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西濱哲男コミュの西濱哲男プロローグ

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日記に載せていたプロローグをこちらに移します。

コメント(12)

プロローグ続き

「ニューシネマパラダイス」という映画を見ていると子供の頃はどこもそうだったんだと思わされる。
隣町の映画館とフィルムを共有して、オートバイでピストン輸送をしていたが、これがよく遅れる。
喧嘩は始まるし子供は走り回る。収集つかなくなる事が多かった。
宇津井健主演の「スーパージャイアンツ」を見て(スーパーマンの日本版みたいなやつ)本気で将来を心配したことがあった。
食べるものがなくて芋とか粟、稗ばっかり食ってるもので、皆栄養状態が悪くいつも腹を空かせていた。
炭水化物ばっかりだから洟垂れ小僧が多かったよ。
よれよれの学生服の袖がテカテカ光って(袖で鼻汁をふき取っていた)鼻の下はいつも鼻汁を垂らしているので、冬はアカギレで真っ赤。バカボンのパパみたい!
栄養状態が悪いので脱腸が多かった。
蟹股で歩く姿がおかしくて、よく笑ったものだがこれが自分の身に起こるかもしれないと本気で思った。
宇津井健がマントを翻らせて両手を挙げたシーンがショック。
ピッチリのタイツの股間がナ、ナントでかい。脱腸なのだ。
大人になること=脱腸.......。半年くらい本気で悩んだ。
脱腸の子を見てもからかわなくなった。


プロローグ

プロフィールの中で済ませようとしたのだが長くなるので別にしました。

生まれは愛媛県、その当時は名前を知られていない町だったが、大江健三郎さんがノーベル賞をとってから急に慌しい町になった。
今は鉄道の通過駅になったが昔は支線の終点。それも駅員が在中する駅は3つくらいでその他の駅は手を振って汽車を止めていた。
今東光という作家をご存知だろうか。
「河内風土記」という小説が売れてテレビでも毎週やっていたが、その小説にでてくる人物にそっくりなキャラがごろごろしていたんだ。

まだ僕が2,3歳の頃、隣の爺が狸に憑かれた。(うちの地方は狐より狸に憑かれる)
巫女を呼んで何日も御祓いをしてもらっていた。
その爺は時々、狂ったように(狂ってんだ)裏口を飛び出すと川に沿った土手をぴょんぴょんと跳ねながら数キロ先の山に向かって走っていたんだ。
ある日、表の家(うちは渡り廊下をはさんで表と裏の家があった)であそんでいると台所の戸を蹴破って黒いものと白いものが飛び込んできた。
その黒いものと白いものは、渡り廊下をものすごい勢いで走って裏の家の窓の障子を破って川の土手を走っていったのよ。
狸憑きの爺と巫女が通り道にする家なんて滅多にないよ。

反対側の隣は婆の一人住まいだったが犬を15匹くらい放し飼いにしていた。
子供が前を通ると何匹かで追いかけてきて噛みつく。(僕も2回ほど咬まれた)
近所が苦情を言っても知らん顔。警察沙汰になりそうになったので、犬殺しを呼んで5匹殺した。
イベントのない町だから近所の連中が何十人も見に来た。
そこまでは良しとしても、その夜、犬殺し達と婆が昼間殺した犬肉を肴に酒盛りをやっていたのには驚いたなあ。

罰があたったのだろう。何ヶ月かして婆の飼ってた牝牛の手綱がはずれて畑の中を走り回っている。
イベントのない町だからいっぱいの人だかりが遠巻きにしている。
近所の屈強な男達が何人かかってもつかまらない。
そこにあの鬼婆が出てきて「これはうちの牛だからワシの言うことは聞くんじゃ!のう花子」と言って牛に向かって大の字に手を広げた。
とたん、牛が婆に向かってものすごい勢いで突進、跳ね飛ばした。
それも上に向かって..........。
3メートルくらい上がったろうか。堕ちてきた婆を頭で受けるともう一回上に飛ばした。婆はギャギャギャ!と悲鳴を上げていたが、地面に落ちたところを牛が頭でドスンと突くと声は止んだ。
反応が面白かった。婆が空中に放り投げられる度に「オー!」「オー!」、花火を見にきたんじゃないゾ!コラ!
あばら骨が8本折れたのに生きてたよ。

