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小説を書いて読んで楽しもうッ!コミュの狂乱!大宴会!!

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さてさてダークキャッスルでは神界の事などソッチのけで、今まさに大宴会の真っ最中であった。


「一番ッハッチーちゃん、歌いま〜〜っすッ!『泳げタイ○キ君』ッ!」


「うおっしゃーッ!カマしたらんかいッ!」


「ハァーイッ!むぅあぃにちぃ〜むぅあぃにちぃ〜びょくらは、てっぴゃんのぉ〜♪」


○門真人風に歌いながら、スッカリ酔っ払ってご機嫌なハッチー。
その歌声は、こちらに向かってきている、タカとプヨにもしっかり聞こえた。
歌と言うよりは寧ろ怪音、ジャ○アン女ヴァージョンの声に度肝を抜かれる。
もう少し放っておけば『ボゲェ〜〜♪』位は聞こえるかもしれない…。


「な、何でござる?アノ奇怪な声はッ!?」


「フフッ…ハッチー、ご機嫌みたいね…。」


「なんとッ!この奇声はハッチー殿でござったか…。」


タカは後頭部に大きめの汗を掻きながらも雑念を振り払い、先を急ぐ事にした。
…そのまま暫く進むと、目的地である大きな扉の前に辿り着き、
扉の中からは、宴会を楽しむ賑やかな歓声が聞こえてくる。
余り考えたくは無いが、もしこのまま行けばまず間違い無く、
『この格好』で部屋に入られる事は請け合い…。
出来ればプヨとしてはそれだけは避けたかった。


「あ、この辺りで下ろして、もう大丈夫だか――」


バタンッ!


だがプヨが言い終わるよりも先に、話を最後まで聞かないタカが扉を勢い良く開けてしまった。


「お待たせ致した皆の衆ッ!」


賑やかなドンチャン騒ぎの中、突如フロア内が水を打った様に静まり返り、
ここに居る全員が一斉にタカとプヨに注目する。


「(うわっ!メチャメチャ恥ずかしいぃぃぃッ!!)」


皆の視線を一挙に集め、今にも火を噴き出しそうな程顔を赤らめるプヨ。
すると2匹の『ザ・ヒヤカシーズ』が美味しい獲物を発見したらしく、悪魔の牙を見せる。


キラーーーーンッ…ニヤァ〜…


サラが小悪魔の笑みを浮かべ、待ってましたとばかりに冷やかし――


「おーおー主役は遅れて登場なりかぁ〜にゅふふ、やるなりね〜♪」


ハッチーも負けずに、プヨとタカの周りをニヤニヤしながら徘徊する。


「いいな〜ペッパーもこぅやって、皆の注目を浴びたいなぁ〜…。」


チラッ…


そして何気なく、横目でバイオの方を見やるが――


「………」


だが彼は全くハッチーの方は見ておらず、クールに酒を飲みながら明後日の方を向いている。
残念ながら彼女の目論みは潰え、完膚無く見事に黙殺された。
一方、サラやハッチーだけではコノ騒ぎは止まらず、挙句の果てには、
周りに待機していたメイド達にまで二人はいぢられ、


『いいわねぇ〜♪』『憧れちゃうわぁ〜♪』『ヒューヒュー♪』


等の黄色い声が其処彼処【そこかしこ】に飛び交う。
最早収拾のつかない周囲の野次に、オロオロしていたタカだったが、
主賓席らしき所に かへおれの姿がある事に気づく。


「ややッ!かへ殿、無事でござったかッ!!」


このチャンスを機に些か強引ではあったが、その場を切り抜け様とすると、


「か〜っかっかッ!残念やがアイツはまだ眠ったままやで?
 ってか、俺が無理やり眠らせてるんやがな…か〜っかっかッ!
 ん?なぁんやメイドにまでいぢられて人気者やなァ。」


