが、その作品を読むのはこれが初めてです。原作者のバラックは Yann(ヤン)という人の別名だそうで、この人はこの人で有名ですね。よく調べず、1巻完結だとばかり思って借りたんですが、2003年の時点で第5巻まで出てるようです… くっ… 日仏には1巻だけしかなかったのに… 梗概は以下のとおり。

 19世紀の中葉、パリから少し離れた小さな村。地元の名士 Hugo Sambre(ユーゴー・サンブル)が自殺し、今、その埋葬が終わったところである。死んだ老サンブルは狂っていたというのがもっぱらの噂だった。彼は人間の目に異常な関心を示し、その死にあたって自ら目を潰したという話がまことしやかに語られていた。残された息子 Bernard(ベルナール)は気位の高い少年で、そのような噂が立つのが気に入らない。葬儀の後も、家族の悪口を述べた村の子どもたちを相手に大立ち回りを演じたところである。その帰途、にわか雨に降られたベルナールは、雨宿りのために橋の下に駆け込む。そこにはまるで彼を待ち伏せていたかのように、1人の少女が佇んでいた。浅黒い肌に黒い髪、印象的な赤い瞳をしたその少女は、Julie(ジュリー)という名の孤児で、母親が娼婦だったために皆から敬遠されていた。長い間ベルナールに憧れていたジュリーは彼を誘惑する。ベルナールは嫌悪を感じつつも彼女に惹かれていく。が、2人の密会は、ベルナールを探しに来た姉 Sarah(サラ)の声に邪魔されてしまう。その日、深夜の再会を約して2人はひとまず別れる… 父親譲りの狂気を噂されるサラは、父の死以来、精神が昂ぶっている様子である。それもそのはずで、弟ベルナールは父の死に哀悼の意を示す様子を見せず、未亡人となった母親にいたってはサラの従兄にあたる Guizot(ギゾー)という青年をパリから招き、喪も明けぬうちから情事に耽る始末である。せめて自分だけでも父親の思い出を抱きしめて生きようと考えるサラ。彼女は父親が執着しつつも、未完成のまま遺した著作『La Guerre des Yeux(眼差しの戦争?)』を引き継ぐ決心をする。その本の中でとりわけて不吉であるとし、様々にある瞳の色の中でも父親が最も恐れていたのは、燠火のような赤い目だった… その燃えるような瞳の持ち主ジュリーの元へ赴くベルナール。密会の場所は事もあろうに、彼の死んだ父親の墓だった… ジュリーの情熱的な愛とサラの狂気が、サンブル家を少しずつ破滅へと導いていく…

 人物の表情などに稚拙な感じがないでもありませんが、非常に素晴らしい作品です。ジュリーの怪しげな魅力(人間的な一面も見せたりするんですが…)とサラの狂気の雰囲気がたまりません。特にサラの情熱は近親相姦的な色合いを帯びていて何やらやばげですね。そのやばげな雰囲気を色彩が見事に伝えています。これからどんな風に展開していくんでしょうか? 日仏に続きが置いてあるといいんですが…

* 表紙はたぶん新版です。僕が読んだのは1994年版で、ちょっと違う表紙でした。

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