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BDについてもっと知りたい!コミュの『市長への手紙』(邦訳)

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 アレックス・バルビエ『市長への手紙』(ハセガワ タカコ訳、講談社、1998年刊)読了しました。仏語版は Alex Barbier『Lettres au maire de V.』Freon Eds(1998)、2巻本だと思っていたら、2006年の5月に第3巻というのも出ているようです。「そのあまりにも過激な内容のためにフランス漫画界から抹殺された禁断の漫画家」ということで非常に期待していたんですが、肩書きに恥じない素晴らしいBD作家です。漫画というよりはほとんど絵画ですね。絵の連続とナレーションで物語を作っています。
 物語の構成は8ページほどの短い話が全部で11編、姿が見えない「市長」なる人物に宛てた書簡という形式を取っていて、全て町(v町?)で蛮行を働いている狼男を問題にしています。差し出し人は複数いて、狼男の凶行を覗き見た市民が投書をしたり、あるいは狼男本人が市長に宛てて挑発的な手紙を書いたり… その内、それぞれの手紙が言っていることが相互に矛盾し始め、誰が狼男なのかがわからなくなって… という感じです。絵は水彩で描かれているんでしょうか? 滲んだ感じが何やら不吉です。個人的には第5章の「駅と太陽と足」という章が優れていると思いました。詩的と言ってもいいくらいです。「漫画界から抹殺」ってのは大げさだろ…と思ったりしますが、漫画は子ども向けのメディアという認識を持っているとたしかに危険かもしれません。文学だったら全然問題ないのに…
 「市長への手紙」の後に、「バルビエ画集+妄言集」というのがついているんですが、これを見るとボナール!?って感じの素晴らしい絵を描いています。バルビュスを思わせるところもちょっとあるかな… 普通に絵がうまいんですね。まあ、描かれているのはほとんど男女の性交の場面だったりするんですが… この翻訳が何巻までカバーしてるのかわかりませんが、続きがあるならぜひ読んでみたいですね。ただ仏語版の値段は2巻だけやや高め… なぜだ…?

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