ルシファーは声高々に笑い、タカの期待を木っ端微塵に粉砕した。


「それはそーと、いつまでプヨを『お姫様だっこ』しとるつもりや?
 そろそろ下ろしてやらんと、ゆでダコになんで?」


「なぬッ!?」


彼に言われ慌ててプヨに目線を落とすと、今まで解らなかったが彼女の体温が少し高い事に気づく。
恐らくこんな場面に遭遇するとは、夢にも思ってもいなかったのであろう、
心の準備はおろか、気持ちの整理すら侭ならない状態でここに来たプヨ。
平常を装えという方が、はなっから無理な話だった。


「はぁぅ〜〜〜うきゅぅ〜〜〜。」


恥ずかしさの余り全身を真っ赤に染め、ぐるぐると目を回す彼女…。
既に周りの声はプヨの耳には届いていない。


「あらあら、若いっていいわねぇ〜♪」


するとタカ達が入ってきた別の扉から、テディが会場に現れた。
口元に手を当て、お上品〜に微笑みながら勝負衣装を身に纏っているその姿は、
並々ならない今日の意気込みを感じさせる。


「お〜やっとお出ましかい、遅かったやんけッテディ……子?」


声がした方に振り返り、いぢめの言葉一つでも言ってやろうと思った彼だったが、
改めて登場した妻の美しさに、不覚にも声を無くす。


「あら、何で疑問系なのかしら??」


ちょっと不満げに可愛らしく頬を膨らませ、抗議するテディ。
すると予想以上にルシファーが動揺を見せ、口篭もってしまう。


「…いや、あれだ…ほら…。」


「イヤアレダホラ?…何かの呪文?」


のっけから天然パワー全開の彼女に、思わず蹈鞴【たたら】を踏むが、
逆にその『ボケ』が出てくれたお蔭で、ルシファーも何時もの調子を取り戻した。


「って、一体全体どんな呪文やねんッ!?
 そんな所に突っ立ってないで、早ぉこっち来んかいッ!」


ズバンズバンッ!


ソッポを向きながら照れ隠し気味に隣のソファーを乱暴に叩き、
未だ扉の所から動かないテディを催促する。


「ウフフフ、そんなに照れなくてもいいのに♪」


だが流石は妻といったところか、そんなルシファーの動揺も軽く微笑み返し静かに歩み寄る。


しずしず……


たおやかに歩くその姿にルシファーを除く全員が釘付けになり、誰も動く事が出来ない。
ソレを眺める女性達からは感嘆の声が漏れ、基せずして彼女は羨望の的となる。


「ふぇぇぇ〜…ママすっごい綺麗なり〜…。」


「本当デスネ〜。」


親の仇の如く料理を撃破していたイヴとサラも食べるのを中断し、
煌びやかな【きらびやかな】テディの姿にツイ魅入ってしまう。


「…ねぇリッちゃん…ハッチーも将来、奥方様みたいになれるかなぁ?」


前振りも無しにイキナリ凄い事を聞かれたリツは、
一瞬 鼻からスコッチを吹き出しそうになったが、何とかグッと堪え、
夢見る少女の目をしたハッチーを傷つける訳にもいかず、
一番差し障りの無い答を探すと、引きつっている事を悟られない様 静かに返答した。


「ど、努力次第でしょう…。」


そんな見惚けている中には、タカとプヨも含まれる。
諸国を廻り、修行ばかりしていたせいか女性に免疫が少ないタカ。
彼は不覚にも今 置かれている状況を忘れ、
プヨを抱えているのにも関わらず、トンでもない失言をしてしまった。


「……女性とはかくや、あそこまで綺麗になれるものなのだのぅ…。」


カッチーーーーーーーーンッ!グゥォオゥッッ!


