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DSI / 新生 Sequentialコミュの【雑談トピ】ノイズジェネレーターA

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雑談トピを立ててみました。
皆さんでノイズみたいに気ままなトークを、大いに楽しみましょう。

脱線なんぼでもおっけー、流れをぶったぎって別の話題を話しても返信機能があるからぜんぜんおっけー、自由奔放に、放談してまいりましょう!!

コメント(109)

>>[65]

そう、楽器をちゃんと育ててくださっているデイヴおじさんに感謝感激です。

またおっしゃる通り、P12 と PRO2とは、かなり方向性が違うというか、PRO2で音創りしてて思うのは、これ全然 P12 のモノフォニック/パラフォニック版ではないということです。

各オシレーターごとに VCA と VCA EG とがついており、パラフォニックとはいえかなりポリシンセに近い表現もできますし、FM/AM/ハードシンクとパラフォとを併用すると、キャリア/モジュレーターの関係が入り乱れて摩訶不思議な演奏ができます。

またオシレーター・スプリットという機能があり、オシレーター1と2とはプロ5型 VCF へ、オシレーター3と4とは SEM 型ステートバリアブル VCF へと分けて流し込むことができるので、2音色レイヤーによる部分音合成も可能ですし、これをパラフォと組み合わせると、2台のパラフォシンセを交互に鳴らすような曲芸までできます。

多彩なデジタル波形や、P12には無いスーパー版波形もあるし、これを単なるパラフォニックシンセと呼ぶにはかわいそうな多芸な機種ですねー。

しいて言うなら PRO2は、非対称2系統ポリシンセ??


それに対し、P12 は、すなおにポリシンセとして使いやすく、弾きやすい機種だと思います。ああ、ほしいなぁ。多芸な PRO2もいいけど、多彩に音創りできるポリシンセも、ほしいんです。
こんにちは。
コミュずれかもしれませんが、デイヴおじさんの背景を知るためにも興味深い内容なので。

このトピ投稿番号 51 番で紹介した洋書:
「The Prophet from Silicon Valley: The complete story of Sequential Circuits」
英語が読めない人のために、不肖わたくしめが独断と偏見で、一部をかいつまんでここに紹介してみたく。


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大学卒業後、デイヴおじさんはロッキード社に勤務しつつ、片手間に自宅の一室にてミニモーグ用 16 ステップ・アナログシーケンサーを開発。これがシーケンシャル初の機種 Model 600 となった。これには、E-mu 社の VCO を内蔵していたので、単なるシーケンサーの枠を越え、16 ステップで複雑な波形を生み出せるオシレーターとしても使えた。

次にデジタルシーケンサー Model 800 を開発、さらにミニモーグ用音色メモリー装置たるプログラマー Model 700 を開発。これらを手作りで制作しはじめると、その便利さに「これを全部内蔵したシンセをつくってほしい」という依頼が来るようになった。

おりしも当時 SSM こと Solid State Music Technology 社が、VCO チップ、VCF チップ、VCA チップ、EG チップなどを開発して発売し、ザイログ社が8bit CPU、Z80 を発売するに至り、デイヴおじさんは、これらを組みあわせれば、音色をメモリー可能な、すなわちプログラマブルな、しかもポリフォニックなシンセがつくれると思った。
ただ、それがあまりに明白なので、きっと他社で開発が進んでいるに違いないと思ったが、一年くらい待ってみても誰も実現しないので、シーケンシャル社が開発してしまった。

その、史上初のプログラマブル・ポリシンセをつくるにあたり、ずーっと極秘のうちに開発を進めたが、一人だけデイヴおじさんが意見を聞きに行ったアーティストがいる。それはリック・ウェイクマンで、彼は、デイヴおじさんから開発中のシンセの概要を聞かされ、
「それには名前をつけるべきだ、たんなる記号と番号とかじゃなくて、ちゃんとした名前をつけるべきだ」
と言った。

さっそくシーケンシャル社内で名前が検討され、
・Seer(予言者=未来を予言する人)
・Prophet(預言者=神の言葉をあずかって人々へ伝える人)
・Wizard(魔法使い)
などが候補に挙がった。Prophet という名前を思いついたのはデイヴおじさん自身であり、最終的にその名に決まった。

なお、そのとき機種名の候補にあったものの採用されなかった Seer という名前は、ずっとのちになってデイヴおじさんが史上初の本格的ソフトシンセを開発した会社の社名に採用されている=Seer Systems 社。

また、プリセット音色をつくった John Bowen が、multimoog にあったオシレーターでフィルターカットオフを変調したりする機能が気に入っていたので、
「オシレーターと EG とをもう1個ずつ増やして、それでモジュレーションかけれるようにしよう」
と提案するも、デイヴおじさんが
「それではコストがかかりすぎて値段が上がる」
と反対、ボウェンが
「じゃあ片方のオシレーターとフィルター EG とで、もう片方のオシレーターやフィルターカットオフを変調できるように妥協したら?」
と提案し直し、
「それならいいかも」
ってんで、その機能が追加され、複数のソースから同時に変調できるという意味でポリ・モジュレーションと名付けられた。

そうしてできたのが prophet-5であり、1978 年1月のナムショーにて発表された。

prophet-5 は、ナムショー初日の朝には試作品が間に合わず、正午ごろになって間際まで 36 時間ぶっ通しで最後のバグつぶししてたデイヴおじさんが手に抱えて持ち込んだ。
ARP 社や Oberheim 社など、いろんな他社の社員やエンジニアなどが見に来たが「しょせんミニモーグをポリフォニックにしただけじゃねーか」ってんで、誰もまじめにとりあわなかった。
しかし、ディーラーやアーティストは熱狂し、注文が殺到し、シーケンシャル社は嬉しい悲鳴で生産キャパがあふれまくり、販売が追いつかなくなった。
これが、いわゆる Rev.1である。

そこでデイヴおじさんは、量産しやすく設計しなおし、Rev.2が生まれた。

(文字数制限のため、続く)
(文字数制限のため、承前)

さらに、SSM チップは不良品が多かったので、Curtis Electromusic 社の CEM チップに乗り換えることにし、表向きは同じだが中身を大々的に設計しなおし、Rev.3が誕生した。
このとき、中身をほとんど再設計したので、シーケンシャル社は、もはやデジタルスキャニング・キーボードの特許使用料を E-mu 社に払わなくていいと解釈し、支払いを停止、これがもうひとりのデイヴことロッサムおじさんの反発を買って訴訟が起きたが、泥沼化するのを避けるべく、最終的には和解するに至った。

prophet-5の人気はうなぎのぼりで、これに慌てた各社が、翌年から競合機種を続々と出すことになった。
最初にでてきたのが、Oberheim からの OB-X、そして moog からの MemoryMoog、さらには Roland Jupiter-8、などなど。これらによって、最初は順風満帆たるシーケンシャルも、競争に打ち勝つことがだんだんむずかしくなってきた。

