ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

小説を書いて読んで楽しもうッ!コミュのライムジェットコースター!『宴!最高潮ッ!』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ちゃんかちゃ〜らちゃんちゃん〜♪
野〜球〜す〜るなら〜こ〜ゆ〜具合にしやしゃんせ♪
アウトッ!セーフッ!よよいのヨイッ!


「うぉっしゃーッ!勝ったで〜ッ!」


「イヤーッ!またハッチーの負けなのーッ!?」


ルシファーの提案により、急遽始まった野球拳。
一番 最初の餌食はハッチーだった。


「ほ〜れほ〜れ、早く脱ぐなり〜にょほほほほ〜♪」


自分は範疇に入って無いことを良い事に、勝手な事をぬかすサラ。
本当は自分もヤルと言ったのだが、ルシファーに、


「あン?そんな『ナイペタツルン』見たところで、
 嬉しくもなぁ〜んともないわい従って却下やッ!」


と、無碍にされてしまい、こうして観客サイドになり見物していた。


「ひ〜〜〜んリッちゃ〜ん、助けて〜ぷりーづッ!」


だがハッチーの助けを呼ぶ声虚しく、リツは一升瓶を枕に夢の世界へ『お出かけ』している。


「パクパク…モグモグ…あむあむ…。」


そんな騒ぎを余所に、イヴは休むことなく食べ続け、
たま〜にその光景を横目で眺めていた。


「(ヨカッタ…ロボノ体デ……。)」


弱冠、己の体に感謝し食事を再開するが、
しかし一体何処にそんな量が入るのか?全てが謎だった…。


「…あ〜プヨ殿…?」


「ん〜?何?」


「先程から目隠しされて、何も見えないのだが…。」


「ソレ取っちゃ駄目よ?」


「……御意。」


野球拳が始まるや否や、プヨによって光の早さで目隠しされてしまい、
タカには周囲の状況が全然判っていなかった。


「(ちょっと可哀想だけど見せたくないもんね…。)」


可愛らしい女の抵抗、基、複雑な女心…
デレデレしたタカの顔を見る位なら、プヨは目隠しする方を選んだ。


現在のところ、ルシファー:パンツ一丁(唐草模様)
        ハッチー :ブラ&ショーツ(ピンク色レース生地フリル付き)


どちらが負けても確かに『オモシロイ』状態だが、
テディはそんな二人を、何を考えているんだか読めない表情で見ていた。


「…ルシファー様ぁ?奥方様って怒ってるの?それともニコニコしてるの?」


次に何を出そうか悩んでいたハッチーだったが、少々気になり尋ねる。


「ぁん?そんなん知らんッ第一アイツは糸目やから、よーせんねん。
 テディが目ぇ開く時は、本気で怒った場合か『イク』時だけや。」


と、キッパリ言い切ったものの、
先程から何も言葉を発さないテディが、彼としても少々気になる。
取り敢えず彼女の目の前で手をヒラヒラと振ってみる…反応無し…。
あっかんべー…シーーン…。
中指を立てて威嚇…返事が無い只の屍の様だ…。


「…ん〜おっかしぃのぅ…どれ。」


流石にいぶかしんだルシファーが、ソッとテディの口元に耳を近づけてみると…、


スゥ…スゥ…スゥ…


安らかな規則正しい呼吸音…そして無反応…これらの事を考え推理すると?
結果は只、爆睡しているだけだった。


「何やコイツ寝とるやんけ…。」


彼はソファーにあったブランケットを何気無く取ると、テディを起こさない様にソッとかけてやる。


「あぁ〜ルシファー様優しいぃ〜♪」


「うっさいッ!最終戦いくで〜?まぁ、お前に根性があったら、
 もぅ1回戦あるがな?か〜っかっか♪」


だがそんなイイ事をしても、パンツ一丁でフン反り返るその姿は、
とてもぢゃ〜ないが魔界の王ルシファー…その人には何処からどーみても見えない。
寧ろ『酔っ払ってコンパで悪ノリしてる兄ちゃん』…こんな代名詞がピッタリだった。