『緊急事態発生ッ!緊急事態発生ッ!緊急事態発生ッ!!
 突発的アフターバーナー点火ッ!総員戦闘配置につけェッ!
 気を付けろ…やっこさん相当デカイぜ、こりゃぁ…。』


何処からとも無く、魂のエマージェンシーが聞こえたかと思うと、
急速にプヨの嫉妬心がメラメラと豪炎を上げ、胸を焦がしまくる。


ギュ〜〜〜〜〜ゥ


「いひゃひゃ、はひほふるほへほはる!?直訳【いたた、何をするのでござる!?】」


言っちゃぁイケナイ言葉をブチかましたとは、全く気づかず、
頬をダブルで抓られ、プヨを抱えたままオロオロするタカ。


「い・い・か・ら・早く下ろしなさいッ!!フンッ!」


お冠のプヨは半ば無理やり彼の腕から下りると、頭から湯気を出し、
我、関せずとばかりにソッポを向いてしまう。


「プ、プヨ殿ぉ〜。」


「知らないッッ!!!」


女心とあき竹城…基、秋の空…。
タカがその意味を知るには、もう少し時間が掛かるだろう。


「ったく…何そんな所でBoy’○eやってんねん?早ぉ適当に座らんかい。」


如何に激怒のプヨと言えど、ルシファーにいなされたとあっては従わざるを得ず、
ムスッとした顔でハッチーの横まで移動し、勢い良く腰を落とすと河豚の如く頬を膨らます。


「まま、待って下されップヨ殿ぉ〜。」


慌ててタカもその後を追うが、彼女の『怒りゲージ』は下がる事は無く上がる一方を辿る。
その光景を見ていたイヴとサラは、以外な展開に思わず目が点になってしまった。


「…既に光の早さで、尻に敷かれてるなり…。」


「ア、ハハハ…ハァ…チョット情ケ無イデスネ…。」


二人同時に顔を見合わせ、あまりに不甲斐ないタカに溜息をついた。


「「はぁ〜〜…。」」


そんな光景を横目で見ながらテディは微笑ましく思い、愛する夫の元へゆっくりと歩いていく。


「ハ〜イお待たせア・ナ・タ♪」


たおやかにルシファーの傍らまで来ると、彼女はニッコリと微笑を浮かべ、
自らの衣服を踏まぬ様、ゆっくりと隣に座る。
その際、不意に胸を擽るような甘い香りが彼を包んだ。


「ほぅ…白梅香か…えぇ匂いや…。」


目を細め、何気ない彼女の優しさを嬉しく思うルシファー。
きっと彼女は自分がこの香水が好きだった事を覚えてくれていたのであろう。
キツからず少なからず微妙な量まで気を使っている辺りが、やはりテディならではと言えよう。
そんな愛しい彼女を彼もソッと抱き寄せ、その馨しい香りを胸一杯に吸い込み堪能する。


「フフ、アナタこの香水が好きだったでしょ?」


「あぁ…この匂いを嗅ぐと、ホンマに帰ってきたんやなぁて実感すんで…。」


目を閉じ脳の奥で味わうように、テディの深い愛情を噛み締めながら感慨に耽る…。


「あっちはあっちでアダルト版Boy’b○をやってるなりね〜。」


「イイジャアリマセンカ、久シブリミタイデスシ。」


ママを盗られた子供みたいなサラを、イヴが優しく嗜める。
するとチョット拗ねた様に口を尖らせていたが彼女だったが、すぐに気を取り直した。


「…ま、別にいいなりよ。」


「フフ、サァドンドン食ベマショウ〜マダマダ一杯アリマスヨ♪」


そしてそのまま上手く言い包めると、再び二人は並べられた料理と闘いだした。


片やこちらの方では、見るも無残な極寒の冷戦が繰り広げられていた…。


「…でだからね…そうなのよ〜…。」


タカに完全に背を向け、喋り続けるプヨ…、
それを受けるハッチーの後頭部には、大きな汗がタラ〜リと垂れているのが見える。
最早タカの事など、初めからソコに居なかった様に話す彼女を優しく諭すが、
効果は傍目から見ても極薄に見えた…。


「プヨちゃ〜ん、そろそろタカちゃん許してあげなよ〜…いぢけてヤケ酒アオってるよ…?」


見るに見兼ねたハッチーがタカの為に助け舟を出すが、
逆に火にガソリンを投下してしまったらしく、その怒りは更にヒートアップしてしまう。


「フンッ!いいのよアンナ奴ッ!!」


ズッガーーーーーーーンッ!ドバシュゥゥゥゥッッ!!


