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小説を書いて読んで楽しもうッ!コミュの猛る魂ッ!我は時の番人サラなりッ!!

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もう一つの対戦カード…サラ達の方は、空中にいるハッチー相手に苦戦していた。
彼女の放つ一方的な魔法を悉く【ことごとく】回避していた二人だったが、
ソノ最中 突如後方から予期もしないタカの悲鳴が聞こえてくる。


「グアァァアーーッッ!!」


「タカッ!」


「タカさんッ!」


二人が慌てて振り返ると、既に彼の着物が切り裂かれており、
飛び散る鮮血がサラとイヴの目に映る。
ソレは外目から見ても軽傷には見えず、一刻も早く止血が必要だと判った。


「い、今 行くなりッ!」


言うか早いか飛び出したサラだったが、飛来する黒い球体に行く手を阻まれてしまう。


「へぇ…私に背を向けるなんて、随分と余裕ぢゃないのッ!エェッ!?」


ヒュンヒュンヒュンッ!


やはりソノ行為はハッチーの逆鱗に触れたのか、
先程より量が増えた魔法が、次々とサラ達を襲う。
ソレ自体 当たりこそはしないものの、全く先には進めず益々苛立ちが募る。


「クッ!これではタカを助けに行けないなりよッ!」


「私ガ時間ヲ稼ギマスッ!ソノ隙ニ タカさんヲッ!!」


「うにッ!了解なりッ!」


瞬時に作戦を立て、イヴがハッチーの眼前に立ちはだかったまでは良かったが、
相手は『あの』メフィスト=フェレス、そう簡単には事は運ばない。


「チッ…ウザッたいわねッ目障りなのよポンコツがァ!アンタはそこで大人しくしてなッ!」


汚く罵ったハッチーがイヴを一睨みすると、周囲の空間に細かい奇妙な泡が出てきた。
その泡はイヴを封じこめようとくっつき始め、少しずつ大きな泡へと変貌を遂げてゆく。


「コンナモノ…アッ!?」


ガクンッ


反応早く脱出を試みたイヴだったが予想外の所で肩膝をつき、何故かその場で止まってしまう。
彼女は何とかしようと必死に足へと力を入れるが、機動系が故障したのか?それとも精神系か?
どちらかは判らないが脚部の反応が全く無い為、その場からピクリとも動く事が出来ない。


「…フンッ…ベルゼビュートに一瞬とはいえ精神を奪われて、無事な訳無いでしょ?
 お前はソコで見てなさい、仲間が無惨に殺される姿をね〜…キャーッハッハ!」


そうこう言ってる内に、どんどん泡は大きな球体となり、
遂にはイヴの体を完全に包んでしまう。
薄緑色の球体に封じ込められた彼女を目の当たりにし、サラの顔が一瞬にして青褪める。


「ぃ、イヴッッ!」


「無駄よ…あの泡は完全防音だし空気の侵入すら許さない完璧な牢獄よ…。
 …それはそーと、人の心配している暇があるのかしら?」


空中に浮かび、手足を組むその姿は、悪魔のしたたかさを醸し出しており、
皮肉にも今の状況と相 奏している。
すると更にハッチーの動きに変化が見え、サラの脳裏に悪い予感が過る【よぎる】。


「オマケにこんな事まで出来るのよ…ホラッ」


ポンッ!


軽い音と共にイヴを包む球体が消えたかと思うと、
突如として現れた直径10cm程の球体が、ハッチーの手に乗っている。
目を凝らして良く見ると、何とそこには信じ難い光景が現実として、
驚き慄く【おののく】サラの瞳にまざまざと映し出された。


「ッ!?イヴッ!」


息を飲む光景にサラも一瞬 思考が停止してしまう…。
だが如何見ても球の中には、イヴの姿が目認する事が出来、
しかも気を失っているのか、彼女はぐったりした侭ピクリとも動かず、
膝を抱えた姿勢ので眠っている様にも見えた。