デイヴおじさんもラインナップ拡充につとめたが、MIDI 制定のころ、当時でてきたコモドール社のパソコン Commodore 64 に未来を感じ、専用 MIDI インターフェイスやシーケンスソフト、エディターソフト、小さな入力キーボードなどからなる DTM システムをつくって発売したものの、これが大コケ、会社が傾くひとつのきっかけとなった。

台頭してきた日本製の安価なシンセに対抗し、MAX などの安い機種を乱発したのも裏目に出た。
また、MIDI の生みの親の一員として、ひそかに進めてきたマルチティンバーシンセの構想があり、それが同じく廉価版 SixTrack などの機種につながるも、いまいち売れず。
とどめにヤマハ DX7の登場により、シンセ業界が一変したものの、シーケンシャル社は、あくまでアナログシンセにこだわり続けたために、かえって販売減につながった。

そこでふたたび高価格帯で勝負しようと、サンプラー prophet-2000、同モジュール 2002、リズムマシン Studio 440、さらにはデジタルオシレーターを初搭載した prophet-VS を出した。
prophet-2000 シリーズは、当時の 12bit サンプラーでは、最も音質が良かった。

prophet-VS は、PPG のウェーヴテーブルに着想を得たエンジニアのひとりが、Oberheim 2voice にあった4基の VCO を正方形の各頂点に置いてミックス比を変えられるようにしてみたのが始まりで、これを 45 度回転させて X-Y 座標にし、開発したてのデジタルオシレーター4基を各座標軸上に置き、ジョイスティックでミックス比を変えられるようにしてみて、現実性が増した。
1次元の変化しかしないウェーヴテーブルとは違い、2次元平面で音色変化するのがウリで、これがベクトル音源こと、ベクター・シンセシスの始まり。

しかし、会社は傾く一方であり、エンジニア連中は E-mu 社へ大勢転職し、ついにヤマハが開発提携を呼びかけた時に「提携どころか会社ごと買い取って下さい」とお願いするはめに。

1987 年にヤマハに買収されたあと、しばらくは同社の北米開発部門としてシーケンシャルは残ったが、やがて同じくヤマハの子会社となっていたコルグの開発部門となり、WaveStation をつくった。
なお、ヤマハ SY22 の開発にはデイヴおじさんはかかわっておらず、ヤマハがシーケンシャルの技術をもとに独自開発し、発表された直後に、デイヴおじさんは SY22 の存在を知らされ、
「ヤマハからベクター音源搭載シンセ?? ほっほーぉ、なんかどっかで聞いたような話の機種だねぇ。」
ってな感じに思ったらしい。

最後にデイヴおじさんが考えたのは、evolver の原型となる機種だったらしいが、その話はジョン・ボウェンらが覚えているだけで、デイヴおじさん自身に記憶が無いので、不明。
とにかくそのあと、デイヴおじさんはヤマハ・コルグからスピンアウトして独立することになる。

それからずーっとたって、デイヴおじさんは DSI を起業することになり、さらに prophet-6を世に出すにあたり、28 年ぶりにシーケンシャルの名前を復活させた。

-----

ほかにも裏話など満載ですが、ひとまずはこのへんにて。
遅まきながら、明けましておめでとうございます。
ご無沙汰しております。

なんかまた、デイヴおじさんが、新しいもんを出すみたいですよ、明日からナムショーなので、わかるかなぁ?
はい、来ましたねぇ、REV2と TORAIZ AS-1。
今から各機種別に専用トピを立てますので、話題はそちらへ投稿くださいませ。
お久しぶりです、皆さま。


もうすでにご存知かと思いますが、Tempest の OS が、ver.1.4.5.1 をもって開発終了となり、これ以上のアップデートは無くなりました。残念ですが、零細企業なので、このような限度もあるのでしょう。世界中のフォーラムで荒れていますね、無理からぬことです。
その一方で、公式フォーラムにて、PRO2 ver.1.2.2.8 ベータが公開されました。
わたくしめも早速、人柱になっています。パラフォニックシーケンサーが楽しいですが、バグなのか単なるシーケンサー操作ミスなのか、わからないところがあります。
上記のあと、PRO2は一時期、ひんぱんにベータ版が更新され、ver.1.2.3.2 まで来ました。

そしておかげさまで、ついにパラフォニックシーケンサーを、まともに動作させる方法を学びました。
これ、すばらしい機能です! 4音コード弾きでも録音できるし、4オシレーター個別に各トラック計4トラックに録音して擬似4パートマルチティンバーな演奏を、しかも超簡単に録音できたりします。これだけでも待ったかいがありました!
上記からいろいろありまして、このたび、めでたく PRO2 ver.1.3 公式アップデーターが公開されました。下記から入手できますが、説明も何もかもすべて英文なので、ご注意ください。

残念ながらリニア FM は搭載されませんでした。いつか搭載されるのかなぁ。

そのかわり、パラフォニック・シーケンサーがゴキゲンであります!

http://www.davesmithinstruments.com/download-latest-pro-2-os/
PRO2 ver.1.3 公式プレスリリース 英文:
https://www.davesmithinstruments.com/2017/04/pro-2-os-1-3-released/

同マニュアル追補版、パラフォニックシーケンスする方法が書いてあります 英文:
https://www.davesmithinstruments.com/wp-content/uploads/2017/04/Pro-2-Addendum-OS-v1.3.pdf?x72411
皆さん、生きてますかー?
皆さん、限界集落 mixi でいかがお過ごしでしょうか?

わたしゃ、活動メインをツイッターに移しつつも、ちゃんと日に一度は mixi も見てますー、管理人ですからね(^o^)

さぁ、来ましたよ来ましたよ来ましたよー、デイヴおじさんが、また新しいシンセ出しますよー、まぁ聴いてみてください、この予告動画。びっくりすることうけあい!! なんってったって、PCM だかサンプル再生だかできるみたいです!! しかもノブだらけで、どうやら有機 EL 画面もあるらしい。機種名は「X」なのか?


上記の投稿にて、慌ててしまい書き忘れましたが、Sequential ブランドな上に、なんか今風にグリッチっぽい効果も出せるのか??
第3弾!

写真がリークされています。


PROPHET X

・外観は、PROPHET-12 に近似、おそらくポジション的にもそうかと
・オシレーター2基
・インストゥルメント2基:これがサンプル再生オシレーターか?
・サンプルは、Native Instruments の Kontakt 向けにライブラリーを出している 8DIO 社とのコラボ
・それをフィルターなどで加工
・エフェクト2基
・タッチスライダーも2基
・表示画面が3つもある。prophet-12 / PRO2 のと同じメイン画面に加えて、REV2 のと同じサブ画面が2つ、音源波形選択と、エフェクト選択かな?


http://www.synthanatomy.com/2018/04/dave-smith-instruments-sequential-prophet-x-photo-leaked.html
英文公式キタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━ッ!!