あんな奴…あんな奴…あんな奴…

鋭い言葉のバトルアックスが、タカの心を大きく斬り裂く。
しまいには酔いも回ったのか、滝のような涙をダバダバと流し号泣してしまった。


「…ヒッック…エグッ…エグッ…。」


グィッ


コップに並々と日本酒を注ぎ、泣きながら飲む姿に流石のリツも同情を誘う。
このままでは折角の帰還宴会に水を刺す恐れがあると踏んだ彼は、静かに水面下で動いた。


「(…ふぅ…仕方ありませんね…タカさん?)」


自棄酒【やけざけ】を煽る中、ふとタカの頭に誰かから直接声が響く。


「ん?」


きょろきょろ…


不審に思い辺りを見回したが、誰もタカに声をかけた形跡は無い、
しかし声はハッキリと聞こえ、未だ彼に問い掛けてくる。


「(タカさん私ですよ…リツです、今タカさんにだけ思念を送ってます、
  どうかそのまま聞いて下さい。)」


「了解でござる…ヒック。」


すると少々酔いが回ったのか、タカは返答をそのまま声に出してしまう。
それを見たハッチーが尻尾が太くなる位に驚き、その場で飛び上がった。


「うきゃッ!?ほら〜プヨちゃんッ!タカちゃんが変な電波受信しちゃってるよ〜ッ!」


強ち【あながち】間違いではないが、話しかけた相手が間違っていた。
鼻息も荒く、ヒョー○ル張りに一蹴されてしまう。


「フンッ!!」


取り付く島も無いとはまさにこの事、プヨは全くタカの方を見向きもしないが、
その頃タカとリツの『今日の反省会』は佳境を迎えていた。


「(プヨさんは相当ご立腹です、何故だか判りますか?)」


「判らんでござる…。」


そんなプヨとタカを交互に見やリ、ハッチーは泣きそうな顔をしている。
出来ればいっそ、この場から逃げ出したいと思うくらいに…。


「ほらぁ〜もぉ〜ッ!」


「ツーーーーン。」


しかしプヨの怒りは止まる事を知らず、心の中の燃焼物質を全て燃料に変えている。
最早先程の『デレ』状態は微塵も無く、逆に『ツン』状態が維持されていた。
そんな彼女をリツは気配だけで察知し、呆れながらも事件解決を急ぐ。


「(ハァ…いいですか、女性というのはですね?
  自分以外の女性を褒めたり、見惚れたりされる事が嫌いなのですよ。
  ですから、さっきタカさんが言った言葉は非常に不味かった訳です。
  況してやプヨさんを抱えたままですよ?怒るなと言う方が無理なのです。)」


リツに判りやすく諭され、タカの酔いも少しずつ覚めてくる…。


「……左様でござったか…拙者はなんという事を…。」


先程自分がつい口にしてしまった言葉を反芻し、激しく後悔の念に駆られるタカ、
言葉少なく俯いた侭ジッと一点を見つめている。
リツとしてはコレで判らなかったらどうしようかと少し思っていたが、
どうやら考えていることは通じたらしく、コレをラストチャンスと感じ、
取っておきの『最終秘密兵器』を彼に与える事を決意した。


