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歌詞から妄想コミュのスティービー・ワンダー/STAY GOLD

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輝きはそのままに



僕は川崎の県立高校に通っていた。
校則も制服もない自由な高校だった。
学校が終わるとすぐ近くに停めてあるバイクに乗ってそのまま走りにいった。
私服だからそのまま走りに行っても不自然じゃないのでとても楽だった。

毎日100km近く、あてもなく走った。
僕らのグループは走り屋やテレビで見るレーサーに憧れるだけのへなちょこライダー。
川崎の埠頭に行って走り屋の真似事をよくしたもんだ。

東扇島に続く海底トンネルはいつも全開だった。
僕の乗るバリオスは250ccのネイキットだけど、ZXRのエンジンだからレッドゾーンの1万9千回転までまわる。
毎回、恐怖心を抑えながら180km出していた。
技術も何も無く、無謀なチャレンジだった。

そのトンネルを180kmで走っていると、仲間のVFR・NSR・CBRが抜いて行く。
0−200mをやると最初の50mくらいはクラッチミートの技術でリードできたけど、その後の加速勝負で次々に抜かれていった。

L字コーナーや定常円旋回で膝スリなんてしてたな。
気分は同じ歳のレーサー“ノリック”
同じ歳の彼が出来るんだから俺もやれば彼みたいになれるんじゃないかって自惚れてた。
未来の不安や悩みらしいものはなくて、世界は可能性に満ち溢れていた。
バイクが楽しくて楽しくて、バイクが全てだった。

遠い日のあの時、光り輝いていた。
すべてが永遠だと思っていた。
輝くまま。


思い出は、はっきりと鮮やかに見える。
匂いも、音も、感触も今そこにいるかのように思い出せる。


でも、空が移り変わるように、時の中に留めておけるものは無い。
あの日々はもう遠くに行ってしまった。
一筋の黄金の光を放って。


人生は瞬きする間に過ぎて行く。
可能性に満ち溢れていた世界は、悲しみや苦しみや痛みで一杯だって事を知った。

あの頃は考えもしなかったけど、皆、歳をとっていく。
若くして死んでしまうこともある。

でも悲観したもんじゃない。
きっと後から考えたら、今だって輝いてるんだ。
「あの頃も良かった」って未来の自分に言わせ続けるように、
「今」を生き続ける。

輝きはそのままに


http://coo.jpn.org/A4-7-Gold.html








この曲はドラマ「若者のすべて」にも流れていた。
そのドラマの舞台は、僕も彼も住む「川崎」

この文章は川崎で亡くなった”ノリック”に捧ぐ

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