「もし…この球を握り潰したら、どうなるだろうね…アッハッハッハ!」


ギュゥ……ギチ…ギチチ…


笑う声とは裏腹に冗談とは思えない程、ハッチーの手が力みの余り震え、
ソノ球を潰さんとしている。


「や、止めるなりィイッッ!」


「アハハッ!イイ顔〜そうよッ!その顔が見たかったのよ〜ッ!」


「グッ!」


悔しさの余り噛んだ唇から血が滲み、拳を握り潰さんばかりに戦慄かせる【わななかせる】サラ。
その瞳はイヴを一人にしてしまった事の後悔と、ハッチーに向ける憎悪が滲み出ている。


「さて…どうやって遊ぼうか?おチビちゃん?」


ニヤァ〜…


恍惚とし尚且つ残忍な笑みを浮かべ、イヴの入ったボールを片手にサラへと近づくハッチー。
今のサラにはイヴを助け出すとしても、余りにも分が悪い…。
だが幾ら考えても、この絶望的な状況は打破出来ないと踏んだサラは、
一縷の望みに賭けて、嘲り笑うハッチーに懇願してみた。


「…好きにすればいいなり…その代わり…その代わりイヴは…イヴは助けて欲しいなり…。」


「え?…プッ…アッハッハ!な〜に悪魔にお願いしてるのよッ!アンタ馬鹿ァッ!?」


ドガッッッ!!


「ウグゥッッ!!」


彼女はコレが答とばかりに つま先でサラの腹部を蹴り上げ、2〜3m程フッ飛ばす。


「…へぇ〜泣かないの?良い子ねぇ〜♪御褒美あげちゃうッ!」


ガスッ!!


「ガハァッ!」


女性とは思えないパワーで横殴りに蹴飛ばし、小さな体を軽々と地面に擦り付ける。
サラは腹這いに蹲った状態でハッチーを見上げ、暫く耐えていたが、
遂には小さな口から血を吐き出してしまう。


「うぅぅ……ゴフッ!」


「あ〜らら、血なんか吐いちゃって痛かった?
 ねぇネェ痛かった?キャハハッハハ〜ハッ♪」


ガスッ!


「ヒギィッ!」


「何とか言いなさいよッ!このクソガキッ!」


グリィグリグリ…


踵の細いハイヒールで顔面を踏みつけられ、サラの頬から血が流れる。
容赦無い…まさに悪魔の攻撃を、ハッチーは然も嬉しそうに傷付くサラへと続けた。


「あらあら、さっきまでの勢いはどーしたのーぉ?…このまま顔面を踏み潰す?」


ギシィ…ミシィ…


幼い顔が苦痛に歪み、耐えがたい激痛に悲鳴を挙げる。


「ああああァッッ!」


するとサラが絶叫を挙げたと同時に『何か』がポーチから勢い良く飛び出し、
ハッチーの顔面めがけて、突っ込んでいったではないか。


「ハンッ!そんなもん当たる訳ないでしょ。」


サッ!スカッ…ピシィッ!!


小馬鹿にした笑みを浮かべ、ハッチーは顔だけでソレを避けたが、
擦れ違い様、その物体の尻尾が彼女の持っていた球を奪い取った。
ハッチーにしてみれば予想外の出来事に目が丸くなる。


「えッ!?」


「キュピピーッ!」


飛び出した物体…プレリはしっかりと、イヴが入った球を抱きかかえると、
ハッチーが正視出来無い位の眩い光を放ち、その小さな姿を消した。


「クッ!!」


ほんの一瞬とはいえ視界を奪われたハッチー、
その僅かな隙でサラは彼女の足を払い退け、辛うじて脱出する。


「ッ!?こ…このクソガキ共がァァッ!!」


「………」


怒りを露【あらわ】にしたハッチーはサラに向かって罵声を浴びせるが、
しかし対面するサラはフラつきながら俯いており、
そこには先程までの元気が無いばかりか、息も上がっていて呼吸も非常に荒い。


「フンッ!立っているのもヤットってか?アッハッハッハ!」


「……お前…遣り過ぎたなり…。」


「ん?な〜んっだって?」


「………もう、本気で怒ったなり…。」


…スッ


サラが漸く顔を上げるとソコには、
無色透明な瞳を宿した彼女が、飄々と【ひょうひょうと】立っていた。


キィーーーーーーンッ!


彼女は右手を上げ一瞬にして結界を張ると、
嘲り笑うハッチーの動きを封じ、呪文の詠唱を始める。
サラの雰囲気がそうさせるのか?それとも魔法の影響か?
彼女の声が響く度に、周囲の温度が肌を刺す寒さに変化しつつある…。


「…クッ!一体何をしようってゆーのよッ!?」


「…五月蝿いなり…お前はこれから死ぬんだから大人しくしてるなり…。」


そう無表情のまま言い捨てると、サラは再度右手を天に翳す【かざす】。


「森羅万象を司る古の神々よ…我の声に呼応せよ…。
 其の魂は無限なり…誇り高き天の覇王の御名に擱いて…、
 汝等の力、今こそ分け与える事を求める…。
 そしてここに、大いなる契約の効力と課す事を定め…、
 愚かなる者を静かなる無に帰さん…さぁ謳え精霊よ、約束の時は来れリ…。
 ラ・スィム・フェド・ナムダゼ・マァウ・セオルァ・リネス・フィルアレクッ!
 永劫に降り止まない、光り輝く雨と成れッ!『アンフィニィー・レイン』ッッ!!!」


カッッッッッ!!


両手を上げ呪文を完成させると、今まで薄暗かった天が目映く黄金色に輝いた。
一瞬簸るんで身を固くしたハッチーだったが、何も起こらない空に馬鹿にしきった安堵の笑いが出る。


「ッ!!…プッ!何ーも起こらないじゃない、失敗したの?」


「…そんな事言ってられるのも今の内なりよ…ホラ…。」


サラが無表情に空を指差すと、上空より一筋の矢が降ってきた処だった。


「フンッ!」


パァン


ハッチーも瞬時にバリアを張り、矢が当たるのを直前で防ぐ。


「はぁァ?何ぃ?マジックアロー?
 そんなショッパイ魔法でこの私を殺せると思った訳!?
 アッハッハッハ〜馬ァ〜鹿ッ!」


完全に侮蔑しきった笑いで、口数少ないサラを罵る…が…


「…そうなり…一番下級なマジックアローなりよ…。
 でも良く見るなり…お前の目には一体何本見えるなりか…?」


感情の起伏が判らない抑揚の無い顔つきで、空を見上げるサラ…。
その佇まいに少々押され、ハッチーは慌てて頭を振り、上空を見上げる。
するとそこには、想像を絶する恐ろしい光景が広がっていた。
遥か天空から何百…何千…いや何億といった光の矢が、
まるで豪雨の如くハッチー目掛けて降り注ぐ処だった。


「ヒ、ヒィイイィッッ!!!」


「…その矢は お前が死ぬまでいつまでも降ってくるなり…いつまでも……。」


クルッ…


そう言い捨てると完全に興味を失ったのか、サラはハッチーに背を向け、
タカを探す為この場を離れた。


「ね、ねぇちょっと待ってよ、冗談でしょッ!?ねぇッ!ねぇってばッ!!」


ガガガガガガガガガガガガガガガガガッ


無数の光の矢に射られ、序々に…序々に恐怖からかハッチー精神が疲弊してくる。
最早彼女を取り巻くバリアは、光の雨によりソノ姿が完全に見えなくなっていた。


ガガガガガガガガガガッ…ピシッ…パシッ…


「アァッ!何でッ!?嘘でしょッ!?壊れるッ!壊れちゃうよッッ!!!」


今はまだいいが、体を覆うバリアが無くなった時の事を想像すると、
余りの恐ろしさに背筋が凍りつき、無意識の内にポロポロと涙が毀れ出す。


「……グスッ…嫌ッ…嫌だよぅ…死にたくないようぅ…グスンッ…エグッ…。」


ガガガガガガガガガガガガッ…パリ…パリッ…ビシッ…パキン…


「ヒッッ…怖いぃ…怖いよぅ…助けて…助けてよぅ…リっちゃん…ック…。」


ガガガガッ…パキパキ…ピシッ…ピシシシッ…バリーーーンッ!


「キャアァァアアァーーーーッッ!!」


遂にハッチーを守っていたバリアが粉々に砕け散り、彼女の姿は

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