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(私設)黄昏詞華館メンバーの会コミュの詞華館アーカイブス

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お昼ねねんねさまから日記に載せた古い作品に頂いたコメントに、読んだことのない私には新作と同じ という言葉を拝見して、なるほどそのとおりだな と思いました。

私が詩を書き、投稿や発表をしていたのは、黄昏詞華館にまつわる、限られた場所で、限られた期間だけのものがほとんどなので、ことmixiにおいては未発表と同じなんですよね。

黄昏詞華館という、稀有な、確かにその場所が必要だった人たちにとってはある意味聖地のようでもあった場所のことを語るのには、リアルタイムで在ったものも加えていいかな という気がしました。

ので、投稿というのからは少し趣旨が外れてしまうかも という部分で、アーカイブスとして、当時の実際の投稿作を別枠で設けさせて頂きました。


詞華館を語るのに欠かせないと思える作者についての思いや、当時の掲載作で、ご本人に連絡が取れるなりの諸事情が許すもので紹介したいというものがあれば、こちらにお願いできればと思います。

ごりちゃんさん、不備があればよしなにお願いしますね

コメント(17)

アマリリス
            
              紫 菫
  
  お兄ちゃん 僕にオルガン弾いて?
  
  学校で歌なろてきてん
  
  どっかよその国の歌やねんけど
  
  なんかものすご可愛いらして
  
  僕 ごっつう好きになってん



よく通るボーイソプラノで

弟が歌ってみせたのは愛らしいけれど どこか儚げな

短い調べ アマリリス


姉のお下がりのオルガンで

弟の気がすむまで何回も

同じ旋律を繰り返した

  
  
  お兄ちゃんとずっと 一緒に居りたいねん



小児病棟のベンチに座って

細くなった脚を揺らしながら

すがるような目で僕を見た

小さな肩を胸に抱きとって

声をたてずに泣く弟の

柔らかな髪をただ梳いていた



何度もめぐった季節の中で

オルガンはどこかよそにやられ

空で覚えていた曲も

みんな忘れてしまったけれど

時折指を机にたてて

無意識のうちに弾いている

弟によく似た 愛らしく

儚い調べ アマリリス




大阪弁のものを集中して書いていた頃のものです。
私家冊子で発表しました。
黄昏詞華館に寄せられた多くの作品に、際立った特徴としてあったのが、物語性のある散文であること なのではないでしょうか。

詩本来の規則性に(韻を踏むとか)とらわれない、小説の一場面を切り取ったような、風景の見える作品たちは、詩を、敷居の高いとっつきにくいものではなく、わかりやすく感情を揺さぶってくれるものとしてくれていたように思います。

その先駆者として、本編に度々作品が掲載された沖下一美さんの存在が、詞華館の歴史の中期以降の投稿者に与えた影響は相当に大きかったと思います。私も大好きでした。

詩集を上梓されて以降、あまりお名前をお見かけしなくなりましたが、今はどうしていらっしゃるのでしょうね・・・
菫さま

アマリリス。読んでいて泣いてしまいました。なんて愛がこもっているんでしょう。うつくしくも儚くもやさしい。詩よ。ことたまの力。愛。パワーですよね。

沖下さんの作品も新作を読めないけれど、たましいのこめられた作品はいついかなる時でも胸にしみいります
柔らかなオルガンの音で弾かれたアマリリスの曲に乗せて、
男の子の歌声が…切なく耳に届いたような気がしました。
多分、ノンフィクションではないと思われるのに、
まるで弟である男の子を本当に追悼したかのような
そんな作品に、心を強くうたれました。。


大切な人を亡くす悲しみは、幸いここ数年経験しておりませんが、
それでも人の命が消えることに関しては、
詩であっても心切なくなるものですね。
(その人のことが大切であれば大切なほどね)

周りの人達を大切にしようと思うような、気持ちになりました。


素敵な作品を拝見させていただいて、
ありがとうございました(^-^)。


LAST SCENE
      
          紫 菫

「ありがとう」

そんなありきたりなひと言で
二人の未来が閉じられてしまうなんて
出逢った頃には考えもしなかった

店一番の人気者のお前と
スターに人目惚れした さえない男
そんな二人の組み合わせなんて
いったい誰が想像したろう

だけど不思議に俺たちは
導かれるように恋に落ちていた

  なんであんただったんだろうって・・・
  運命なんて信じちゃいないけどサ
  それでも 目いっぱい障害振り切って
  一緒に暮らし始めた理由を時々
  ふっ、とさ 考えちまうんだ

睦言のようにつぶやくお前に
腕枕して重ねた夜が
今はもう すべて思い出の中

  
  若いので進行が速いのです
  投薬治療も効果が望めません
  長くて半年、しかしおそらくは
  三月くらいが限界でしょう

医者が告げた命の期限は
寸分の狂いもなくお前に訪れた

   
  あんたの広いその胸の中に
  すっぽり包まれてるのって好きだったよ
  なんだかすごく暖かくてさ
   
  俺って両親と早く死に別れたから
  そういう記憶ってほとんどないけど
  どこで誰に抱かれた時より
  一番安心してられたんだ
  
  だからさ、あんたがいやだって
  思わない限りはいつだって
  ずっと抱きしめてて欲しかったんだ

痛みで薄れがちな意識の中で
思い出話を切れぎれにしながら
ありったけの力で俺の手を握るお前
  
  こんなに痩せて、おまけにチューブだらけじゃ
  もう俺のことなんて抱く気もしないよな?