「(やっと気づきましたか?では私が特別に仲直りをする方法を教えましょう…それはですね…。)」


「フムフム…。」


何やら頻りに頷き相槌を入れているタカを見兼ね、
ハッチーはリツに半ベソを掻きながら救助を求めた。


「リッちゃ〜ん、クールにお酒なんか飲んでないで何とかしてよ〜。
 ハッチーもぅ〜手がつけらんないよ〜。」

だがリツは瞳を閉じたまま、ウンともスンとも言わない。
すると未だ毒電波受信疑惑のタカが突如大声で叫び、
テーブルを引っくり返す勢いで立ち上がった。


「んなッ!?そそそ、そんな事出来無いでござるッ!!」


「(良いからヤルのです、このままではお互いに嫌でしょう?
  漢はここぞという時にキメるものですよ。)」


最後のテレパシーを送りリツが目を開けると、まず真っ先に飛び込んできたのは、
クリクリした瞳が愛らしい、ハッチーのドアップフェイスだった。


「リッちゃん聞いてる?ねぇ〜?」


ゆっさゆっさ


ブンブンとリツの肩を揺さぶり、同意を求めていたハッチーだったが――


「フフ…大丈夫ですよ、暫く様子を見ましょう。」


「本当に大丈夫なの〜?」


自信満々で答えるリツに、指を咥え眉唾な表情で見ている。
しかし優雅に酒を飲み、揺るがない彼の表情を見るからには信じざるを得ない。


「本当です、私が貴方に嘘をついた事がありますか?」


「うん何回も♪」


「……これは手痛い…。」


即答されてしまったが、さしてリツの顔には困った様子は伺えない。
一方、バーボンをロックで半ばヤケ気味に飲んでいたプヨ…。
胸中の嵐は激しさを増し、空前絶後のパーフェクトハリケーン級になっていた。


「(全く何なのよモ〜ッ!このムシャクシャした気持ちはッ!?)」


一寸前の事を思い出し、烈火の如く更に荒れる始末…最早 死人が出無いのが本当に不思議な位、
ヤバい目をして怒りのオーラを、辺り一面に撒き散らしていた。
流石にメイド達もこの有様にはドン引きを隠せず、
なるべく目を合わせない様に、彼女から距離を置いている。


「(元はと言えば、タカがいけないのよッ!!
  さっきのお姫様だっこは何だった訳ッ!?
  あの胸がドキドキしたトキメキの時間はッ!? 
  あーーーーッ!もーーーーッ!頭にクルッッ!!)」


思えば思う程、怒りが込み上げてくる――

まさにそれは嫉妬…

初めて恋を知ったプヨが次に感じる感情…。
幾ら通過儀礼とはいえ、冷静でいられる方が寧ろ無理な話なのだ。
タカはそんなプヨを横目で見据え、静かに座り直しながら中空を見上げ彼女の事を考えていた。


「(…そうとは知らず、何たる事を拙者はしてしまったのだ…許してくれ…プヨ殿…。)」

  
タカは心の中で深く謝罪すると、グラスに残っていた酒を一気に飲み干し静かに覚悟を決め、
リツから授かった極意を憤慨するプヨに向かって敢行しようとしていた。

タカの瞳には土砂降りの雨でも消えない、決意の炎が燈っている…。


「プヨ殿ォッ!!」


突然の大声に、ここに居る全員がタカの方へ注目する。
すると真横でデカイ声を出され、怒りの頂点に達したプヨが遂にキレてしまい、
勢い良くタカの方に振り向き、怒鳴り声で応戦しようとしたが、
思いも依らぬ出来事が彼女を襲った。