なので、また PROPHET X 専用トピたてました。
お話はこちらにて、どうぞ宜しくお願いいたしまする。

PROPHET X 専用トピは、こちら↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=85938617&comm_id=288561&page=all
皆さま、いかがお過ごしにあらしゃいましょうや?

prophet-6 トピに投稿しようかとも思いましたが、それにとどまらない大きな範囲の話ですので、こちら自由雑談放談トピに投稿します。

以前、合衆国にて prophet-6 が発売されて半年後くらいの 2015 年 11 月 12 日に、デイヴおじさんを一般のファンたち囲んで、自由に質疑応答する場が開かれました。
そのときの動画、前編と後編の二部作を、ここに掲載します。

そして、僭越ながら不肖わたくしめ管理人 Nemo が、超絶 Nemo 版な翻訳でもって概要をまとめ、動画の下にカキコしておきましたので、ご笑覧くだされば、はなはだ幸いであります。

では、前編から:
An Evening with Dave Smith | Video Recap | Part I


・まず最初に、いつでも僕の話をさえぎって質問していいからね。ボブ・モーグなんか、いっつも職場へふらっと現れては「誰かなんか僕に用事ある?」って聞いてたもんね。

・prophet-6(以降 p6)は値段が高い、ソフトはタダ、iPad アプリでもなんでもタダ、でも実際は DSI は儲かってる。
なんでって、無償ソフトで始めたやつはほんまもんのシンセを使うようになる、フィジコンは楽器ではない、三十年も使えんだろ、prophet-5 は今でもまだ使えるだろ、車2台ぶんの定価したけどまだカネもうかるで、曲もつくれるし。

・1972 年バークリー卒業前年だったかなぁ、高校以来バンドやっててピアノ弾いて電気工学とコンピューターサイエンス専攻したけど、あ、そうだ、そのあとロッキード社に勤めてたら「新しいおもろいもんあるよ」って楽器屋に言われて、ミニモーグ買ったんだ。当時それが何か、分かってなかったんだけど、とにかく斬新だったのでほしくて手にして、やがてそれに合わせて使えるようアナログシーケンサーを自作して、シーケンシャルサーキッツのブランド名で4台売った。さらに次に(256 ステップの)デジタルシーケンサーつくったら、よく売れたね。

・prophet-5(以降 p5)は、当時あれをつくるのに必要なチップや CPU などが出てきたから、きっとモーグやアープが僕と同じことを考えて商品化するに違いないと思って何もせんかったけど、数ヶ月待ってみたら、どうも誰も開発する気配が無いので、こっちは9ヶ月で急ぎ開発した。

・アープは、ギターシンセを開発して失敗した。ギター人口は多いけど、ギターシンセは変、だってギターで B3 の音を弾きたいか?俺はそうは思わん。ギターはギター音色やで。

・シンセは、EDM とか特定の音楽ジャンルに向けて開発してない。そもそも、できあがるまで音は分からん、ええ仕様のもんができそうと思ったら開発する。
p5 は、最初、ブレッドボードでモノシンセつくってちょっとコントローラーつけたら、これがけっこういい音したんで、規模を5倍にして(つまり5音ポリにして)開発してみた。できあがったものの最初の1音を弾くのは、わくわくするねー。

・独特のキャラの音がするシンセつくっても評価されず、5年くらいたってから評価されることある。prophet-VS が、そうだった。なんでもできるやつではなかったが、強烈な個性があったのに市場反応は、なまぬるく、2年ほどで製造完了になってしまった。そしたらさらに2年後に突然人気でてきた。っていうのもプリンスみたいな人らが使いだしたからね。
ローランドが 808 出たとき、俺たちみんな笑ったもんだぜ。だって我々には、すでにサンプルベースのグレイトな音がするリズムマシンがあって作ってたからね。808 なんてチープな音だと思った。それが今やどうだい? すべてタイミングとファッションの問題さ。

・ほんものの楽器には個性がある。うちのもそう。ソフトには個性がないと思う。マウスでドラッグしたりメニュー開けたりって、まるで仕事みたいじゃないか、ノブひねって好きなぐあいに音ひねって出すのって、楽器だぜ。

・DSI 社は、2002 年創業、今までと違うもんをつくりたくて、デジアナハイブリッドでフィードバック機能を入れた evolver をつくった。古いもんを復刻するのではない。


(文字数制限のため、以下、次の投稿へ続きます)



(前編の承前)

・p6 では、初めて VCO を採用した。DCO は '80 年代悪評がついてまわったけど、実はアナログ発振してるんだよ、コンデンサー充放電だから波形は VCO と同じ。今ではピッチ安定した VCO が開発できるし、しかも今どきポリアナログや音色メモリー可能なプログラマブルアナログなシンセって、ほとんど誰もやってないから、それをつくってみた。アナログポリシンセは安定したピッチでることが必須なので、技術的に難しい、でもそれができるようになった。しかもスロップ機能で意図的にずらせるし。

・p6 では、1ノブにつき1ファンクションに限定することを徹底した。モジュレーションマトリクスもない。スクリーンもない。プリセットをオフってマニュアルモードにできるのも、この仕様のおかげ。
しかも、p5 には無かった、ベロシティやアフタータッチ、シーケンサー、アルペジエイター、HPF、サブオクターヴオシレーター、アナログディストーションでもって、すぐやんちゃになれる。今までにないエフェクトもある。
でも p5 と同じ回路も使ってるから、ジョン・ボウェンが昔 p5 に仕込んでた最初の 40 プリセットを再現したら、ほんとそっくりになったなんていいね! 6ヶ月販売してるけど一番売れてる。うちの会社は、社員全員で 12 人しかおらんけどローランドやヤマハと同じくらいがんばってるよ!

・p6 では、全てのパラメーター目の前にあるし、わかりやすさで売れてる。
そりゃーね、もしもかつて p6 を DSI 最初の機種として開発し、それを十年前に実現し商品化してたら、確かにうちの会社は今よりもっと大きく成長してたかもだけど、あんときは別のことしたかったし、常に新しいことに挑戦したいから、やんなかっただけさ。

・シーケンシャルの名を復活したのも、新しいネタだね。'80 年代後半にシーケンシャル凋落、ヤマハに買収され、コルグ R&D になり、WaveStation つくり、僕が去ったあとも彼らは残り、今でも KRONOS をそこでつくったりしてるんだろうと思う。でもさすがにシーケンシャルの名が帰ってくるなんてこれっぽっちも思ってなかったけど、かつて MIDI を一緒につくった梯さんが、ヤマハに「返してやれよ」って言ってくれて、ヤマハも気前よく返してくれた。そんときゃ別に使う用途もなかったけど、偶然にも当時 p6 を開発してたから、そしたら、やがて使おうっていうことになった。

・ステップシーケンサーは、使いやすいよう超シンプルにした、なんせ録音と再生の2つのボタンしかないからね! でも音色ごとにポリで録音できるから便利だよ。

・よくシンセであるプリセット音色なんて威圧するような音ばっかで、しかもお客さんCトライアドコードで比べたがるし、あげくに曲になじまない自己主張が強すぎる音が多いね。
p6 のプリセットは自己主張そんなにしないようにしてるけど、2音だけでも雰囲気あるので、たとえばピーター・ゲイブリエルっぽいことができる。ミックスに馴染むしね。なんでミックスに馴染むのかは知らん、僕に聞くな(笑)、アナログだからかなー?なんて都市伝説っぽいけど、そうなのかもねー?