プロローグ続きの続き

こんな事を言っていいのかどうか。
子供の頃はまだ夜這いの風習が残っていたようで、性のトラブルを何度か目にした。
友達の家に遊びにいって兄弟達に会うことがあったのだが、これが全部顔が似ていない。親父にも似てない。
稀じゃなかったような気がする。

家の裏に流れていた川の土手に使われなくなった隔離病棟があって(そんなに川幅は広くない)生活保護を受けている婆さんとニコヨン(日雇い労働者のことみたい)の夫婦が住んでいた。
これが蚤の夫婦で旦那が女房よりかなり小さい。
女の子供一人いてよく一緒に遊んでいたが、ある日、旦那の怒鳴り声がする。
やっぱりイベントの少ない町なので近所の人たちが集まってくる。
「早く出て来い!中に居るのはわかってんだぞ!」そんな意味の言葉をわめいていた。
15分くらいわめいていたろうか。中から男が出てきた。その後からニコヨンの女房。
出入り口がひとつしかない長屋だから腹をくくったのだろう。
ところがこの男がでかい。旦那との身長差が20センチ以上ある。
今まで言いたい放題の旦那はビックリして逃げ出した。
長屋は土手の中洲状態のところにあって50センチ幅の一本橋が渡してあった。
チビの旦那がこっちに向かって走ってくる。
大男の間男がその後から.......。
20人以上の人間が成り行きを見ようとして目を凝らしている方へ走ってくる。
一本橋の途中でそれに気付いた旦那は匹夫の勇を奮い起こして「この野郎!」振り向いて間男に殴りかかった瞬間!
「ドボン!」「うわーん!」間男は逃げてしまった。
四十男が川の中に座り込んだままワンワン泣いている。
目明しが自転車でノロノロ来た。
一本橋から梯子をおろして「みっともないから早く上がって来い。」「足が折れて動けないよう。うわーん!」
ほんとに膝から出血してるじゃないか!
アレ!足の色が二色に分かれている!白と黒。
20分くらい浅い水の中に座り込んでいたために、ふやけて垢が落ちたのだ。
目明しは制服の裾をまくって川に入った。
ワンワン泣いている旦那を背負って岸にあげた。
それはそうと、この女房の行動が面白い。
その日は小雨が降っていてびしょ濡れになった旦那に、土手の上から傘をさしかけていたよ。


プロローグまたまた続き

友達の友達までしか公開しないようにしたから、もうちょっとディープなところへいってみます。

僕が生まれる前の事、田んぼの中に7,8軒、部落状態のうちの集落で事件がおこった。
一軒の家の娘(僕が小さいときにもうおばさんだった)の腹が膨れてきた。「いったい誰の子かねえ」と噂していたのだが、そのうちに腹が凹んだ。生まれた子はどうしたんだ?と噂しきり。
誰かがおせっかいをやいて警察に通報したものらしい。警察官も刑事もやってきて大捜索となった。
やっぱりイベントのすくない町なので隣町からも見物人が押し寄せたそうだ。
何日かして家の柿の木の下から嬰児の骨が出てきた。

町中の話の種になって騒がれたが、人の噂もなんとやら、話にも出なくなった頃、またその娘の腹が膨れてきた。
事情聴取を受けているうちに、担当刑事とできちゃったんだ。
女の子だったが、さすがにその子は産んだ。
僕より二つ年上で美人だった。
その柿の木の下でもよく遊んだけど、私生児だということは大分後まで知らなかった。


プロローグ第二章にしてしまえ

町に信号がひとつも無くて、車も10本の指を折るまでもない台数しかない頃で、それでもガソリンスタンドは一軒あった。
自転車オートバイがでてきて芝刈り機のエンジンをつけたようなのが走っていた。
音がけたたましいのに荷物運びの自転車より遅い。よく女の人の漕ぐ自転車に追い抜かれていた。

オート三輪が一台散水者に使われていた。これの助手席に載せてもらうのが楽しみで給水塔の下で手伝いをしながらオート三輪が帰ってくるのを近所の餓鬼たちとよく待っていたものだ。
乗りたい子供はいっぱいいるのでなかなか乗るチャンスは無かったが一番の楽しみだった。