「ベーッ!絶対負けないですよーーっだッ!」


片やB85W55H86、農林水産省調べの小柄なトランジスタグラマーことハッチー。
背水の陣、待った無し、バーゲンセール開場5分前…、
緊張感ある一触即発の最中、ちょっと気負いしていた。


「(う”〜負けたらど〜しよ〜…リッちゃんと両親にしか見せた事ないのにぃ〜ッ!)」


いつもなら調停役のリツが、この辺りでSTOPをかけるのだが、
肝心の本人は夢の中へお出かけの最中…しかも帰宅時間不明…。
かといってここで止めたら、ルシファーの機嫌が悪くなる事は明確…。


「(こーなったら勝つ以外に道は無いわね…。)」


いよいよ決意し、身構える。


「を?腹は決まったか…くっくっく逝っくでぇぇッ!」


「しょ、勝負ですッ!!」


再び何処からともなくBGMが流れる…ちゃんかちゃんかちゃんちゃん♪

(割愛)

よよいのヨイッ!


タカと睡眠中の二人以外の視線が、一手に二人へと集まる――
そして…妙な緊張感が漂う中、勝利を自らの手中に収めたのは欲望の権化…ソノ人だった。
ルシファーは天を貫かんばかりに右手を掲げ、勝利の雄叫びを上げる。
何故かその姿には目映い光が差しており、
観客サイドの方も異様な盛り上がりを見せていた。


「うォおをぉッ!我、勝利を手中にせしィッ!!
 …ほれ脱がんか〜い、か〜っかっか!」


「うにうに〜パッぱと脱ぐなり♪ニョホホホホ〜♪」


「う”〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」


負け、敗北、LOSE…逃げようの無い現実が頭の中でグルグル回り、ハッチーはその場に座り込む。
頭を抱え、首をイヤイヤと振る姿に、最初は笑顔で見ていたルシファーだったが。
中々脱がないハッチーに等々痺れを切らし、嫌な笑い方をしながら彼女に近づく。


「…脱がないんかい…そんなら無理やりにでも脱がすんが『漢』ってもんやな…ウケケケ。」


「うに♪協力は惜しまないなりよ〜にっふっふ…。」


悪代官と越後屋さながら目配せする二人、何故か息はピッタリとあっている。


「う”〜う”〜う”〜…。」


両腕で胸を庇いながら、涙目でジリジリと後ずさるハッチー、
すると目の前でニヤついてたサラが、突如として彼女の眼前から姿を消した。


「ほぇ?きゃああァァァァッ!!」


一瞬 何が起こったのか判らなかったハッチーだったが、
突如 何者かに凄まじい力で後ろから羽交い締めにされ、
尚且つ両足でボディをガッチリとフックされてしまった。


「にっふっふ…もぅこれで逃げられないなり…さぁプチッと外すなり…。」


「OK小猫ちゃん…動くなや…って動けんか?か〜っかっか。」


更に悪ノリしたルシファーがジリジリと近づき、ソノ可愛らしいブラに手をかける。


「キャァッ!何処触ってんですかッ!?」


「ん?胸に決まってんやん、これが足の裏に見えるんやったら眼科行ってこい。
 お〜お〜柔こいのぅ〜えぇ感触や、おぢさん嬉しいで。」


フロントホックが災いしてか、ハッチーは良い様に胸を触られており、
ルシファーはココぞとばかりに職権乱用、基、越権行為に出ていた。


「ん〜中々外れんのぉ〜か〜っかっか。」


「ふぇ〜んッ鬼ィッ!悪魔ッ!岸部シローッ!!」


「…最後のはイマイチよー判らんが俺は悪魔や、心なんかち〜とも痛ぉないで?」


半ベソで喚き叫ぶハッチー、いよいよルシファーの魔手がフック部分にかかった、
サラもその様子を見て、後ろから容赦無く発破をかける。


「ほれ、サッさとやるなりッ!」


「OK朋友…いくでッ!!」


「いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」


ハッチーの悲鳴を合図に、今まさに禁断のショーが始まろうとしていた…とその時――


バダンンッッ!