疲れた身体をベッドに預けて
うたた寝をする俺の横顔に
向けられた悲しすぎる独り言

「そんなんじゃない」

言葉にするとお前の心を
ひどく傷つけてしまいそうな気がして
抱きしめるかわりに思いをこめて
握り締めた指に接吻をした


  あんたに逢えて本当に良かった・・・
  
  忘れないでってほんとは言いたいけど
  そんなこと言うと律儀なあんたを
  一生縛りつけちまいそうだからやめとくよ

そういったのが最後の笑顔


「俺を見つけてくれてありがとう・・・」


意識が戻ったのは一瞬だった

その一言だけを伝えるために
すべての力を振り絞るようにして


  どんな人間にもこの世で一番
  愛せる人に巡り逢う権利はあるよね
  
  神様は俺に、同性愛者っていう
  結構大きな烙印を押して
  この世に送り出してくれたけど
   
  それはきっとあんたに出逢うための
  目印の一つにしか過ぎなかったんだよ

お前の言葉は俺にどれほど
大きな勇気を与えてくれただろう

本当に「ありがとう」を言わなくちゃいけないのは
お前じゃなくてきっと俺のほうだったよ


お前の命につながれていた
チューブがひとつづつはずされてゆく

   こんなうっとうしいもん早くはずしたいよ  
   でないといつまでたったって
   あんたに抱かれることができやしない

そう言って子供みたいに口を尖らせた
お前の顔がフラッシュバックする


医者も看護婦もいなくなった病室
お前はいつもどおりここに居るけれど
二人はもう同じ時を刻めない

強く抱きしめると折れそうなくらい
細くなってしまったお前を
壊さないよう、けれどありったけの
思いをこめてそっと抱きしめる

閉じられた瞼は開くこともないまま
まだ暖かいその腕も決して
俺を抱きしめ返してはくれないけれど
きっと明日から見る夢の中で
お前は飛び切りの笑顔を見せて
俺を抱きしめてくれるんだよな?


 1994年3月に書いた作品に少し修正をくわえました。


今日、若くして乳がんで亡くなられた女性の、ドキュメンタリーの完全版が放送されてたのを見ていて、昔書いたものを思い出しました。当時、親しい人の訃報が重なって、なんともやるせない気持ちだったのですが、中でも切なかったのは、同じ団地のひとつ上の階に昔住んでいて後に引越して行った、私と歳の近い兄弟のいらした家族の、弟くんのほうが、28歳の若さで進行性の癌で亡くなった知らせを聞いた時でした。発覚して半年生きられなかったのだそうです。

生きていられることが奇跡

今日の番組の中で、亡くなった女性も言っておられた言葉です。何となくただ過ごす時間を、勿体無いと思い始めたのはいつの頃からだったかな・・・

まあ、現実はといえば、実に無駄無駄に時間を消費しているのですが(^^ゞ  
なんとなくまた 読み返したくなって開いたら、
感想を書き込んだつもりで… 
していなかったことに気づきました。

何度読んでも、鳥肌が立ち
胸が切なくなって…  涙がこぼれてしまいます。

大切な人への気持ちは、
どんなに姿かたちが変わっても
相手が大切であるということに 
なんの変わりもなく、
抱きしめられない状態であってもせめて
ありったけの気持ちを 伝えたいと思う。
離れてしまっても それは
変わりのないことで…。

せつないなぁ。。。。
お昼寝ねんねさま

感想をありがとうございます。書き込みがあるなあと思ってやって来て、ねんねさまのコメントを拝読し、なにかしらの形で伝わるものがあった事に安堵し、何気なく自作を読み返しました。

字ィ間違うとるやんけ!

ああ、大失敗(T_T)
人目惚れはないよねぇ。
油断してました(^_^;)

コメントは編集できないので、済みが頭のなかで、人目をひと目に訂正しておいて下さいませ。何度も確認したのに、これですわ(T_T)

菫 様。

あら、そうでした? わたしの目には「ひと目惚れ」に見えていました(^−^)。
出版物でも、何人もの目を通って確認されているはずなのに、
違ってることってあるでしょう?
「気にしない 気にしない♪」です。
ぱっと見て気づく判りやすい間違いだから(失礼;)、
作品に影響があるわけでなしねb。

きっと、、
あまり人目に触れられなくなってしまった菫様の作品が、
ちょっと拗ねて おヘソが捻くれてしまっていた
だけなんですよ。
でも、そうなってしまっては大変ですよね!?
というわけで・・
片っ端から、この場所への保管をオススメします(^−^)。

だから…
ごりちゃん様も、
お盆休みなどで、もしご帰郷されましたら・・
この場所への保管をぜひ オススメしたいと思います。
楽しみにお待ちしております(^−^)♪


契り


何があっても来年の今日には

必ず戻ってくるからと

庭先に植わった雛菊を一輪

僕の手の中に握りこませた


  菊花の契りというのがあってな
  
  男同士の違わぬ約束は

この花が証しと云うわけだ

  なあに心配はいらんさ

  近頃医学は進歩している

  それに見てみろ 俺のこのガタイだ

  病気なんてすぐに逃げ出しちまうさ



そう言って笑った貴方の顔が

初秋の風の中佇む僕の

目蓋の裏で揺れている


戻ってこなくても良かったんだ

二年・三年・五年 経っても

生きててくれればそれで良かった

なのに貴方は約束の日より

十日も早く戻って来た

違えぬ約束の証の菊花を

褥(しとね)に 白い棺に横たわって


へんなところで気が小さいんだ

立派な体格に似合わずにね

たった一年会えないぐらいで

僕に愛想つかされるとでも思った?

たとえ十年会えないままでも

僕は貴方を責めたりしなかったよ



安らかだけれど眉間に少し

「すまん」と言いたげな影を作った

貴方の顔は別れた朝より

ひとまわり小さくなったみたいだった



貴方のいない家の庭先で

去年と同じ白い雛菊が

秋の風の中揺れている


そっと手折った一輪を

手の中に握りこんだまま

まだ揺れる心を風にまかせて

果たせなかった契りの日の今日

僕はこの家をあとにする




菫 様

外は台風で、暴風雨の最中に  この詩を読みました。

手折った一輪の雛菊は枯れてしまっても
時は流れて場所は変わっても、
雛菊を見ると…
きっと彼は思い出すんでしょうね。
そしてこんな台風の日には どうしようもなく切ない気持ちになるんでしょうね。
そんなことを想いながら、読みました。

この世がダメならあの世でも、
果たせなかった約束が実現されることを祈ります。
二人がいつかは幸せに  なれるといいなぁ。。。


久々に作品を読ませていただけて、すごく嬉しいです。
首を長くして、お待ちしておりました。
やっぱり、いい詩を作られますね…。
胸に染みます。。。

(ちなみに、このトピ内にあるということは過去の作品でしょうか?
違っていたら本当に申し訳ないのですが、なんとなく…
詞華館上で読ませていただいた記憶があるような。気のせいだったらごめんなさい;)
菫さまの作品を読んでいて泣きっぱなしでした。
ねんねさま詞華館内の作品だと思いますよわーい(嬉しい顔)
     夜会服

         日生茄月

 鹿鳴館で逢ったのはいつ
 僕だけがひっそりと
 テラスの陰から見つめて

 熱い口づけを交わす
 胸にはひっそりと白い蘭を
 美しい娘のように 狂うほどステップを踏んで
 僕は視線をなげかけて
 何故燕尾服なのだろうと 胸をおさえる
 白い手袋は舞散る花びらのよう

 葡萄酒色に周囲(あたり)を染めて
 彼の人は夜に
 僕は朝に
 ぎやまんを落として花と散る
     醤油せんべい

              日生茄月

 僕が眠いのは
 手が 醤油せんべいくさかったせいだ

 醤油せんべいのにおいは
 工事現場で戯れる
 男たちのにおい

 この部屋いっぱい枕にすれば
 いい夢がみられるかしらん



           
 
ごりちゃん様。

以前にもこちらへ書いたかもしれませんが、わたしは若気の至りで本誌を手放してしまった為に、詞華館にあった作品を今は振り返ることが出来ません。
ですが、上記の2作もなんとなく読んだ覚えがあるような気がいたします。
新たに出会った作品として読ませていただいても、JUNEの世界観がいい感じで滲み出ていて素敵だなぁと思いました。
今の流行りのBLではなく、もっと深くてある種生々しく、濃い世界。
そんな世界に浸ってみると胸がキュンと切なくなるのだけれど反面、何故かホッとしていた。そんな気持ちを思い出しました。
作品をアップして下さり、ありがとうございました。
ねんねさま

コメントありがとうございますハート

佐川編集長様も、今は大学の先生であられます。
JUNEは今の時代
商業ベースにのせることは
なかなか条件が伴わず…
なんとか整ってくる日がくるといいのですけれど…
なかなか障害が多いですね。
薔薇族も消えましたからねあせあせ
でもJUNEは浪漫があった。
そのことにはすごく安心感がありました。
ごりちゃん

詞華館に咲く花は、いわゆる隠花植物ですもんね。

湿気を帯びた濃密な空気と、鼻腔への刺激と・・・


そういえば実家の押入れにまだJUNE眠ってたかなあ?
菫さま

まず、発掘をおねがいしますm(__)m。
探してメッセージしたらもうちょいコミュニティ大きくなりそうですものねわーい(嬉しい顔)

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