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moving (movies and musicals)コミュのたかが 世界の終わり【1】

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映画JUSTE LA FIN DU MONDE(1)
いす グザヴィエ・ドラン

ギャスパー・ウリエル/ ルイ
レア・セドゥ/ シュザンヌ
マリオン・コティヤール /カトリーヌ
ヴァンサン・カッセル/ アントワーヌ
ナタリー・バイ/ マルティーヌ
Antoine Desrochers ... ピエール
William Boyce Blanchette ... ルイ (15 歳頃)
Sasha Samar Sasha Samar ... タクシー運転手
Emile Rondeau ... ルイ (5-6 歳頃)
Théodore Pellerin ... アントワーヌ (16-22歳頃)

メモグザヴィエ・ドラン監督が、38歳の若さでこの世を去ったフランスの劇作家ジャン=リュック・ラガルスの戯曲を豪華キャストで映画化した家族ドラマ。自らの死を告げるために帰郷した34歳の主人公と、それを迎える家族の葛藤と、不器用ゆえの切ない心のすれ違いを緊張感あふれる筆致で描いていく。(by allcinema)

危険・警告ねたばれ

ドラン作品の配給はUPLINKが今まで行っていたけど今回はGAGAが配給なので、
予告編で重大なネタばらしを見てしまったかもしれないと戦々恐々。

でも、今回はセーフ。
邦題も英題の上手い訳だし、作品を(商品ではなく)作品として扱ってくれたようで嬉しい。

さて。

もう、どうしようもなく【グザヴィエ・ドラン作品】だった。
あと何回観ることができるだろう?
その度に違う面が見えてくるんだろうな。

とりあえず、エンドクレジットにグザヴィエ・ドランの名前は5回登場。
サンクスリストにMamaの文字発見。
あと、この作品の映画化を薦めたというアンヌ・ドルヴァルの名前も。

この作品を捧げられていたのは誰かな?
検索してもヒットしないので、未だ不明のまま。

さて。

実家を出てから、再び訪れるまでの12年の空白。
久々に戻ってきて実感する、母親の愛情の重さ・・・。

言葉は気持ちを伝える手段のひとつだけど、
声は相手の言葉を遮る手段になる。

ルイが言葉を紡げないように、あるいは、
沈黙を恐れるように発せられる声は、
意味を持つ言葉ではなく、言葉を遮る音の壁。

その壁に遮られて、
いつまでも言葉を発することの出来なかったルイ。

だけど。

多分、本当は、みんな、少なくともシュザンヌ(妹)以外は、あるいは、
少なくとも、アトワーヌ(兄)とカトリーヌ(兄嫁)は
ルイが伝えたいことを分かっていた。

・・・んじゃないかな。

食事中に、母親がセレブのゴシップ情報をねだる台詞があるけど、
身内に疎遠な有名人がいたら、その者(=ルイ)の動向を掴む為に、
ゴスップ欄に目を通す者がいてもおかしくない。
そこに、ルイの病気のことが載っていてもおかしくない。

12年前の地元の恋人(ピエール)は、最近ガンで亡くなっていたから、
その情報を聞いて、家族がルイのことを思い出さないはずはない。

今回、台詞の言葉自体は、それほど重要じゃないよね。
それより。口調だったり、反応だったりと、表情そのものが、
作品が語っていることだと思う。

そして、極端なクローズアップ。
距離が近すぎて見えない、あるいは、全体が把握出来ないのは、
ドランのお気に入りの撮り方。
(例えば、「胸騒ぎの恋人」でもラブシーンとか)

そして、今回も登場人物の後ろ姿(特にルイ)が何回も出てくる。
後ろ姿の映像も、ドラン作品によく出てくるパターン。
今回は遠景としての後ろ姿ではなく、後ろ姿さえクローズアップ映像。

音楽の構成、使い方は、「トム・アット・ザ・ファーム」を彷彿とさせる。
オープニングとエンディングにそれぞれ曲がついている構成も同じ。

シュザンヌ(妹)は最初、家にいるのにフルメイクで街着でいたのが、
途中でアレルギーだからってメイクを落として普段着に着替える。

距離感の取り方に試行錯誤しつつ、ルイに挑んでいる感じが
(普通、疎遠な兄が部屋にいるのに着替え始めないよな^^;)
なんだか、微笑ましい。
一生懸命距離感を縮めてるけど、見事に失敗してるって感じで。

兄と弟は近過ぎる存在なのか、
それとも、単に水と油なのか。

ラストの諍いの場面、兄は弟の理解者だから、ルイが告白出来ないように
母親や妹が哀しまないように、彼を追い出そうとしたのだと思うけど、あるいは、
ルイまでが「言葉の壁」を作ってしまったことに、絶望したのかもしれない。

分かってしまったことを分かりたくない、家族。

ラストシーンは、部屋の中を飛び回って壁に激突して床に落下して仰向けに、
でも、まだ息はしてる小さな鳥。そして、その場を去るルイ。

鳩時計が刻む時の音。
この作品の鍵になるアイテムは【時計】だな。

***

ルイ役のギャスパーの瞳が穏やかで優しくて美しくて、
ただただ彼の瞳をずっと見つめていたい作品、でした。

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