「心理カウンセラーによるQ&A」コミュの「カウンセリングとは何をするのですか？」

Ｑ
　カウンセリングとは何をするのですか？

Ａ
　カウンセリングという用語は様々な意味があるので、何を指すのかによって変わってくると思います。そこで狭義のカウンセリングと広義のカウンセリングに分けて説明します。
　狭義の意味では、ロジャースの来談者中心療法（クライエントセンタードセラピー）を指します。ロジャースによると、人間は現実の自己と理想の自己のギャップが大きい時に不適応になるとしました。しかし、人間は安心で安全な環境を与えられると自ら成長していく力をもっており、カウンセラーはその環境を提供することが仕事であると言いました。カウンセラーはその為に、「自己一致」「受容」「共感」をすることが大事であり、そのような態度を持つことによって、クライエントは安心し、受け入れられた体験をし、自ら成長していけるようになります。このようなセラピーをロジャースはカウンセリングと呼びました。
　広義の意味では、ロジャースの来談者中心療法を含めて、クライエントの心理的な援助をすることを指します。そこでは面接をすることもあれば、心の状態を把握するための心理検査をすることもあります。家族を呼んで、家族療法のようなことをすることもありますし、傾聴だけではなく、助言や環境調整なども含まれます。やり方はさまざまですが、基本的にクライエントが自己理解を深めることを手助けしたり、解決が困難なことについて一緒に解決策を考えたり、安心できる場を提供して、心が整理できるように援助したりします。
　一般論としては上記のようなことをカウンセリングではしていきます。具体的なことについては、クライエントのニーズと状況に合わせて、ケースバイケースで進んでいくので、一般論的なことはなかなか書きにくいところがありますが、自分の人生や生き方、家族、人間関係など、行き詰ったことについて相談をし、それを解決していくことがカウンセリングだと言えます。