「何よッ!?そんな大声出さなくっても聞こ……んン――」


至近距離で言い放ったプヨの言葉は最後まで綴れず、
更に無理やり距離を縮めてきたタカに、期せずして唇を塞がれてしまう…。


シーン……ジ…ジリジリ…ジリ…


妙に蝋燭の燃える音だけが静かに聞こえ、誰も声を発する事が出来ない侭、
まるで止まったかの様に、ゆっくりと時間だけが過ぎていく…。

……どれ位時間が経ったであろう…

どちらからとも無く熱い溜め息混じりに唇を離すと、二人はそのまま見つめ合う…
リツを除く全員が、公衆の面前でKissをしたタカとプヨに釘付けとなった。


「最近の若ぇ者は結構 派手やな…。」


「若いって良いわねぇ〜フフ♪」


「…タカ…漢なり…。」


「…ビ、ビックリシマシタ…。」


「あ〜リッちゃん、何かオカシイと思ったら、
 タカちゃんに仲直りの方法を教えてたんでしょ〜?」


「さぁ…何の事やら…。」


「バレバレだって〜有無を言わさずkissするのって、
 リッちゃんがハッチーに謝る時によくやるもん♪」


「フフ……。」


そんな周りの声もプヨとタカの耳には、当然のことながら聞こえてはいない。
一番ビックリしたのはコレ又当然の事ながら突如kissをされ、
驚きの余り瞳がトロ〜ンと潤んでしまったプヨだった。


「(…ゑ?…何?…今何が起きたの?あ…明日はスーパーの特売日だっけ…。
  って違うッ!えッ?えぇぇッ!?)」


先程の怒りなどイスカンダル星雲の彼方までブッ飛んで行く程、
プヨはこの上ないほど混乱しきっていた。
一方タカの方も失敗の恐れを考えながらも『覚悟完了ッ!』と腹を据える。


「(つ、遂にやってしまったでござる…ここは最後まで貫くのが漢ッ!)」


少々 曲解した考えではあったが、最早彼の頭の中には『その事』しかない、
固まるプヨの両肩を優しく掴み、タカは瞳を見ながらゆっくりと語り出した。


「…先程の件、拙者が悪かった…。
 プヨ殿の前であのような事を申すなどとは…、
 弁解の言葉もござらんが言わせてくれ…すまなかった…プヨ殿…。」


ピクッ


その言葉を耳にした途端プヨの肩が震え、瞳からポロポロと涙が毀れ落ちる。


「…うっ…ぅッ……わ、私ッ…私ね?…さっき自…ヒッ…分が凄い嫌…ッ…だったの…。
 こ、んな態度…ック…とっ、てたら…貴方が、困る…ッンって判ってるのに…。
 ど…ど、うしようもなく頭…が熱くなちゃ…って…止ま…ンッ…止ま…らなくって…、
 ごめ…ん…ッ…ね…ごめんね…ごめ………ッわぁあぁアぁァ〜〜ンッ!!」


彼の胸に顔を埋め、堰を切った様に泣くプヨ…、
タカはそんな彼女を愛しく包み込み、哀しみ毎抱きしめた…。


「拙者の方こそ申し訳無い…ツライ思いをさせてしまったな…。」


「ヒック…ッッ…ッス…。」


まるでドラマの1シーンのような光景に、思わず全員が見入ってしまう。


「ハァ…Boy’beも、ここまでくると国宝級やな。」


「フフフ、若いっていいわねぇ〜♪
 それとアナタ、せめて伏字は何処かで使いましょうね?」


「お前さっきっからソレばっかやなぁ…。」


「あら、そうかしら?だって羨ましいじゃない?
 互いに自分の素直な気持ちをぶつけられるなんて…フフ。」


「ん…まぁそーやな…。」


言葉を濁しグラスを煽るルシファーの姿は、遥か昔を逡巡していた。

コメント(2)

イヤ〜ン(*^m^*)
タカとプヨ ドキドキした〜(*^_^*)


何か良いよね〜 こんな風に された〜い(≧ω≦)b

続き 読みたいけど 楽しみは明日に取って置きま〜すo(^-^)o
レイアさん


いや〜この場面も難しかったのを覚えてます^^;;

なにせ、書いている内にキャラが一人歩きするモンですから、手綱を引くのが大変でした><

でもトキめいてくれたみたいなんで、苦労した甲斐もあったってヤツですねw

んじゃオイラは明日の為に、その先をUPしておきますねー!(。+・`ω・´)シャキィーン☆

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