「応ッ!待たせたなサラッ!」


両手でドアを強引に開け、ナイスタイミングで三人が入ってくる…と――


ぷち…プルルン♪


「ををををををッ!!」


「ほぇ〜中々立派なり〜♪」


「うぇ〜〜〜んッ!も〜お嫁に行けないよ〜〜ッ!」


三人の目が点になる様な光景が飛びこんできた。
素早くミミィがヤケイの目を両手で隠すところが、何とも可愛らしい。


「ヤケイッ!見ちゃ駄目ッ!!」


「…フッ…手遅れさ…ご馳走様♪」


「……よぅ…何やってんだ?テメェラ…。」


呆れかえる彼等を余所に、鬼畜二人の鑑賞会は続けられる。
女性フェロモン出血大サービス中の、たわわに実った二つの丘陵…、
漢の本能を描き立てる、形の良い桜色した小さな突起…、
最初は楽しみながら見ていたサラだったが、自分の凹凸すらない幼児体型と比べて、
かな〜り何とも言い様の無い悔しさが徐々に生まれてくる…。


「……何かムカツクなり…うりゃッッ!!」


ぐにゅぅ


そして我慢ゲージがMAXになると、徐に【おもむろ】にペッパーの胸を揉み扱いた。


「いやーッ!止めてーーッ!!」


ぐにぐにぐに…


「うりうり、こーなりか?こーなりか?」


ハッチーの胸が『おやぢじみた』サラの手により、変幻自在にソノ形を変える。


「イヤイヤイヤーーーーッ!………ぁっ…。」


首を振りながら叫んでいたハッチーだったが、暫く経つとその声に微妙な変化が見えた。


「を?感じたなりか?にっふっふ♪」


「そそ、そんな事ないもんッ!」


顔を真っ赤に染め否定するが、サラの小さな手が動く度に、
その言葉とは裏腹にハッチーの芯は熱く火照ってくる。


「ニョーホッホッホ♪も〜っとやってやるなり〜ッ!」


「ァア…いやぁ…やめっ…ンハッ…イッ…いやぁ…ァアンッ…ハァ…ァッ…ァァ……。」


「にっふっふ、良い声で鳴くなりねぇ次はココを――イッタァッッ!?!?」


ズガッコーーーーーーーーーンッッ!


サラの頭上1m辺りから、容赦無く一気に振り下ろされた鋼鉄製の拳、
目から火花どころか、花火が飛び散る程の痛みが脳天から突き抜ける。


「イイ加減ニシイナサイッ!18禁小説ニスルツモリデスカッ!?」


腰に手を当て、仁王立ちする鋼鉄天使…、
三白眼で睨むイヴの全身からは、真っ赤な怒りのオーラが噴き出していた。


「全ク モゥ貴方ッテ人ハッ!ハッチーさんガ可哀想デショッ!?」


「ちょ、ちょっと調子に乗っただけなりよぉ…。」


頭を手で押さえ涙目になって萎縮するサラ。
絨毯を足のつま先でホジくる姿は、悪さをして怒られる子供のソレと代わりは無かった。
しかし、そんな事などお構い無しに悪の権化はハッチーににじり寄りながら、手をワキワキさせている。


「くっくっく…どーれ選手交代や、今度はおぢさんが遊んでやろうかのぉ〜♪」


「い、いやぁ…こないで…。」


ジリ…ジリ…ジリ…ジリ…ドンッ


「ひっ!」


だがいつまでも床が続く訳無く、遂には壁に追いやられてしまう。
ニヤニヤしながら追い詰めたルシファーの視線は、ハッチーの下着部分に注目していた。


「くく…おや?おかしいぃのぅ感じてねぇと言いながら、
 なんや?そのパンツの染みは――」


「キャーキャーキャーッ!それ以上言わないでェッ!!」


「か〜っかっかっか♪身体は素直やのぉ〜♪」


もう直ぐルシファーの手が、ハッチーの胸に触れる…その時ッ!
背後から鋭い怒気を含んだ、優しげな声が聞こえる。


「あらぁ、楽しそうね…私も混ぜてくれないかしら…アナタ…?」


ビビクゥッ!!!


