僕はこの映画を観てすこし価値観が変わりました。もちろん、ウザい女は腹のガキとまとめてぶっ殺してもいい、という風に変わったわけではありません。罪も罰も善も悪もそんな人間の小さな概念なんて、運という大きな流れの前には米粒ほどの意味も持たないということです。しかし、世の中は諸行無常だから概念なんて考えるのも無駄だ、という意味ではありません。くよくよすんな、Take It Easyという前向きな価値観です。アメリカ人は日本人の「がんばれ」のようなニュアンスで「Good Luck」と言うそうです。がんばる事はもちろん大切ですが、運が悪ければどうしようもありません。でも運さえ良ければクリスのようにグダグダな殺人計画も完全犯罪になりえます。「世の中なにがおこるかわからないんだから考え込む事なんてないさ」そんな裏メッセージを僕はあのダークな映画から勝手に読みとりました。