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メモ置き場コミュのホミ勉資料[1]

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JC勉強会 2009-02-10

ホミリウスの受難曲をめぐって〜18世紀のドレスデンとホミリウス〜
講師:米沢(鏑木)陽子先生


1.ホミリウスについて
Gottfried August Homilius(1714-1785)

(1)年表

1714年 ザクセンのローゼンタール生まれ。父はルター派の牧師。
1722年 父が没し、ドレスデン聖アンナ教会附属学校へ通う。同教会オルガニストJ.G.シュテープナーにオルガンを師事。
1734年 現存する最初のカンタータ《主なる神は息子であり盾であるGott der Herr ist Sonn und Schild》を作曲(ドレスデン)
1735年 ライプツィヒ大学に法学生として入学。この時期にJ.S.バッハから作曲と鍵盤楽器を学ぶ。
1741年 バウツェン聖ペトリ教会オルガニストに志願するが叶わず。
1742年 ドレスデン聖母教会オルガニストに就任。同教会には、設置されたばかりのジルバーマン(*1)製作のオルガンがあった。
1753年 ツィッタウ聖ヨハネ教会オルガニストに志願するも失敗。
1755年 ドレスデン十字架教会カントル兼附属学校教師に任命。同時に聖母教会、聖ゾフィ教会の音楽監督(*2)にも就任。
1760年 7年戦争で十字架教会が破壊され、以後、聖母教会を主な拠点として活動。
1784年 市参事会にマニフィカト12曲とラテン語モテット1曲献呈。
1785年 ドレスデンにて没す。

(2)作品

・教会カンタータ約180曲  
・モテット約60曲  
・オラトリオ11曲 
・マニフィカト4曲
・オルガン作品(コラール編曲約30曲、オルガン+旋律楽器10数曲、自由作品約30曲)
・室内楽作品2曲    
・その他、通奏低音教本(手稿譜)などの音楽理論書の著作もある。

ホミリウスは、オルガニスト、カントル、教師、作曲家として、18世紀後半のドレスデンで活躍し、特に声楽作品は「18世紀後半が生んだ最も重要なもののひとつ」(P.シュピッタ)と高く評価されている。これらの声楽作品は十字架教会聖歌隊のために書かれ、生存中より手稿譜や印刷譜のかたちで広く知られていた。また同時に聖歌隊のレベルをかつてないほどに引き揚げることにも貢献したといわれる。

さらに十字架学校の教師として、ラテン語・ギリシャ語・音楽の授業を週24時間こなし、晩年にも1年分のカンタータを作曲するなど、ホミリウスは教会音楽家として生涯を通して精力的に活動した。

「疑いなく彼は私たちの最もすぐれた教会音楽作曲家である」(1790年、E. L. ゲルバー)

(*1)Silbermannはバロック期のドイツを代表するオルガン製作者一族。この楽器はGottfried Silbermann(1683-1753) の手によるものとみられる。
(*2)NG2 には、十字架教会ではKantor、聖母教会と聖ゾフィ教会ではmusic director となっている。


2.18世紀後半のドレスデンにおける受難曲の上演
 
演奏機会:聖週間の礼拝のなかで(ただしライプツィヒのような晩課ではなく朝課において)
       ?聖金曜日(説教の前と後)
       ?洗足木曜日 Gründonnerstagと聖金曜日に二つに分けて演奏

演奏場所:教会 → 公の場でのコンサートでは演奏されなかった

ホミリウスは、オラトリオ風受難曲(*3)と受難オラトリオ(*4)を少なくとも9曲残しているが、ドレスデンにおいては、これら2つのタイプが共存しており、どちらも礼拝で演奏され、「モダン」な受難オラトリオが、「保守的」な(古いスタイルの)オラトリオ風受難曲に取って代わるようなことはなかったとみられる。

(*3)福音書に基づいた歌詞による受難曲。
(*4)受難を題材にしてはいるが、福音史家は登場せず、詩は書き下ろしで自由な形式で書かれている。イエスの弟子や実在の人物ではない「魂」や「良心」などが自らの心情を歌ったり、思いを語り合ったり、嘆いたりしながら受難の物語を語る。


3.ホミリウスによる受難曲

・《Wir gingen alle in die Irre》(Nun, ihr, meiner Augen Lider) (1765年以前) 手稿譜
・《So geht du nun, mein Jesu, hin》 『マルコ受難曲』(1768年以前)手稿譜
・《Ein Lämmlein geht und trägt die Schuld》 (詞:Buschmann) ライプツィヒで1775年に出版
・《Herr stärke mich, dein Leiden zu bedebken》Der Messias (1776年)手稿譜
・《Der Fromme stirbt》 『ヨハネ受難曲』(作曲年代不明) 手稿譜
・《Jesu Christ, durch deine Eunden》手稿譜
・《Kommt, lasset uns anbeten und knien》(Jesus der gute Hirte) 手稿譜
疑作:《Ein Lämmlein geht und trägt die Schuld》『マタイ受難曲』、《Hier will ich bei dir sterben》



ホミ勉資料[2]に続く〜

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