声と共に香る白梅香…引き攣りながら丁度 目の前に有る鏡を恐る々見ると、
でっかいピキマークをつけたテディが、こちらを覗き込む様に半目で見ていた。


「(い、今、後ろを振り返ったら殺られる…。)」


固まった侭 動けないルシファーの本能が、そう強く告げている…。


「お、奥方様〜〜ッ!!」


魔界で『地獄に仏』とは少々妙な趣だが、今のハッチーにはそう見え、
毀れそうな胸を庇いながらテディの方へ駆け寄り、ソノ勢いで抱きつく。


「こ、怖かったです…うっ…ビェーーーーーンッ!」


ファサ…


テディは泣きじゃくるハッチーへ、傍らに置いてあったブランケットを掛けると、
そのまま包み込む様に抱きしめ、背中を優しく叩く。


「もう大丈夫よ…安心なさい…。」


「ビーーーーーッ!!」


余程 怖かったのか、胸に縋りつき滝の様に涙を流すハッチー…、
テディは泣きじゃくる彼女を優しくソファーに座らせると、怒りを露にルシファーへと詰め寄った。


コツ…コツ…コツ…コツ…


「ヒィッ!!」


『ルシファー絶体絶命ッ!?』のテロップが見えそうな雰囲気の中、
さっきとは全く真逆に、テディが彼を壁際まで追い詰める。


「ままま待てッ!落ち着いて話し合おうやないかッ?
 ちゃんと話せば判るよってッ!な?なッ!!」


何処をどーやったらお互い理解しあえるのか、皆目見当がつかないが、
言い訳を止めた途端、有無を言わさず攻撃が飛んでくる気配があった為、
言葉を紡ぐのを中断する事は出来ない。


「んふふふ…大丈夫よ…痛いのは一瞬だから……多分…。」


するとテディの右手が漆黒のオーラを纏い、空間がヤバイ位に歪み始める…。


「って待てぃッ!んーなモンくらったら、いくら俺かて無事じゃあらへんでッ!?」


しかしテディの瞳は既に『完全戦闘モード』に突入している…。
両目が完全に開き、身体の至る所から漆黒のオーラが渦を巻いて噴き出しており、
最早ルシファーの命乞いなど、彼女の耳には届いて無かった。


「んフフフフ…何 言ってるの…無事で済ます訳 無いぢゃないの…。」


「うげェッ!!!」


一歩…更に一歩…死の宣告者【デスメッセンジャーテディ♪】が近づく…。
如何したモノかと、顔を青くしながら色々と思いあまねいでいたルシファーだったが、
追い詰められた窮地からか何かを思いついたらしく、頭に『ピコーン♪』と電球がついた。


「こ、今夜めっさ頑張るで…。」


ピタ…


すると如何だろう、その言葉を聞いた途端、
怒りのオーラ120%状態だったテディのパワーが、序々に薄れていくではないか。


「………絶対?」


しめた!と思ったルシファーはココぞとばかりに畳み掛ける。


「あぁ絶対やッ!何なら『モキョモキョの生き血』を飲んでもえぇでッ!」


モキョモキョの生き血とは?


人間界で言うところの鼈【すっぽん】の生き血5000倍【民明書房刊抜粋】。
の効力を持つと言われている、これを飲む事即ち…、
『今夜は寝かせないよハニー♪』と宣言しているも同然である。
それを聞いてテディの顔が180度反転し、百万?の微笑へと変貌を遂げた。


「フフ…なら許してあげる♪もぅあんな『オイタ』しちゃ駄目よ?
 あぁ〜今夜が楽しみだわ〜アナタの体も若くなってるしね〜♪
 んん〜待ちきれないわ…んっふふふふふふふふふ♪」


…彼から顔を背けた時、テディの瞳が『これでもかッ!』って位、怪〜しい光を放つ。
今更 言い直したら間違いなく瞬殺される事請け合い…、
ルシファーは言ってから後悔したが既に後の祭だった。