・アルペジエイターも遊べるし、エフェクトは劇伴サントラ向き!ジミヘン版の星条旗の真似もできる。アナログでパーカスの音を作っても、おもしろいよね。

・減算方式は、すっかり定着したね。でもたくさんの音色が作れるのは、アナログのおもしろさ。'60 年代からあるよね減算方式。だからカットオフやレゾナンスひねったらどうなるか、誰もが知ってる。2オシレーター、フィルター、VCA とかだけでも音創りできる。FM 音源なんて誰にも分からん。

・M1 は最も大成功したシンセで 25 万台以上売れた。DX7は 20 万台、p5 は 7,000 台、ミニモーグは1万 3,000 台しか売れてないんだけどね。
p5 は、あの当時で最も生楽器に近い音が出るシンセだったし、ボタン一発でストリングスブラスリードなど唯一好きな音が簡単に出せるシンセだった。
次に DX7が出て、たった二千ドルで、16 音ポリ、ベロシティ付き鍵盤、それでいて重さ 200 ポンド(100kg 弱)もするローズの音がして、90 %それだけで売れた。なんせ、リアルな音が求められていたからね。それから M1 が出てサンプルプレイバックが普及したことで、終わりが始まった。リアルの限界に行き着いた。ROMpler(PCM シンセ)が肥大化しただけ。みんな生楽器の物まねばっかりさ。


(またまた文字数制限のため、次に続きます)


(前編の承前、これで最後)


・だから僕はアナログ回帰することにした。初代イーミュレーターが出たとき、アナログは終わりだしデジタルをやろうと思い、prophet-2000 をつくったが、ただのサンプラーではなく、アナログフィルターとくみあわせて面白い音にしようと思って、あの仕様にしたんだよ実は。

・p6 は、ボイスカード1枚がモノシンセ1台になる。ボイスカードを8枚もつけた prophet-2000 は値段が高かったが、いい音したね。

・DSI では、USB 端子は 2012〜13 年ごろからの機種に装備するようになった。

・ステップノブにしたのは、そのほうが音創りしやすいから。なめらかに動作したけりゃー、ホイールとかでやればいい。

・なんでもかんでも機能がついてる仕様には、したくない。そりゃ良い案はいっぱいあるけど全部実現できない。ソフトシンセに 400 タイプのフィルターあるっていうけど、そんなたくさん誰が使えるんだい? ソフトシンセは開発しやすいし機能追加しやすい、でも音楽するには、特定のものに絞って簡潔にしなければならない。でないと物理的にもサイズがでっかくなって、ユーザーが混乱する。

・DSI 本社にやってきてデモルームに入ってシンセいじる人の大半が、関係ないノブをひねるのには、びっくりするね。けっこうみんな、シンセの仕組みを知らないんだよね、カットオフくらいかな知られてるのは。
でも、なんも知らん人でも DSI の機種を買えば、とにかくノブひねれば音ができるし、気に入ればセーヴすればいい。polyevolver を買ったお客さまがいて、シンセ何も知らんルームメイトのほうがおもろい音をつくるって苦情してきた(大笑)

・USB オーディオ出力は考えてない、だってアナログ出力があるじゃないか(基本アナログないしデジアナハイブリッドシンセなんで、どうせ A/D コンバーターを通すことになると、デイヴおじさんは言いたいのかも)。

・アナログシンセ市場は、まだ小さいと思う。みんなほしがるし、モジュラーもおおきく注目されてる。でもノードエレクトロのほうが、カヴァーバンド受けするし、ピアノの音もするから、そっちのほうが人口も多い。
だけどうちみたいな小さい会社には、これくらい小さい市場のほうがいい。利益出てるし、この市場規模でいい。
あと、どのメーカーも中国で生産したがるけど、うちはサンフランシスコで生産し続けたい。そうするには、いろんな理由があるんだけどね。

・レディオヘッドとか、たくさん DSI 機種を使ってくれてるね、オルタナとか好き。

・テイラー・スウィフトは、ライヴするとき、DSI が彼女のために特別につくったカスタムメイドの白い prophet-12 を弾く、コンサートにてリフトで飛行機に乗ってる感じで宙を飛んで p12 を弾くんだ、クールだろ(笑)
ナイン・インチ・ネイルズ、アリシア・キーズ、みんな使ってくれるのはうれしいね、僕はミーハーにもテイラーとのグレイトな写真も持ってるぜ(笑)

・でも p6 は、かつてなく早い勢いで売れてるね。
プリセット 500 音色、ユーザー 500 音色、これでも充分多すぎるだろ(笑)
モジュレーションホイール、アフタータッチ、シーケンサー、アルペジエイター、人によってどれをいじるかアプローチが違う。
おもしろいのは「プリセット音色なんか使わん!」という人でも、じつはカットオフをちょびっと微調整するだけだったりするんだけど、別にそれでいいんだよ、それが自分の音になるんだから。それだけでも、すでに充分に違う音になってるしね。p5 では、ブライアン・イーノがコードいっぱつだけ弾きながら、どんどんプリセット音色メモリーを切り替えてったので、おもしろかった。普通の逆を行ってるんだよね。音を選んでから弾くんじゃない、逆なんだよ彼は。開発したこっちが思いもつかん使い方をアーティストがするのは、見てておもしろいよね!
引き続きまして、デイヴおじさんと prophet-6 と DSI について、後編、あいかわらず小生の超訳ですw
あ、もしヌケ、マヌケなどありましたら、ご遠慮無くご指摘くださいませ!

An Evening with Dave Smith | Video Recap | Part II | feat. Jason Linder



・うちの会社の連中は、みんなシンセヲタで、しかも僕より若いし耳がいい。prophet-12 を開発してたとき、開発初期の段階で 14kHz とか 11kHz とかまで音が出て、みんな耳ふさいで「うわーっ」て苦しんでるのに、僕だけ「なに? なにがおきたんだよ?」って言ってた(爆笑)
いやー、20kHz 近くまで聞ける若いのがいるっていいね(笑)

・p6 のスイッチは p5 と同じにした、外注先は違うと思うけど。

・Tempest は、今まででいちばん開発に苦労したねー! たくさん苦労した理由ある。
ロジャー・リンはヒップホップを発明したといっていい、MPC60 でね。だから、二人で「今の時代にふさわしいドラムマシンつくろう!」って言ったんだけど、そのあと喧嘩しまくったね(大笑)
アナログドラムマシン+多くの種類のサンプルでもって音創りできるし、再生中も音色変更できるし、またいつでも元の音に戻れるのがいい。小さい会社だから苦労したけど、その甲斐あった。