給水塔の斜め前がガソリンスタンドで、ドラム缶が何十本も雑然と積み上げられていて(客の車が給油してるのを見たことが無い)ガソリンの匂いがプンプンしていた。
ある時給水塔の前でオート三輪を待っていたら、ガソリンスタンドから火が出たのだ。
あっというまにガソリンスタンドよりも炎が高くなってドラム缶にも燃え移った。
いつも書いてることだが、見物人が百人以上集まったのは言うまでもない。
ドン!という鈍い音がするたびにドラム缶が煙を吐きながら20メートルくらいの高さまで飛び上がる。
ドラム缶が飛び上がる度に「ワー!」「ウォー!」見物人から歓声があがる。花火より迫力があった。

花火で思い出したのだが夏の花火大会に行ったとき、ビニールシートを敷いてみんな空を見上げて花火を楽しんでいたのだが、発射台からでた花火が途中で失速してこっちに向かって飛んできた。
僕らの座っているところから10メートル位前に落ちて爆発した。火の玉がこっちにも向かって飛んでくる。
ビニールシートが燃え上がって大騒ぎ。
服に火がついたひとがわめきながら走り回っている。
髪の毛が燃えている人、川に飛び込む人もいた。
僕は火の玉がかすった程度だったが大事故になった。
だけど次の日の新聞には一行も書いてない。
よくあることだったのだろうか?


プロローグ第二章続き

これを書いたら旅に出ます。今月終わり頃帰ってきます。

町の反対側の駐在所に桑の木巡査と呼ばれている目明しが一年位居たことがある。本名は何だったか.......

町といってもかなり田舎で、村だなあ、ほんとんとこ。
駐在したての頃何を勘違いしたかムチャクチャ威張っていたんだ。
町の警察署からはかなり遠い。その近所では評判が悪かった。
青年団の連中と仲が悪くて、よく職務質問されて微罪で捕まった奴もいた。
僕は子供だったから経緯は解らずじまいだったが、ある夜青年団の何人かが示しあわせてパトロール中の目明しを待ち伏せしたらしい。

次の朝、素っ裸にされた目明しが桑の木に縛り付けられていた。
朝も早かったのでイベントにはならなかったが、目明しをたすけたおっさんがいろんなとこで喋り捲るもんだから、町中でヒソヒソ.......。子供の僕が知っていた位だから町中の人が知っていたんじゃないかな。


プロローグ第二章続きの続き

前に書いた婆あのことで思い出したことがある。
同じ集落に僕よりちょっと年下の兄弟がいて、よく遊んだが喧嘩をすることが多かった。
意固地な兄貴、お追従の弟。ある時兄貴の方と遊んだ帰り。
僕の家のまえで分かれたが、そいつの家は婆の家の前を通らなければいけない。
歯のちびた下駄でどういうわけか包丁でジャガイモの皮を剥きながら悠々と歩いていく。
「危ないよ!犬が出てくるよ!」「大丈夫だよ。犬なんか平気だ!」
ほぼ婆の家を過ぎたとき「ウー!ワンワンワン!」一番たちの悪いのが二匹飛び出てきた。
下駄を履いてノロノロ歩いていたものだから加速が効かない。「キャー!」ガチャガチャガチャ!(これ下駄の音)
「ワンワンワン!バク!」一匹が尻に噛み付いた。
「キャー!助けてー」(ほんとにこう言った)
噛み付いた犬が首を振って噛み切ろうとしている。
「キャー!」ガチャガチャ!ビリビリビリ!
ズボンが破れて尻が見えた。
本人は必死なのだが、その姿がバスターキートンか「わんぱく三人組」の絵面そのまんま。
犬は満足したのか、帰っていったが兄貴はボロボロになって逃げ帰った。
人の不幸を笑うのもなんだが、あまりに可笑しくてしばらく大声で笑っていた。
これをうらみに思ったのだろう。もっと仲が悪くなった。