「な、なんか今『キュピーーン』って音が聞こえたような…まぁえぇか、やるしかあらへんな…。」


ちーーーーーーーーーーーん…


そんな甘い々ハートマークが飛び交う中、思い出した様にドスの効いた重い声が大広間に響く。


「……テメェラ何か忘れてねぇか?」


既に存在すら危ぶまれた三人、そこはかとなく哀愁が漂う。


「…ねぇヤケイ?」


「ん?なんだい、みみっぺ?」


「私達って思いっきり場違いぢゃないかしら?」


至極尤もな意見…その言葉がこの場の空気を更に重くする。


「あ、おっちゃん!いつ来たなりか?」


すると拗ねモードを解除したサラが、漸くガアッシー達の存在に気がつくが――


「……サラ。」


自分の意気込みとは裏腹な彼女の言葉に、最早 彼は何と言ったらイイのか判らなくなってくる。
そして巨人は遣る瀬無い気持ちを隠すかの様に ごっつい手で顔を覆い、天を仰いだ。


「ん?その声はガアッシー殿でござるか?」


こちらもこちらで目隠しプレイ継続中のタカが、声がした方向に向き直る。


「(…もう外してあげてもいいかな…。)」


プヨが周囲を見回すと、ハッチーは何時の間にか着替えに行ったらしくこの場には居ない。
ならばもぅこの目隠しは無用と悟った彼女は、タカを制限していた戒めを解いてやる。


シュル…


やがて目隠しが解かれ、彼の視界が開けると、様々な情報が飛び込んできた。


「む?漸くお許しが出た様でござるな…おぉガアッシー殿、ソコに居られたか。」


「…ごめんねタカ、イキナリ目隠しなんかしちゃって…。」


差して気にしていない処にイキナリ謝られ、タカには何の事やらサッパリ判らなかったが、
プヨのモジモジしている姿を見られただけで、既にそんな事はどうでもよくなっていた。


「あの〜質問イイかな?」


するとソコにラブラブな雰囲気をブチ壊すかの如く、場違いな事をエルフの優男が聞いてくる。


「お、おう…なんや?」


何とか妻の機嫌を回復させ事無きを得たルシファーが、漸く彼等の存在を思い出して振り向くと、
何気無く腕を組みながら彼が何を言い出すのかを待つ。


「ん〜僕達はいつまで立ってなきゃ行けないのかな?」


「…はぁ?」


だが凡そ予想もつかない質問の前には、流石の彼も言葉が詰まってしまう。
頭をボリボリと掻きながら辺りを見回し、彼等の席がある事を確認すると、
不遜にも顎でソノ位置を差し示し、座る様に促した。


「ん〜なモン、適当に座りゃぁえぇやん?
 そんな事、気にしとったんかい?アホやなぁ…。」


半ば呆れながら自分も再び同じ場所に座り、少し温くなったグラスを手に取る。
そんな遣り取りを傍らで眺めていたミミィは、成り行きとは言え許可が出たのをイイ事に、
ココぞとばかりに一歩前に出てると、
何を考えているのか判らない顔をしているヤケイの方に、ソッと手を差し出した。


「…コホン…それぢゃマーク、エスコートしてくれるかしら?」


そして上品っぽく右手を出し、上目使いでヤケイのことを見遣るが――


「ん?なんで?イタタタッッ!!」


ぎゅぅぅぅぅぅぅぅグリグリグリグリッ!


「エ・ス・コ・ー・ト・し・て・く・れ・る・わ・よ・ね?」


ソノ言葉を聞いた瞬間、彼女の短い導火線に火が付いたのか、
一向に気付いてくれない彼に対し、間髪入れず癇癪を起こして強行手段に出た。
そして一区切りづつ言葉を区切りながら、
ヤケイの足の甲を踏み抜かんばかりに、グリグリと穿つ【うがつ】。