・「boomcheck(?)」は、情報公開が早すぎて失敗した(なんか量産できなかったまぼろしの機種「bomcheck(?)」があったらしい?)。小さい会社だからマーケティング部門ないし、開発に際してほとんど誰にも相談しないし、つくりたいものつくるし、着想から出荷まで早い、誰にも相談せんでいいから。
ヤマハは人数多すぎて合意がとれずにいるし、だからヤマハは、とんがっていけないよね。だって 20 人のアーティストに聞けば、20 通りの正解が出てくるから、結局そんだけたくさん要望された機能を、せんぶ搭載せんならんし。
僕は他社のことなんか知らん、そのほうが他社にまどわされずに他社の機能のことなんか考えずにゼロからまっさらな状態から欲しい機能だけつけて他社のことで気が散ることもなくブレずに開発できる。

・まぁプリセット音色の作成は、地元の外注に依頼するね。DSI がやってることをよく知ってる連中さ。

・(p6 を弾きながらノブをいろいろひねりつつ)p6はいじりだすと楽しくて止まらんね(笑)

・p6 にあるスプリングリバーブのモデリングは、じつは凄いんだよ、なんにも鍵盤を弾かないまんま本体のサイドパネルのみを叩くと、ほら、ほんとうに「どよよよよーん」って音がするだろ(驚)! ほんもののスプリングリバーブみたいにね! しかも不用意に動作するのを防ぐため、他の部分を叩いても動作しないように作ってあるんだ。どうやって実現してるかって? ほんまもんのスプリングが入ってるのさ(大爆笑)ってのはジョークで、じつは加速度センサー内蔵してるんだけどね! だからついでにレインスティック(rain stick)モードも入れようかと思った(爆笑)こうやって傾けながら音がするようにね(楽しそうなドヤ顔)! この機能のことは、取扱説明書に載せてないから、あんまり気づかれてないけど、何人かは気づいてくれたね(大笑)

・ディレイなどのエフェクトもアルペジエイターも LFO もなんでもかんでも MIDI クロック同期するからね!

・各ボイスは、ローテーショントリガーを採用してる。

・p6 の開発は、p5 仕様をなぞるところから始まったから、いつもよりは、まぁ、ちょっとだけ開発は楽だったかもね、それに仕様を付けくわえたわけだし。

・自分が作った中で、どれが一番好きな機種かって、どれも好き。弾くたんびに、どの機種もいいと思える。

・p5 のポリモジュレーションは、初のポリでプログラマブルであることを除けば p5 で最も特徴的なポイント。各ボイスに変調がかかることと、すげー変なことを、すばやくできるのがいい。デジタルシンセなら各ボイスごとに変調なんて当たり前だけどね、でも魔法みたいだよね!


(文字数制限のため、以下、次へ続きます)
(後編の承前)


「Now Versus Now」というバンドプロジェクトのキーボーディスト Jason Linder がデイヴおじさんに招かれて演奏開始。その場でシーケンサーにサクッと適当に打ち込んで走らせてノブで音色を変化させる。

・DSI 機種は、みんな楽器だよ。ソフトシンセともサンプルベースとも違う。

続いて Jason が手弾きする。

・今ジェイソンは、プリセット音色から弾き始めたけど、もう次の瞬間、音をいじってそのまんまどんどん変えつづけたよね、ROMplerとか、他のいろんなもんでは不可能なことだ。

・ギターは、テレキャス、レスポール、ストラトというだけでなく、どの個体が何年製でどの工場で作られたどんな色でって確認して、なおかつ自分と相性がいちばんいいやつを買うよね。
アナログシンセは、ちょっとそれに似てる、ボイスごとに微妙に違う音が出る、個体差もある、なるだけ均一になるようにしてるけど、なにか違うので、それがミックスになじんで、グレイトな音がする理由なんだ。どれもこれも違うからさ、完璧に同じには出来ないからね。

・この会合が終わったら、ここにいる全員で飲みに行こか(笑)

・アイディアはいっぱいある。アイディアを選ぶのがたいへんなんだ。しかも開発中に誰かからいい考えが出ると、いいねーってそっちへ方向転換する。ひとつ終わって別のを始めることはない。

・単体エフェクトもつくりたいし、この機種のエフェクトだけ単体化してほしいってめっちゃ言われるし、テクノロジーもあるんだから開発するのは簡単だけど、うちは零細企業だから形状決めたりグラフィクス決めたりユーザーインターフェイス決めたりマニュアルや生産などの準備するまで、もう手が回らん。まぁ、いずれは、やるよ。

・DSI は、過去十年間かけて成長してきた。M1 なんて一年後に後継機種が出てきたし、毎年それが続いているよね。うちではそれはやらん。だから会社が自然成長するんだ。evolver は 2002 年発売で 2016 年時点でまだ売ってる、最初は5年間は僕一人だけで、他人なんて雇う気も無かった。今や 12 人でも大企業だね。

・外部音声入力は、ポリシンセではあまり意味がない。全ボイスに外部音声を送る意味が、あまり分からん。ユニゾンモードなら分からんでもないが、むしろモノシンセのほうが意味が分かる。

・p6 と Tempest、どちらも、4ポール LPF と、2ポール HPF との組み合わせにしてるのは、コストの都合。だって、HPF を4ポールにするとコストが倍増するからね。しかも6音ポリなら、さらに6倍になるだろ。それに HPF ならそんなに急峻なカットオフでなくてもいいし。

・ユニゾンモードはいいね。p6 ではユニゾンモード・ボタンを押すとコードメモリー機能にもなるんだよ。弾いたコードを覚えさえて鍵盤1つ弾くだけで平行移調できる。スロップ機能も、ユニゾンモードのとき効果が分かりやすい、ディチューンに使えるからね。

・じつはスロップ機能は、よくシンセにあるような静的なディチューンじゃないんだ、ランダムにゆっくりピッチ変化させるのでヴィンテの VCO と同じ挙動をする。VCO ごとに違う周期、違う振幅、違う挙動をするから1台につき合計 12 VCO でもって、おもしろくも分厚くもなる。

・技術が進んで安価になり、そしてまた中国製は安いね、でも中国でなかなかアナログポリシンセはつくらない。ボイスごとに個体差があるのをそろえるのは、たいへんだからね。うちは、サンフランシスコでつくってるから。

・p6 の内部は 100 以上もの CV(制御電圧)があって、そいつらを昔には無かった高速プロセッサーや特殊回路でもって可聴域にまでぶん回してるからすげーんだよ、しかもかつてより安価にできるし。


(文字数制限のため、ふたたび次へ続きます)
(後編の承前、これで最後)


・うちの会社の多くの部分は、カスタマー&テクニカルサポートなんだよ! そういうの大好きだからね。メールくれたら誰か答えるよ。この布陣が変だとは思うし、他の多くの企業では違うとは思うけど、俺はこうしたいんだよ。
カスタマサービスってほんと簡単さ、メールに答えるだけだし、お客さまとしゃべって問題解決するだけなんだし。
完璧なものなんてないから、うちのだって丈夫で信頼性あるようつくってるけど、壊れるときあるし、ツアーする人なんかケースに放り込んで毎日輸送してまわるし、そんな人たくさんいるからね。あとは直すだけさ、そういうの僕、大好きだからね、それだけのためにカスタマーサポート専属スタッフが4、5人いるんだよ、うちの会社には(全社員で 12 人しかおらんのに)。

・でも全社員は、おのおのの役割分担以外に他のこともする。開発中のものをテストしてみたりね。うちの社員は:
3人がソフトウェア担当
1人がハードウェア担当
1人が機構とユーザーインターフェイス設計担当
1人が営業とマーケティング担当
4人か5人がカスタマーサポート担当
ってなわけで小さい会社なのさ、でもみんなお互いたくさん仕事をカバーしあってる。

・決定は民主的にやってる、どうしても決断が必要なときは言わずとしれた誰かさんがやってるさ(笑) でも全社員で簡単に合意にたどりつける、そりゃ異論も出るけど、たいがい解決できる、楽しいことを優先したいからね、儲けるより楽しいことしてみんなを驚かせたいからさ。それでみんなが面白がって買ってくれたらもう言うことないね。さっきのスプリングリバーブなんかそうだよね、ハードを開発してボディに入れてみたら、なんか後で余裕でてきたもんだからスプリングリバーブどよよーん機能を追加してみたら実現できてしまったけど、アホらしい機能だから誰にも言わんかっただけさ(笑)

・デジタルで解析してアナログで再合成するヴォコーダーも考えた、おもしろいよね、でも商品化するかどうかは分からん。

・ハードウェア開発は早い。プロトつくってベータ版つくって、ちょっとひねって量産。基板の表面にならべる部品も小さくなったね。

・でもソフトウェア開発は時間かかるね、商品開発の最後までかかる。アナログシンセなのにプロセッサーとはね(笑) p5 でもプロセッサーが載ってたんだから、そしてその時代を切りひらいたんだから。

・生産は外部に委託してる。DSI 本社から 1/4 マイル(400メートル)離れたところに委託先の工場がある。でっかい高価な生産装置でつくってくれるし、人もたくさんいる。
かつて SCI 時代は 170 人で生産する工場を自前でかかえてたが、二度とあんなことしたくない。それに、近いところに工場があるとコミュニケーションしやすくていい。わざわざ中国まで、でっかい荷物や不良品満載の貨物コンテナかかえて飛行機で飛んでいく必要もない。

・かつては僕1人で営業、マーケティング、サービス、修理、ぜんぶやらなきゃいけなかった。やがて1人雇って、かなり助かった。うちでは新入社員がロサンジェルスのナムショー会場まで車に皆を乗せて運転する伝統になってる(笑)。でもかつて一人ですべてやってたおかげで、効率よくすべてこなすことを覚えた。しかも正確さ至上主義ではなくいい、音がすることが重要。幸運なことにシンセは、いい加減なことや、本来とは違った目的での使い方などがいい音を出すこともあるんだからね。開発中に、ある仕様追加するのに5ドルで済むけど2日間かかるなら、やめて5ドル上乗せしたまんまにする。でもクールな仕様追加に十秒で済む上に十セントしかかからないなら、喜んでやる。人が増えた今でも、同じ方法でやってる。うちには組織図もないし人事部もないし、決まった休暇もスケジューラーもない。でもみんな良くわかってるから、全社員が非常によくできたチームになってる、いいものをちゃんと動作させること、それだけさ。

・週に一度、みんな社員あつまってあーだこーだ話し合う。みんなでブレストしたり、新製品を考えたり、先週の話を、さらに進めたり、いろいろする。この環境は最高だね。

・シリアル番号1番は俺のもの!
それはそうと、たまにはディスカウントバーゲンとかやってもいいのかもね。




以上、デイヴおじさんと、prophet-6 と、DSI についての、デイヴおじさんへのインタヴューでした。
もう、乗りかかった舟や、こっちもやってまおう!

PROPHET X トピ ↓ にて、投稿番号「3」〜「4」にかけて投稿したのですが:
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=85938617&comm_id=288561&page=all

デイヴおじさんが、PROPHET X の発表して5日後くらいに、その開発秘話や、DSI の近況なども含め、さまざまな話題についてインタヴューを受けてる動画がありますので、ここに掲載します。

そして、そのあとに、また例によって不詳わたくしめによる超絶 Nemo 版な超訳による概要を掲載しておきますので、またヌケ、マヌケなどありましたら、ご遠慮無くご指摘くださいませ。

では!

In conversation with Dave Smith


要約:

・サンプリングは、技術的には簡単なので興味なかった
・ROMpler(ロムプラー、英語発音としてはロンプラーでありサンプラーに引っ掛けた言葉)と海外でよく言われるサンプル・プレイバッカーとか PCM シンセのたぐい、あるいはワークステーションシンセも、もはや三十年ほどにわたって世間にいっぱいあるし、作るつもりは無い
・サンプルライブラリーは、つくるのに労力かかりすぎるので避けていた
・その点、8DIO は、サンプルライブラリーをつくる名手
・じつは2〜3年くらい前に、PROPHET X の開発に着手し、一時期、REV2の開発とオーバーラップしてた
・決して nord キーボードやコルグを置き換えるような対抗機種ではなく、DSI 独自の機種にして自分の色を出せるサンプラーとしてつくった
・デジタルをアナログに通すのが好きなので、ステレオサンプルをステレオアナログフィルターに通したら楽しいだろうと思った。しかもそんなサンプラー、世の中に無いしね。だから波形編集は二の次で、とにかくおもろい音がするサンプラーを作ってみたかった

・8DIO は、2011 年創業、40 タイトル以上も出しており、音楽や映画やゲーム音楽業界を始め、広く使われてる
・しかも8DIO の人たちは、カリフォルニア州ナパ・ヴァレー(DSI 本社があるサンフランシスコの北、内陸部にある Napa Valley。カリフォルニア・ワインができることでたいへん有名な温暖なワイナリー地域)の真ん中にて、デイヴおじさんとお互い一マイルくらいしか離れていないところに住んでいる
・サンプル業界については8DIO のほうが DSI より詳しいから、彼らに PROPHET X に搭載すべきサンプルの選択を任せた