プロローグ第二章番外

犬に尻を咬まれた奴のことだが、どうも相性とタイミングが悪かった。
台風一過、裏の川が増水して流れが早かった。
ぼくは一本橋のうえから、木の端切れで作った舟を紐で結んで流れの速い川に浮かべて遊んでいた。
そこに犬に咬まれた奴(Yとしておこう)が通りかかって「わしにもやらしてくれや」「後でならええがい」」
あまりに楽しかったし、意地悪な気持ちもあった。
「はようやらしてくれや!」ときたま強く降る雨だったので番傘を差していた。
地団駄を踏むようになったので「ちょっとだけじゃぞ」舟についた紐を渡した。
時折強い風が吹くので「傘なんか差してるとあぶないんよ」と忠告しても「大丈夫じゃけん」と取り合わない。
一本橋の中ほどに座って、番傘を差して悠々と舟を流している。
「はよう代わって!」いつまで経っても返してくれない。
「もうちょっとじゃから」そういって鼻歌まで歌い始めた。
「はようしてくれんかのう!」その時、突風が吹いた!
バッ!と番傘がおちょこになった次の瞬間、
ドボン!仰向けになったままYは川に落ちた。
普段から水量が少なかったし増水したといっても堰の下だったので30センチもなかったと思う。
仰向けのままバタバタもがいている。「助けて!かあちゃん!」
その姿がカブト虫をひっくり返した姿にそっくり。背中に番傘をしょったままなので絵本の中のぶんぶくちゃがまをおもいだした。
Yは体をひねればすぐにも起き上がれるのに、動転しているのか「かあちゃん!かあちゃん!」の連発。
あまりに可笑しくて笑いがとまらない。
ワンワン泣きながらやっとのことで岸に這い上がると「ワーン!ワーン!てっちゃんが川に突き落としたー!」
なんのこっちゃ!Y の親が怒鳴り込んできてめちゃくちゃ言って帰っていった。


かくれんぼをよくやったが、ある時このY兄弟の真実が見えたことがある。
お追従の弟とYと、刑事とできて生まれた私生児の女の子と、間男に殴られて川の中で泣いていた男の娘と、僕と妹でかくれんぼをした。
何度か鬼が代わって日も暮れかかったころ、Yが見つからない。かくれんぼを止めてみんなで探すことに......。
どっからかモアモア声がする。
声のするほうへ近づくと草むらの中でYがもがいている。それに臭い。
肥溜めの上に草が生い茂ってそこにとびこんだのだ。
「ふぁふえれ!ふぁふえれ!」何を言っているのか判らない。
「臭い!臭い!」誰も近づこうとしない。
そこへあのお追従の弟が棒切れを持ってきた。
さすが兄弟!臭いのを我慢して兄貴に棒切れをさしだした。

と思ったら「臭い!臭い!」と言いながら兄貴の頭をツンツン突っついてる。「ふぁふえ!ブクブクブク」
相当兄貴にうらみがあったんだな。
肥溜めの液体をたらふく飲んだY は10日経っても傍に寄ると
モワーッと臭いがした。


プロローグ番外その2 検便の話

Yの検便のことで思い出したことが幾つかある。
携帯用のパイプ印のマッチ箱に朝一番の大便をとって学校へ持って行くのだが、いつも何かしらトラブルがある。
その当時、トイレはどこもボットン便所。
朝皆があつまってくると、男同士でおつりのこないウンコの仕方を真面目に話し合った。(時々背中までおつりが飛ぶことがあった)
「少しずつ切りながらすると届かんけんのう。」一人が自慢げに話す。「そんなことしても尻におつりが付くけん、だめじゃ!新聞紙を先に落としてそれからするとボス!と音がして気持ちええぞー!」「そげなことしたら糞壷がすぐいっぱいになってしまうじゃろがー!」わいわいがやがや.......。
そのうちクラスで一番あほたれと思われていた奴の話でみんな納得した。「新聞紙なんか使わんでもええわい。糞が途中まで伸びてきたら尻をゆっくり振るとええが。あんまり早く尻を振ると真下に落ちるけん。」
フーン!見直した。
次の日、その話に加わっていた者全員試したようだ。(僕も含めて。これが全く具合がいい。おつりがぜんぜんこない))
一人大幅に遅刻してきた奴があのあほたれに何か文句を言っている。「死ぬとこじゃったんじゃけんのー!お前はやっぱりあほたれじゃ!」
よくよく話を聞いてみると尻ではなくて体を前後に振ったようだ。手が離れてしりもちをつく形で糞壷に堕ちた。
窒息寸前で親にたすけてもらったらしいが。(あほたれはお前じゃ)

