ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

同人 創作 自伝小説倶楽部 コミュの天上戦記 三国志天河  第一巻

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 遥か昔に地球は統一政府の元で一つになり地球は一つの国となった。それは地球外からやってくる外的に対する為の措置であったが、その脅威が無くなった後も地球は一つの国家として運営されて来た。
 その結果、それまで各国家間で機密とされていた物が結合し人類の科学力は飛躍的に上昇しそれから間も無くして人類は宇宙へとその手を伸ばす。
 宇宙へと飛び出し、火星の入植をはじめとした惑星地球化計画を進めた人類は西暦3000年を迎える頃には銀河系全体へと自らの住処を広げていた。
 しかし、その頃になると統一政府首脳部は自らの利権や欲のみを求める者の巣窟となり、統一政府首星である地球はその中核となっていた。
 地球に住む者はそのほとんどが政府高官の家族やその一族。そして、各惑星の富は地球に吸い上げられ地方惑星では貧困層が急増し統一政府に対する不満と怒りが満ちていた。
 そして、ついにその怒りは活火山となり各地で噴火を始めた。
 始めは地方惑星の各地でデモや抗議集会であったものが、やがて暴動と変化し地方行政府を焼き討ちする者まで現れた。
 だが、統一政府の中でも最も権力を有する最高会議『十常侍』は政府軍に討伐命令を出し安心しきっていた。所詮は地方市民の暴動とたかをくくっていたのだ。
 確かに政府軍は各地の暴動を次々と鎮圧して行った。だが、時を置かずして事態は急変する。
 『黄巾艦隊』
 後にそう呼ばれる事となる宇宙艦隊の出現は統一政府首脳部の顔を青ざめさせる事となる。
 西暦3184年。黄巾艦隊は冥王星と呼ばれる準惑星で最初にその姿を現すと各地で同様の軍事組織が行動を始めた。
 だが、彼らの行動は軍隊組織の物ではない。盗賊のそれだった。
 一般市民への略奪・暴行、逆らうものは容赦なくその手にかけていく。
 統一政府は討伐命令を軍に下したが、黄巾艦隊の勢いは平和慣れした政府軍に止めれるものではなかった。
 各地で政府軍敗退の報が地球に届くと十常侍をはじめとした統一政府は震え上がり、次の策を練るなどせず安全な場所へ逃げる事だけを考えはじめる。
 その間にも黄巾艦隊は暴虐の限りを尽くしていた。
 だが、各地の政府軍が敗退する中、火星だけは黄巾艦隊を退けていた。
 元々地球に最も近く政府軍の配備数も多かったが、何より地球より増援に駆けつけた一人の指揮官による力が大きかった。
 その名を曹操猛徳。 女傑である。
 彼女の指揮する133艦隊は公式に『曹操艦隊』と自らの名を冠する事を許されるほどの精鋭部隊で平和慣れした統一政府軍の中では数少ない実戦経験を積んだ部隊である。
 黄巾艦隊出現当初の火星政府軍は黄巾艦隊の侵攻をかろうじて抑えている程度であったがその防衛ラインを破られるのも時間の問題であった。
 そこに彼女の指揮する曹操艦隊が現れるや否や瞬く間に黄巾艦隊を押し戻し、たった2週間で火星黄巾艦隊は壊滅寸前にまで追い込まれていた。
『フンッ。艦隊を気取ってみても所詮は盗賊の類。烏合の衆に過ぎんわ。』
 パシィッ!!
 黒地に金の装飾をあしらった鉄扇で自分の肩当てを一叩きすると立ち上がり鉄扇を誇らしげに前へ指し示す。
『もはや敵に組織的な軍事行動を行える戦力は無い!黄巾艦隊を灰燼と帰するは今ぞ!!全軍突撃!!』
 彼女の力強くよく通る声が艦橋を翔け、通信装置を解して全軍へと伝わると艦隊の各所でその声に応える歓声があがる。
 それは徐々に一つの塊となりやがて竜の咆哮となり戦場を埋め尽くすかと思われた。
 そして咆哮を挙げた竜の口から吐き出される紅蓮の炎の如き閃光が曹操艦隊から吐き出されると黄巾艦隊を飲み込んだ。
 勝敗はすでに決していたものの曹操はその攻撃の手を緩める事は無く、曹操の操る竜は縦横無尽に戦場を駆けその動きが止まった時、黄巾艦隊の存在した場所はただの金属片が浮遊するデブリ宙域となっていた。
『獅子は兎一匹を狩るにも全力で・・・と申しますが、まさにその通りですな』
 曹操の脇に控える勇将『夏侯惇元譲』。隻眼の女傑である。
 曹操とは従姉妹で戦場では常にともに戦って来た戦友でもある。
 平和であったこれまでも地方では小規模ながら宇宙海賊の類が出没していた、だがそう言った仕事は地球出身で無い軍指揮官の部隊へ回される事が多く火星出身の曹操は各地を転戦してまわった。無論、曹操だけでは無い。
 地球出身では無い小規模や中規模艦隊の指揮官は常に宇宙海賊退治や反政府過激派などとの戦闘で転戦につぐ転戦を強いられている。
 その結果、黄巾艦隊の出現でかろうじて防衛に成功しているのはそう言った戦闘経験のある部隊が駐屯している箇所だけと言うのは政府首脳にとっては皮肉な結果だが。
『ふん。やつらは兎のような可愛いらしいものでは無いわ。それに・・・』
 曹操は夏侯惇の顔に自らの顔を近づけた。接吻でもするかのような距離にまで。
『全力には程遠い、鋼騎兵も出しておらんしな』
 鋼騎兵とは人型をした重装甲、高機動の兵器で元々は船外作業用の搭乗型ロボットをその起源とする。
 人類が火を扱えるようになった時もダイナマイトを発明した時もそうだが人は何でも兵器と変換する事に長けているようで、それは宇宙に飛び出した今も変わることは無い。
『そう言えば敵さんも出さずじまいだったな・・・黄巾もさすがに鋼騎兵までは持っていないのか?』 
 曹操はそう思ったものの、これだけの規模の部隊を動かせる輩が鋼騎兵一つ持っていない筈も無い、と言う疑問もある。
 それに、今回の相手はあまりに手応えが無さ過ぎた。無論、曹操の能力や艦隊の錬度がかなり高い次元にある事も物足りなさを感じる要因ではある。
『・・・黄巾艦隊・・・まだまだ、このままでは終わるまい』


 そんな頃、時を同じくして木星では黄巾艦隊に対して政府軍以上に戦う義勇軍が話題となっていた。
 黄巾艦隊地上部隊に大打撃を与え地上から追い払った木星義勇軍。
 その義勇軍のリーダー。名を『劉備玄徳』といった。
 金色の流れるような髪に整った顔立ちはまるで美しい女性のようだが、齢18歳の立派な男子である。
『見よ!関羽、張飛あの黄巾の無様な姿を。あとは宇宙の政府軍次第ってとこだ。』
 空を指差し誇らしげに胸をはる劉備。
 その両脇を固めるように立つ二人の女性。
 一人は漆黒の背中まで届く長い髪を持ち、手には超硬化セラミック製の堰月刀を構える美丈夫。名を『関羽雲長』。
 一人は赤い髪の小柄だがその雰囲気は俊敏な豹を想わせる。同じく超硬化セラミックの蛇矛を持つ。名を『張飛翼徳』。
 木星でも有名な三人組で武術大会では超高校生級と言われあまりの強さに相手が棄権してしまう為、学生大会には出場不可能になってしまった程の腕前だ。
 三人が率いた義勇軍は略奪の限りを尽くしていた黄巾艦隊地上部隊を怒涛の勢いで押し返し、その強さは政府軍精鋭に引けをとらないものだった。
『しかし、兄上。宇宙の政府軍だけで大丈夫なものでしょうか?』
 関羽は怪訝そうな表情で兄と共に空を見つめていた。
『う〜ん、それはそうかも知れんが今の俺たちにはどうしようもあるまい?』
 確かに、今の劉備たちには宇宙の敵を相手にするような艦一隻無かった。
『ま、あいつらが負けたら負けたでその時にまた考えればいいよ。ね、劉備兄』
 心配そうな関羽をよそに張飛はニコニコ笑っている。
『そう言うことだ。今、俺たちのやれる事はやった訳だしな。さあ!今日はパーッと行くかあ!!』
『おーっ!!』
 劉備と張飛は肩を組んで歩き出そうとする。
『パーッとやるのは良いですが、我々は未成年ですのでお酒はダメですよ』
 その台詞に最初の一歩で二人してつまずいてしまった劉備と張飛。
『もう、関羽は堅いねえ。』
 劉備は肩をすくめながら笑っていた。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

同人 創作 自伝小説倶楽部  更新情報

同人 創作 自伝小説倶楽部 のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング