GBサガ２小説執筆者さま募集中コミュのそして、出発

遠くから、無数の人影がこちらに近づいてくる。
自分達４人など、一瞬で飲み込んでしまいそうな「群れ」だ。

ただ、それは「襲われたら」の話。
彼らが自分達を襲うことなんて、あるはずがない。

彼らが声の届く範囲まで近づいてくるのを待ってから、タケルは言った。
「遅いぞ、ほっといて出発しようかと思ったぜ。」

「何言ってんだよ、見送りしてもらえないと寂しくて出発できないくせに。」
すぐに、人影…クラスメイトがつっこみを入れた。
「私を置いて、４人で行く気かい？話が違うじゃないか。」
先生も、タケルにつっこみを入れる。

それにしても、よく晴れた日だ。

夜は危ないから、あまり行動しないというのが、冒険の鉄則。
そのことをよく知っているタケルは、出発するのは朝だと決めていた。
（そして、できれば、夕方までに街などの、安全な場所に到着したいと思っている）

だけど、出発するときの天気は考えていなかった。
「天気なんて、自分ではどうしようもないんだから、考えても仕方ない」
というのが、タケルの持論だ。
確かにその通りなので、先生も、その計画には口出ししなかった。

「自分では、天気をどうこうできない」
…それは、タケルの「無計画さ」というより、「自然への敬意」である。

「出発するとき晴れてても、冒険してる途中に雨が降ったりするって！
　だから、出発するときの天気なんて、どうでもいいだろ！
　どのみち雨具は用意するんだし。　な、細かいことは気にすんなよ！」

冒険の計画中、タケルはこういって、ＨＡＬとメシアを説得した。
２人は、無茶苦茶だと言いながらも、
（いろんな意味でタケルらしいな）…と、その意見に賛成したのだった。

リュックの中身がもっと気楽なものだったなら、
ピクニックに出かけると言っても、違和感がなさそうだ。
「リュックの重さ」と「気分の重さ」は、関係あるのかもな。

ギリギリまで減らしたはずなのに思ったよりも重い荷物を背中に感じ、
タケルはそんなことを思った。
そして、すぐに「だから、これは冒険なんだ」と、改めて自覚する。

…さて、それにしても、
いざ出発というときになると、かえって何を話したらいいかわからない。

小さい頃から冒険は好きだったけど、
いつも父さんに連れられてだったから、
思えば、出発前のあいさつなんて、今まであまり考えたことがない。

「…………………」
「…………………」
「…………………」

それは、タケルだけでなく、
メシア、ＨＡＬ、クラスのみんなも同じらしい。

みんな、何を言えばいいのかわからず、気まずい沈黙が続いた。
ときどき、スズメの鳴き声だけが聞こえてくる。

空はこんなに晴れ渡っているのに、気分はどうしてもそうならない。
別に、冒険が嫌なわけではないんだけれど。
これが、「旅立つ」ということなのか？
どうにも、不思議な気分だ。

「…………………」
「…………………」

そのとき、先生が口を開いた。

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 04月18日 14:17

こんにちは、黒魔術師です。

前回執筆時に「次の話で冒険を開始する」と決めて、
実際にそうするつもりだったのですが、
私の力量不足で、「まだ見送りの途中」です。冒険開始できてません。

もし、他の方の立候補がなければ、次の話も私が書きますが…どうでしょう？
（ちゃんと「見送り」を描き終えてから、バトンを渡す形にしようかと…）

句読点の多さ・改行・頻繁に行間を空けること・漢字と仮名のバランスなどは、
意識的にこうしています（特に、行間を空けることは）

「紙で発表する」ならともかく、「パソコンの画面で発表する」ので、
「目が疲れにくいように」書く必要があります。

（紙とパソコンの画面では、目への負担が全然違います。
　紙に書くなら、ここまで行間を空けたりしなくてよいのですが…）

かえって読みにくいでしょうか？

内面描写ばかりで、風景描写などの状況説明がなくて、すみません。
事典で調べることをせず、頭の中のイメージだけを書いているもので…

あと、ゲーム本編にはそこまで詳しくないため、原作とは、かなり違うかと。
「原作ではこうだ！」という指摘をいただけると、ありがたいです。

イエロ（仲間・モンスター）の名前が本文に出てませんが、ちゃんといますよ。
ただ、「イエロは最初からしゃべるのか？」と思うもので…（笑）

それでは、長文失礼しました。

[2] mixiユーザー 04月18日 23:24

Nです。こんばんは。

「………」
のところが、なんとも気まずい雰囲気が出ていていいですね。
先生がおいしいところを持って行きそう～^-^

行間などの描写については、正直に言って僕は何がベストかはわかりません。
そもそも文体からして人それぞれですから、書き手が好きに書くしかないかな、
と思っています。

結局、書き手が気を遣った上で、誰かの注意を受けないレベルであればいいかな、と。
曖昧ですみません。

---以下リレーのバトンについて

僕はなかなか小説と向き合う時間がとれないので
(納得できる文章が出てこない、とも言う)
申し訳ありませんが今回はパスさせていただきます。

黒魔術師さん、もしくは他の方、よろしくお願いします^-^;

[3] mixiユーザー 04月19日 14:19

こんにちは、黒魔術師です。

ありがとうございます。

「みんなちょっと緊張してる」という感じにしたくて、その緊張を
先生がうまくほぐすというか、なごませる…つもりです。
やっぱり、先生ですから。

＞結局、書き手が気を遣った上で…

なるほど。
今のところ、問題は起きてないみたいですし、これでいいのかな？

個人的に、「キャラの一人称」は、できるだけ「かぶらないようにしたい」です。
メインの４人は、せっかく、キャラ設定の方がうまくやってくださいましたから。

タケル…俺　
メシア…あたし　
ＨＡＬ…ボク　
イエロ…僕

私も、自分の文章に納得してるわけじゃないんですけどね（苦笑）
誰も書かなくなって自然消滅というのは嫌なので、じゃあ自分が書くか…と。

それじゃ、自分が執筆する「心の用意」はしておきますね。

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