・サンプルスタートポイントとエンドポイントとの2つは、モジュレーションマトリクスで動的に動かせる。サンプルストレッチもできる。ただし、てっとりばやくそれらができるのが長所であり、それ以上に深くサンプルエディットすることは考えなかった。だからグラニュラーシンセシスとかは考えていない
・ユーザーサンプルや8DIO のサンプルライブラリーは、USB メモリー経由でロードする。専用の波形編集アプリも出したいなぁと思っているところ。Win/Mac 用で無償で出したい。iOS 版とかは考えていない
・wav ファイル読み込み可能。
・wav 以外のフォーマットを変換して読み込めるようにするかは未定
・150 GB ものサンプルメモリーを用意したのは、8DIO のお家芸「ディープサンプリング」に見合った大容量を目指したため。デイヴおじさんとしては充分すぎると思っている
・自力サンプリングなどのために外部音声入力を装備しなかったのは、つけたらユーザーインターフェイスとかが膨大に増えるためであり、なるべく簡潔に使える楽器にしたかったため省いた
・DSP オシレーターは、prophet-12 / PRO2的なものだが、VA 基本波形(と Supersaw)しか搭載していない
・evolver 以来ひさびさの真のステレオシンセシスができるので、サンプルを使わなくとも左右独立シンセシスができる。モジュレーションマトリクスとかも動員して左右独立にフィルタリングしたりできる
・単純に、サンプルにサイン波を足すだけでも重低音を加えられて、迫力ある音が出せる。DSP オシレーターはそんな用途にも有効、おもしろいよ


(文字数制限により、次へ続きます)
(PROPHET X と DSI、承前)

・VCF は、4ポール新開発のもので、あまり言うことはない(Nemo 注釈:Emu 創始者デイヴ・ロッサムがつくったチップをベースにした現代版を採用しているという情報がありますが、そのせいでしょうかね?)
・VCF は on/off できるので、フィルターをバイパスしてサンプルだけ弾くこともできる。on/off して比べると面白い
・16 ボイスモードではモノラルになるが、パンは設定でき、エフェクトもステレオ仕様のまんま使える
・ロータリースピーカーエフェクトを追加した理由は明白だよね
・エフェクトのパラメーターも、モジュレーションマトリクスのデスティネーションになる

・わしゃユーザーフォーラムなんか見ないという悪いクセがあってね(笑) まぁ気が散るんでね、あれもこれも機能をつけたりせずに、仕様を簡潔にまとめたいんだ
・音源モジュール版は、今んところは考えてない。回路が大きくなってしまったので、かりに音源モジュール版を作ったとしても、ほとんど鍵盤版と同じサイズになりそうなので。でも要望が大きければつくるかもだけど、今んところは作るかどうかも分からない
・去年の moogfest で「次の機種はプロフェットと言う名がつくだろう、他にいい名が無ければね」と言ってたが、その名をつけた理由は、他の名前はすでに誰かが使っている事が多いし、特にソフトウェアとか膨大にある上に皆いい名前をつけてるからね。シーケンシャルのブランドをつけたのも、この機種がフラッグシップ機だからこそふさわしく、理にかなってると思ったから
・「PUSH TURN MOVE」と言う本(シンセの設計に関して考察した本で、kick starter にて昨年発売された。なお、PATCH & TWEAK というモジュラーシンセ本も発刊予定。公式サイト  https://www.pushturnmove.com/ )にて、デイヴおじさんは
「シンセのデザインは、機能的かつ楽器たりうるものでなければならない」
と言ってた。
実際、開発中いろいろレイアウトは配置換えして試行錯誤して決める
・DSI は少人数のメーカーなので、特に決まった開発ルールはない。PROPHET X では、まずサンプルをアナログで加工するということを決め、それ以外を順次決めていった、時間かかるけどね
・ワークステーションシンセをつくることは考えてない。だって使うのめんどうなんだもん「ワーク」ステーションなんて名前からして良くない「less work more fun」というコンセプトで楽器をつくることにしている
・FPGA を使ってる
・MPE こと MIDI Polyphonic Expression が、正式に MIDI 規格にて制定され、体の動きを利用したジェスチュラルコントローラーが増えつつあるが、それに対応するかどうかは未定。それ以前に、スケール要望など、多くの種類の要望がきてるので、そのうちのひとつが MPE だと思っている
・マルチティンバーは技術的には難しくないが、ユーザーインターフェイスが複雑になってしまう。TETR4 を作って、そのことを思い知った。お客さまは
「たしかにマルチ音源だけと使いにくいね」
と言ってた。なので、マルチティンバーにするより、かんたんに使える楽器をつくりたくて、そっちにフォーカスし、過去数年ずっと成功してきた。思い通りに反応してくれる楽器さ


(またしても文字数制限につき、次へ続きます)
(PROPHET X と DSI、承前、これが最後)


・最近、コルグはブティーク・メーカー(個性的なガジェットをつくるガレージメーカーみたいなもの)だと思われており、DSI はコルグよりもっと大きなメーカーだと思われてしまっている。毎年のように大型機種をばんばん発表しているから。
でも、DSI は、14 人しかおらん。だから意思決定が早い。デイヴおじさんは 40 年以上も楽器業界を経験してきたから、どうすれば効率よくいいものができるかわかっている。
・DSI に勤務する 14 人のうち、ソフト担当3人、ハード担当1人、カスタマーサポート担当4人、このカスタマーサポートが非常に大切

・ネット時代な今、ナムショーもフランクフルトムジークメッセも出展するのをやめた。むしろ moogfest、US knobcon、Superbooth ベルリンにフォーカスしてる。moog も、DSI も、オーバーハイムも、ロジャーリンも、今年からナムショーへの出展をやめた。出展するカネがかかるだけでなく、準備やら発表だんどりやらに戦力分散してしまって、そんなことする時間あったら開発に専念したいから。今年のナムショーへは行ったが、PROPHET X を一握りの関係者に、こっそり見せただけ。

・モーグ博士はシンセをつくる以前にテルミンをつくって販売するところから始まり、ロジャーリンはギタリストだったので linnstrument をつくった。でもデイヴおじさんはミュージシャンというよりホビイストなので、特に回帰するような楽器は無い。一日中シンセを開発してたら、気分転換に、ギターやピアノを弾くことはある。見た目も弾き心地も、シンセとは違って古きよき木と弦とで出来た楽器を弾くのはたのしいが、でも特に回帰する楽器は無い。弾くギターは、ストラトより、リッケン、1969 年製アコギとかかな?(すんません、わたくし Nemo あんましギター詳しくないので、好きなギターの名前までは聞き取れませんでした、ごめんなさい)


インタヴュー概要、おわり
ちょっと補足(?)

投稿番号 [92] で紹介させていただいた prophet-6 の内蔵スプリングリバーブ・モデリングですが、下記の動画のとおり、ほんまに、どてっぱら叩くと「ガシャーン」って音してますwww
皆さん拍手喝采www

mixi の仕様上、この掲示板に動画を埋め込むと、常に最初から再生されてしまい、その瞬間から再生されないので、あえてピンポイントでその瞬間へ行けるよう、URL を貼り付けておきます↓

https://www.youtube.com/watch?v=fmhdYJDnfsU&t=560s
皆さん、いかがお過ごしにあらしゃいましょうや?

わが愛機、わたくしめが愛してやまない PRO2が、ついにメジャーアップデートへ向けて動き出しました!!!!

今まで、DSI 社は:

・リニア FM
・パラフォニック対応シーケンサー
・多様な音階への対応

を PRO2に残されし課題としており、このうちパラフォ対応シーケンサーは、1年ちょっと前の Ver.1.3 で実現、残りのリニア FM と、多彩な音階とを実現すべく、取り組んでいたようです。

そして、このたび、ベータ版 Ver.1.3.1.23 がリリースされ、目下、世界中のユーザー諸君によって人柱となって公開バグ出しが行われておりますwww はい、わたくしめも人柱になってやっておりますwww

ついに、以下の機能が実装されるに至っております:

・リニア FM 合成;待ちに待った、あの DX シリーズを決定づけたシンセサイズが実現されております!!!!

・多様な音階への対応 ;アラビックスケールをはじめ、17 種類の音階がグローバルメニューに搭載!!!!

・内蔵ステップシーケンサーの再生方向を、正再生、逆再生、ピンポン(正再生と逆再生とを繰り返し、行ったり来たり往復)、そしたランダムとから設定可能!!!

・シーケンサーロック機能;ある音色での内蔵ステップシーケンサーのパターンをそのまんま引きずりながら、音色だけ切り替えることができます!!!
ちなみに、シーケンサーロック機能は、なんとこんな使いやすい場所に!!!!

って、分かります、この写真?w
音色名が表示されている、つまりトップ画面です、そこの右下にスイッチがあるのです!!!!
PRO2、引き続き絶賛公開バグだし中!!!!

ベータ版でもって、全世界のみなさんが参戦してバグ報告されてます。不肖わたくしめも参戦中。まだまだバグありますが、すでに楽しいです今回のアップデート!

なにが特にって、やっぱリニア FM ですよ!!!!
一足早く prophet-12 には搭載されてましただけに、ぜひとも PRO2にも!という声が多かったこの機能、おかげで音創りの幅が格段に一層ひろくなります。

早くも、PRO2にて、従来からのエクスポネンシャル FM と、新機能リニア FM とを比較していらっしゃる方が、短い動画をアップされてますので、ここに掲載。

前半がエクスポネンシャル
後半がリニアです;


いやー、やっぱリニア FM は、DX っぽいですね!

変調深度を最大値 255 にしても、モジュレーションマトリクスによって、さらにその上の値に相当する効果まで出てしまうのが不思議ですが、とにかく楽しいことに違いは無い!wwww
あと、PRO2において、今回のアプデとは関係ありませんが、前回のアプデで追加されたパラフォニック対応シーケンサーに関し、前回書き忘れたことを備忘録としてこちらに書いておき、情報シェアしておきます。
要は、パラフォでの録音方法について。


★方法その1

英文マニュアルに書いてありますが、パラフォで内蔵シーケンサーに録音するとき、普通に録音ボタンを押してパラフォな和音などを弾くと、和音を弾くたびにステップが自動的に進みます。これで普通にパラフォでコード弾きした結果を録音できます。


★方法その2

これは前回の公開バグ出し中に、公式フォーラムで質問して教えてもらったのですが、4基あるオシレーターを4パートのマルチ音源であるかのようにシーケンス駆動する方法。各オシレーターを個別にシーケンストラックに割り当て、計4トラックで駆動することで、あたかも各パートがモノフォニックのマルチティンバー音源みたいにシーケンスドライヴするのです。

これは、従来から、それこそ evolver のときから機能としては実現できてはいたのですが、従来だとオシレーターピッチに対する差分数値を、まさに数値入力するしか方法がなかったのです。その方法だと、けっこうアタマひねるので、正直、わたくしめには非現実的に思えました。
それが、Ve.1.3 で鍵盤入力できるようになり、一気に使い勝手が良くなったと言うか、現実的になったというか。

方法は簡単、各ステップのボタンを押さえつつ、鍵盤を1つぽんと弾くだけ。
そうやってお好みの場所のステップごとに、お好みの鍵盤を打鍵することで、鍵盤から入力できます。
超簡単〜♬
なお、入力すべく弾いているときは、パラフォニックなので、4基のオシレーターがローテショントリガーかかって、代わりばんこに鳴ってしまうので「ほんまにちゃんと録音でけてるんかいな?」ってオモてまいますが、信じていきましょうw


あ、もちろん、あらかじめプログラムにおいて、音色とシーケンサーの両方をパラフォニックモードに設定しておくとか、トラック選択するとか、そういう下準備なことは、デフォでお願いしますね。
皆さん、まだ mixi 見たはりますでしょうか?
DSI / 新生シーケンシャル・コミュの管理人でございます。

われらが PRO2が、ついに Ver.1.4.0.1 へ、メジャーアプデしました!!!!

ベータ版の投稿から、もっぺん注目ポイントをコピペしときますね♬

・リニア FM 合成;待ちに待った、あの DX シリーズを決定づけたシンセサイズが実現されております!!!!

・多様な音階への対応 ;アラビックスケールをはじめ、17 種類の音階がグローバルメニューに搭載!!!!

・内蔵ステップシーケンサーの再生方向を、正再生、逆再生、ピンポン(正再生と逆再生とを繰り返し、行ったり来たり往復)、そしたランダムとから設定可能!!!

・シーケンサーロック機能;ある音色での内蔵ステップシーケンサーのパターンをそのまんま引きずりながら、音色だけ切り替えることができます!!!


アップデーターそのものは、こちらからダウンロードできます;
https://www.sequential.com/download-latest-pro-2-os/


あと、いろんな調律=オルタネイト・チューニングを搭載した Sys-Ex が、公式フォーラムの、このスレからダウンロードできます!
当然、会員は無料で、誰でもなれます;
https://forum.sequential.com/index.php/topic,1223.0.html
あらためまして、あけまして、おめでとうございます。本年も、よろしゅうおたのもうします。

えらい更新が遅れまして済みません。
じつは、全世界的に預言者5の復活で沸き立つ中、私は預言者 12 の、出物の中古を発見してゲットしたです。

5ではなく、12 です!
私は前を向いていくのです!w

ほなねー。おすこやかに〜。
>>[106]
おお!仲間が増えました。嬉しい目がハート
>>[107]

ありがとうございます!
ようやっと、わたくしめもプロフェット 12 オーナーになりました。

やっぱとんがった機種ですね、なんというか前を向いた新しい音がします。プロ5 Rev. 3 も使ってたので、プロ5のすばらしさも体感しているのですが、プロ 12 は、やはり今風というか斬新です。
こんばんは。
えらいまたほったらかしてごめんなさい。スーダラにもほどがある管理人です。

僭越ながらじつは私、サンレコでコラムなども書いていたりなんかするのですが、それとは別の単独記事を自分のブログなどに書いております。今回、デイヴ・スミスへの追悼と、そしてTRIGON-6発表を祝して、彼とシーケンシャルそしてその周辺などをまとめた単発の記事をブログにてものしてみました。

なかなかググっても出てこない話なども網羅、さらにアタマ禿げるくらい考察を重ねてまとめております

よろしければ、どうぞ、ご笑覧いただけるなら幸甚です:

追悼デイヴ・スミス
そして祝Sequential TRIGON-6発表
「The Sequential Vector」
https://www.tumblr.com/nemosynth/701446515895549952/the-sequential-vector

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