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科学の知恵袋コミュの科学豆知識 化学篇(14) グルタミン酸、「技術未来遺産」登録

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 昆布やかつおぶしの「ダシ」は、日本の食卓には決して欠かせない味です。
 このうまみ成分がグルタミン酸ナトリウムという化合物であり、調味料として広く普及していることはみなさんご存じでしょうか。

 今からほぼ一世紀前の1908(明治41)年、東京帝国大学(当時)の池田菊苗教授は、苦心の末に大量の昆布からうまみ成分だけを純粋に抽出分離することに成功しました。
 そしてこの成分が「グルタミン酸ナトリウム」というアミノ酸の一種であることも同時に解明されました。
 それまで西洋では「うまみ」という味覚が認知されておらず、この発見は大きな驚きをもって迎えられました。
 これは高峰譲吉のアドレナリン発見などと並び、日本の化学界が世界に向けて放った最初の大成果に数えられています。

 グルタミン酸ナトリウムは翌年早くも調味料として商品化され、一般にも大人気を博します。
 これが食品メーカー「味の素」の出発点ですから、今でいう産学連携の走りであったともいえるでしょう。
 5年後には早くも大工場が設立され、味の素は日本中の食卓に普及する定番商品となりました。

 この第一号グルタミン酸ナトリウムのビンが、このほど国立科学博物館から「未来技術遺産」として登録を受けることになりました。
 「国民の暮らしや経済に大きな影響を与えた技術資料を活用・保存するのが狙い」であり、学術から工業まで幅広い分野の製品22点が登録を受けました。

 今回認定を受けたのは、エレベーター・テレビ・ビデオ・デジタルカメラなど我々の暮らしになくてはならない商品や、電子顕微鏡やスーパーコンピュータ、新幹線など大がかりな製品の、いずれも第1号となった貴重な品ばかりです。
 「具留多味酸」はおそらく今回認定されたもののなかで最も小さく、中身もごく単純な分子です。
 しかしこの手のひらに載るほどの小さな小ビンが、前記の品々に勝るとも劣らない社会的影響を与えたことを思うと、化学というものの持つ力を改めて認識させられます。

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