「ギャァアアァアァァーッ!判った判ったッ!
 エスコートでも何でもするから、その足を退けてくれェェッ!!」


懇願よろしく、泣き叫び許しを乞うヤケイ…、
まぁ女心を理解しなかった彼が悪いと言え様…しかし次の瞬間――


「フンッ判れば良いのよ、こんなイイ女を放っておくなんて漢が廃るわよ?」


『……自分で言うのもどうかと思うが…』と、
その場に居た全員が口には出さないものの、各々考えていた…。


「あれ?どうしたのガアッシー?」


「…いや何でもねぇ…。」


ドカッ


彼はは悪びれないミミィに二の句が告げず、適当にソファーへ乱暴に座る。
そんな彼の言葉を代弁するかの様なソファーの悲鳴が、心成しか聞こえた気がした…。


シーーーーーーン……


…何となくこの場の雰囲気が少し盛り下がった気がした事を、全員が肌で感じている。
すると収拾がつかなくなった雰囲気などお構い無しに。テディがイキナリ立ち上がった。


「そうだわ、お風呂にでもは入りましょうよ♪」


「……相変わらず、えれェ唐突やなオィ。」


「イイのよそんな事、ここでウダウダやっててもしょうがないでしょ?行こ、サラちゃん♪」


「う、うに。」


言うか早いかテディはサラの手を引き、サッさと奥へ行ってしまった。


「何やら良く判らない展開でござるなぁ…。」


「そ、そうね…。」


一番取り残された二人も合わせた様に席を立ち、
プヨの誘導の元、風呂場へと向かう。


「あっれれ〜みんなは?」


するとソコに着替えを終わらせ、リフレッシュしたハッチーが目を丸くして尋ねた。
服装をよく観察すると、フリフリ山盛り&リボン付きのピ○クハウス系で、
ハッチーの可愛らしさが35%増しに見える。


「…あぁ風呂に行ったで、お前も行って来ぃや。」


「ハァーイ行ってきまーっす♪」


トタタタタタタタ…………タタタタタタタ


「ちょっとリッちゃん、いつまで寝てるの?もぅ起っきしよ?」


ゆっさゆっさ


あんな騒ぎがあったにも関わらず、リツはまだ一升瓶枕でスヤスヤ寝ており、
大物の貫禄を醸し出し【かもしだして】ていた。


「……ん?おはようハッチー…もう朝かい?」


寝起きは良いらしくスンナリ起き、目を擦りながら周囲を見渡す。


「おや?皆はどうしたんだい?」


するといつのまにか神族側も先程タカについて行ったらしく、広間から消えており、
この場に居るのは、ルシファー・リツ・ハッチー・イヴの四人だけだった。


「えっとねぇみんなお風呂に行ったよ〜リッちゃんも行こ♪
 あ、でも男女別々だからソコんトコ夜露死苦ッ!」


ビシッと親指を立て、何故かキメポーズをするハッチー。
服装とはチグハグの行動だが、そこがなんとも愛らしく様になる。


「…ハァ…まぁ酔い覚ましには調度良いでしょう。
 フロイラインも後片付けなんてメイドにやらせますから、ハッチーと一緒に行ってらっしゃい。」


サラを叱って以来 何も音沙汰が無いと思ったら、イヴはメイドと一緒に宴会の後片付けをしていた。
リツに言われながらも彼女の手は休まず、次々と空いた皿を片付けている。


「エ?ソウデスカ、デハオ言葉ニ甘エテ…皆サン後ハ宜シクオ願イシマスネ。
 ソレデハ ハッチーさん、オ風呂ニ案内シテ頂ケマスカ?」


「ハーイ、こっちだよ〜ん♪」


漸く片付けを止めたイヴの手を取り、ハッチーは楽しそうに風呂場へと駆けていった。


………ガラーン…


そして祭りの後に残ったのは最初に飲んでいた二人…何となく…否、かなり虚しい…。


「何か見た事ある光景やな……。」


「気のせいですよ……。」


二人のグラスに入った氷の音だけが辺りに響く。


カラーン…


…やがて沈黙に耐えられなくなったのか2〜3杯目に差し掛かった頃、どちらからともなく口を開いた。


「……行くか。」


「……そうですね。」


そのまま同時にグラスを煽ると、二人は風呂場へと足を運んだ…。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

小説を書いて読んで楽しもうッ! 更新情報

小説を書いて読んで楽しもうッ!のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング