東海道本線沿線観光コミュの深泥池(ﾐドﾛｶﾞｲｹ)

　京都盆地の北端、岩倉盆地と接する場所に位置する池。面積約9ha、周囲約1.5Kmの大きさで、池の水は、降雨と、周囲からの地下水といった栄養分の乏しい、貧栄養の水によって賄われている。このような、特殊な水環境に置かれているため、気候的に暖温帯に属する西日本の中の、しかも市街地に接している場所にもかかわらず、現在でも氷河時代から成育している動植物が数多く生き残っている。
　また、ここは、尾瀬や釧路湿原の如き東日本北部の冷温帯に成立する筈の高層湿原や浮島が残っている西日本でも数少ない場所の一つであり、ホロムイソウやミズグモ等、全国的に希少な動植物も多い。
　こうした、高層湿原としての植物群落の貴重性により、1927年に深泥池水性植物群落として国の天然記念物に指定され、さらに、その後に行われた調査の結果、動物についても希少なものが多く生息していることが判明したため、1988年、昆虫等の動物も含めた深泥池生物群集に名称が変更され、保護の対象が動物にまで広げられた。
　この地の特異性を代表するものとして浮島がある。当地のように地下水位が高い高層湿原は水温や水質の関係で、有機物の分解が遅く、ミズゴケや他の植物の枯れ葉等の植物遺体は完全に分解せずに泥炭となって堆積し、その上にミズゴケを中心とした種々の植物が成育する。この植物遺体の層が、分解の際に発生するメタンガスで浮き上がり、浮島となる。池の中央に広がる大きな浮島だけで、池全体の約三分の一を占める。この浮島の下には水の層があり、水面に浮いている事が確認出来る。浮島の有機物の分解速度は温度に左右されるため、メタンガスの発生量は夏は多く、冬は少なくなるため、浮島は季節により上下に変動し、夏はより浮き上がり、逆に冬は沈んで冠水する。
　この浮島の上下の変動に関連して、冬に冠水しない部分にはオオミズゴケが生育して盛り上がったビュルテが形成され、一方、冠水する部分はハリミズゴケが生育して平坦なシュレンケが形成される。両者の環境の違いが、ミズゴケ上に生育する植物や、それに依存して生息する動物群集にも多様性を齎している。
　しかし、最近ではナガバオモダカ・キショウブ等の植物や、ブルーギル・オオクチバス・ワニガメ・アカミミガメなどの外来種が侵入し、生態系が破壊されつつある。
　また、幽霊伝説の多い地でもある。
　京都駅からバス深泥池下車。

コメント(10)

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[1] mixiユーザー 03月09日 22:25

知りませんでした、感謝です・・・

[2] mixiユーザー 03月09日 23:09

京都のAM局で中継した時に、後ろから不気味な声が聞こえて、「ふざけすぎです!!」との抗議の電話が殺到した場所ですね。

でもこの時は中継機材しか持っていってなかったから音の演出はしていなかったとの事でしたよ。

ちなみに、一説では、
近くに遺体捨て場があって、戦いで亡くなった人を運ぶ時に腐って落ちた身が泥のように続いていたから「身泥」の池で「みどろがいけ」と呼ぶようになったとか･･･

[3] mixiユーザー 03月09日 23:20

　深夜、若い女性が「深泥池まで」とタクシーに乗り、運転手がふと気が付くと女性の姿が消えて、後部シートが濡れていたなんて話もありましたね。

[4] mixiユーザー 03月10日 23:37

近くの狐坂でタクシーはお客さんを乗せないとか･･･

ほとんどが消えるそうです。

[5] mixiユーザー 03月11日 06:32

今でも、その種の話が絶えないんですねえ…。

[7] mixiユーザー 04月12日 22:38

>>[6]
　貴重な映像をありがとうございます。一帯でキジが多いとは知りませんでした。

[10] mixiユーザー 04月12日 22:59

>>[9]
　４羽も遭遇するとは確かに凄い確率ですね。あの一帯は当然禁猟区ですから、キジも安心して暮らせるんでしょうね。

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