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梶井基次郎と青春コミュの大阪・檸檬忌に参加

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 今日(24日)は、大阪の菩提寺常国寺での檸檬忌。墓には3、4個のレモンが置かれていた。1932年、結核で31歳で亡くなって80年。30数名が集って、研究発表ほかで偲んだ。今回で3年連続の参加も、オダサク倶楽部にも協力いただいている三島先生が世話人であられるから。オダサク倶楽部から7名が参加していた。

 視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感に秀でた作家であることは、『檸檬』ほか感覚的に冴え渡ったものの見方と表現で明らかである。
 
 発表者の、つる井通眞先生は、梶井の表現描写の特徴として、
1.特異な自意識
2.対象への没入、対象と一体化
3.モノ主語文による心理描写
4.理科的発想
5.精緻な観察 「冬陽は郵便箱のなかへまで射しこむ」(『冬の日』)
6.大阪弁的アスペクト(時制)の使用
7.感覚的表現の多用
を例文を挙げながら説明されていたが、いちいちもっとであった。

 織田作のとってはひと回り上の三高の先輩であるが、このような精緻な感覚は織田作には乏しい。織田作も「大阪文学」誌の巻末で、梶井先輩を賞賛している。

 織田作の一番弟子を名乗った磯田敏夫は梶井について、失礼極まりなくギャグ的に評しているのを見かけたので付記しておく。

 《織田作之助の顔では、太宰治の小説は書けなかっただろうし、逆にいうなら、太宰治の顔では、織田作之助の小説は書けなかったと思う。その点、実物を知らないので、例にひいてはわるいが、梶井基次郎には、少し失望したものだ。あの時代の写真器やフィルムに問題があったと思うが……。寅さんみたいな顔のヤツが、どんな傑作を書こうと、ぼくはよんでやらないことにしている。》(「文学雑誌」昭和52年4月号掲載「一番弟子」より)

 また、町田康の『くっすん大黒』における、悩みながら置物の大黒像を捨てようとする描写が、『檸檬』における丸善でのレモンの置き方のあれこれの思考と類似しているとの、三浦雅士の解説が興味深い。

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