クラス全員で朝礼、点呼。
ウン!なんか臭い。
先生「なんかくさいのう。窓あけろや。なんじゃこの匂いは。」
「検便みんなやってきたか。順番にだすように。」
ぞろぞろ端っこから提出。
何人か山下清みたいのがいて前にも書いたが鼻の下が年中アカギレで真っ赤な2本筋がある奴。銀行の大箱マッチをだした。
においはこれだ!
先生が箱をあけようとしてもなかなか開かない。
無理矢理あけると摺りきりいっぱいのウンコ。
部屋中ものすごい匂い。
教室をみんな飛び出した。
1時間目は勉強はしなくてよかった。


プロローグ番外3銭湯

殆どの家は風呂が無かったので、銭湯に行った。
僕と妹は母が製糸工場に勤めていたので工場の中の風呂にタダでは入れた。
風呂は子供たちの遊び場で蛙や潜水艦のおもちゃ、水中眼鏡を持って入った。
製糸工場というのは99パーセントが女、だから風呂場も女湯しかない。
あんまり騒ぐのでよく叱られたが、プールくらい広いものだからむちゃくちゃ騒いだ。

尻に石鹸を塗って風呂場の床を滑る競争をした。
ある時3人で一斉に滑ったとき、一人がおばちゃんの足にぶつかった。
おばちゃんはアッというまもなくもんどりうってひっくりかえる。
運の悪いことにカランに頭をぶつけて、泡を吹いて気絶してしまったんだ。
僕らは死んだのかとおもってオロオロした。
15分くらいで息を吹き返したが、めちゃくちゃ怒られて、床滑り競争は禁止になった。

水中眼鏡をしておもちゃの潜水艦で遊んでいたとき、潜水艦がおばちゃんの尻の下にもぐってしまった。
水中眼鏡をした僕はそれを取りに......。
「きゃー!なにするのこの子は!」風呂からとびでた。

僕は工場の風呂にはいれなくなった。

その当時、銭湯は子供5円だった。


プロローグ第二章最終

笑える話が最初に思い出されるもので、そんな話ばかり書いてきた

が本当は学校の行事、祭りの夜、夜釣りの楽しさ、川遊び、蛍

狩り、山菜採り、ビー玉遊び、メンコ(うちの田舎ではパッチ

ンと言った)駒遊び(喧嘩駒で相手の駒を割る、形もかなり違

う)五月の喧嘩凧、トンボ採り、チャンバラごっこ、山遊び、

かわうその米磨ぎ、御神楽、紙芝居と、もっと自分にとっては

楽しかった事ばかり書きたかった。

ところが書こうとすると膨大な量になってしまう。

それに個人の感傷だけでは文章にする意味がない。

プロ意識が顔を出してくる。時間や金を使ってもらう事はそれ以上の代価が必要とされるから。

読み物にするには集中力が足りない。作家になるつもりはないし。

歌を作る時の資料と考えた。それにコメントがあれば何かのヒントになるからだ。

次から章を変えて東京に移ります。


プロローグ第三章

親父の仕事の都合上、一家で上京することになった。
その頃は建築ブームで、左官屋だった親父の羽振りも良かったと思う。
上京のついでに観光などをしながら東京へ出たのだが、どの列車も連絡船も満員状態。
鉄道と連絡船の乗り換えのときなど、何百という老若男女が走る、走る。席を確保するためにマラソンのスタートの時のように......。
靴が脱げて立ち止まった婆ぁに何人かが折り重なって失神しているのを横に見ながらものすごい勢いで走った。
まるで現在の中国のようだった。
車内の公共マナーもどこへやら。トイレに行くのもままならない。
列車が留まる度に駅弁売りに殺到。斜め後ろのおっさんは大阪で駅弁を買いに行ったまま帰ってこなかった。
夏場だったので窓を開けて弁当を食べているとご飯がごま塩を振りかけたようになる。
SLの排気が車内に蔓延していた。みんなすすけた顔。
何度も駅弁を食べているとゴミが山の様になった。
ゴミを座席の下に無理矢理突っ込もうとしていたら「窓から捨ててしまえ!」と親父が言うので駅弁の残りを窓から放り投げた。
「誰だ!こんなものを窓から捨てたやつは!」怒声がした方をおそるおそる見れば、顔中にご飯粒をつけたすだれ禿げのおっさんが真っ赤になって仁王立ち。
悪いことしたなぁ.......。



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