天然記念物コミュの阿豆佐和気神社の大クス

　静岡県熱海市西山73－１

　1933年02月28日指定

　被子植物門双子葉植物綱クスノキ目クスノキ科　Cinnamomum camphora

　大己貴命(ｵｵﾅﾑﾁﾉﾐｺﾄ)・五十猛命(ｲｿﾀｹﾙﾉﾐｺﾄ)・日本武尊(ﾔﾏﾄﾀｹﾙﾉﾐｺﾄ)を祭る来宮(ｷﾉﾐﾔ)神社〔村社〕境内にある。来宮神社は明治維新後、延喜式内社の阿豆佐和気(ｱｽﾞｻﾜｹ)神社に比定されて改名したが、誤りである事が判明して旧名に復した。しかし、天然記念物としての名称は変更されないまま現在に至っている。　
　樹齢2000年以上で全国最長寿の楠。幹周り約23.9ｍ・高さ26ｍ以上に達し、楠としては鹿児島県姶良(ｱｲﾗ)市の蒲生(ｶﾓｳ)の大クスに次ぐ全国２位の巨樹である。東西二株に分かれ、西株は昭和49(1974)年の台風で地上５ｍの所から失われ枯死状態だが、東株の樹勢は盛んである。根本は洞穴の様になっている。
　元々以前は境内に七株の大楠があり、古代においてはこの楠へ神の霊を招き祀っていたとされる。嘉永年間(1848～53)に大網事件という漁業権を巡る争論が起こり、訴訟費等捻出のために五株を伐採したが、六本目のこの木も伐ろうとしたところ、白髪の老翁が現れて立ち塞がり、樵夫の持つ大鋸を二つに折ってどこかへ消えたので、伐採は中止されたとされる。残り一本は第二大楠と呼ばれ、幹周9.45ｍ・樹高11ｍである。
　近年はパワースポットとして紹介されるようになり、樹回りを一周すると一年寿命が延び、願い事も叶うと云われて若い女性を中心に人気を集め、行列が出来る事もある。

＃熱海温泉
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