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Immanuel Wallersteinコミュの自己紹介に代えて

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 まだ六人ですが、このコミュニティの方は何かしらウォーラーステインの仕事や資本主義の問題等に興味がある人たちだと思います。

 あまりにも長いかもしれませんが、ウォーラーステインの以下の問いに対するそれぞれの考えをもって、自己紹介とするのはどうでしょうか。それは、以下の問いは、「世界システム」を考える者にとって根本的な、絶対的な答えのない、またこれから考える人にとっても入りやすい問いであると思うからです。
 たとえば「僕は(三)です」だけでもいいと思います。気楽に考えを述べていきましょう。


「私はひとつの倫理的な問を書き留めておきたいと思う。この世界システムに照らしてみるとき、われわれ自身のおかれている立場はいったい、どのようなものにみえてくるであろうか。かりに私が上手な泳ぎ手であって、いま海水浴場で泳いでいるところなのだが、海は波が高い、と想定しよう。レース中のモーターボートが何艘か海岸に接近しすぎてしまい、そうでなくとも高い波を、急に、いっそう高くした、と想定しよう。一人の下手な泳ぎ手が近くで溺れかけている、と想定しよう。(…)
 この溺れる者は、私が彼の窮地の原因を分析することよりも、彼の生命を救うことの方を好むに相違ない。あの食糧危機がわれわれに繰り返し突きつけているのは、このようなことなのである。エジプトで旱魃が、はたまたブラジルでは地震が起こった、食料を送れ、衣料品もテントも、それも直ちに送れ。誰がノーと言えようか。右の「与件」を少しく変えてみよう。私自身はおそらく、海中にではなく浜辺にいて、したがって溺れる者はかなり離れたところにいる。溺れる者は一人ではなく1000人であり、それもまったく同じ理由で溺れていると想定しよう。そうすれば、私の倫理上のディレンマは、思うに、次の四つの行動方針のうちの一つを選び取るというかたちをとることになろう。
 (一)私は泳いでいって、人々を救助することができるかもしれない。多分、一人ないし数人を救助することができたであろう。それ以外の人びとがどうなるかは何ともいえない。
 (二)私は、近くにあった救命ロープを捜すのに少しばかりの時間を費やし、そしてそれを海中に放り投げることができるかもしれない。この場合には、五〇人は救助することができよう。だが、(一)のプランであれば救助することができたはずの一人は、多分、この間に溺れてしまうであろう。残りの九五〇人がどうなるか、それは疑問である。
 (三)私は、あの高速ボートを停止させるため、何かすることができるかもしれない。このことは、救命ロープを捜し出す以上に時間をとるに相違ない。私は多分、九五〇人を救助することができたであろうが、しかし、(二)のプランであれば救助することができたはずの五〇人は、おそらくこの間に溺れてしまうであろう。
 (四)私は、自治体の(モーターボートレースを禁止するか、少なくとも彼らを取り締まって危険を減らすべきであったのに、それを怠った)条例と(防波堤を築いて波を鎮めるのを怠った/筆者)姿勢の双方ないしそのどちらかひとつの変更を要求することができたかもしれない。私に対して勢力ある幾つかの団体が反対するであろう。私は組織的闘争を覚悟したことであろう。だが、そうしたこととはかかわりなく、この場合には、将来泳ぎ手となるすべての人びとを救うことができよう。しかしながら、そうこうしているうちに、現時点での一〇〇〇人が死んでしまう、といったことは考えられる。
 (…)読者はすべてを一度に行うことを好まれようが、それは不可能というものだ。彼らがなんとか泳ごうとさえすれば、誰も溺れることはなかろう、と読者は腹を立て、このディレンマを否定されるかもしれない。それとも、読者は、こうした道徳上の選択はただの人間には難しすぎると考え、それを神の意志に任せられるであろうか。私自身の好みをいうと、さしあたっては(三)を実践し、それから(四)に向かって行動することである。(…)根本的問題は、現在ある世界システムの不平等構造にかかわっているのである。この構造が持続する限り、泳ぎ手は溺れる。しかし泳ぎ手が溺れるといっても、それは不可避のことではない。」(I・ウォーラーステイン「近代世界社会における農村経済」《『資本主義世界経済』藤瀬浩司訳、名古屋大学出版会、1987年、所収》 p.174-176より)

コメント(11)

「近代世界システム論」から入り、他には「ユートピスティック」(両方川北訳)なども読みました。

高校で世界史が好きだったので彼の話はとても興味もてるものばかりなのですが、「覇(権)」が移り変わってゆく過程(オランダ→イギリス→アメリカ)とその説明を知ったときは正直鳥肌ものでした。

まさか学業で鳥肌が立つようなことがあるなんて…

>批判する精神さん

群集に呼びかけるってことが可能なのでしたら、最低四人の人がいれば役割分担することによってすべてを救助できるのではないかと思います。
 初めまして。ウォーラーステインはまだ初心者なんですけど頑張って勉強したいと思います。
始めまして。といっても大分遅れておりますが…。
大学の時2年間ウォーラーステイン・世界システム論を
中心に研究を続け、卒論を書きました。
ヘゲモニーの理論等まで大体20冊近くは読んだと思います。
私は一つの事象を多角的に分析するという点で
特に感銘を受けました。

トピックの問いに関しては、
短期的(=即時的)な対応として(2)→(3)と実践する必要があると考えます。
ただし、長期的(=将来的に同じことが発生することを防ぐため)には(4)が不可欠と思います。
管理人が不在でしたので、この度新しく就任する事を決意いたしました。

社会人になってからはなかなか著書を読む機会が無くなっております。

最新の情報提供等、引き続き皆様の積極的な参加を願います。
はじめまして。歴史をシステマティックに読み解くことが出来るんではないかという無謀な要求に、ウォーラーステインが何か気づきを与えてくれるのではないかと、最近入門書の類いを読んでいる大学一年です。
やはり3→4がいいですよね。ただもっと根本的に答えようとするならば、飢餓や富のあまりの不均衡な分配に関しては、3よりも4の方が今苦しんでいる人々に対しても最も即効性があると思います。

まだ無知もいいところなので、色々つっこんでいただけると幸いです。

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