ＳＯＮＧＳコミュの第223回　ビーチボーイズ

更新　校正　 後ほどです。

　　語り：守本アナウンサー＞1960年代、新しい音楽が次々と誕生し世界中の人々を
　　熱狂させました。
　　その代表がイギリスのビートルズ。一方アメリカを代表するバンドとして絶大な人
　　気を誇っていたのがビーチボーイズでした。
　　サーフィンや車など当時アメリカ西海岸で流行したが若者文化を歌のテーマに取り
　　入れ一世を風靡。日本でも大人気となりました。
　　さらに従来のポピュラーソングの枠を超えた音楽作りに果敢に挑戦します。
　　ビーチボーイズは時代とともにアメリカ音楽の象徴として愛されてきました。
　　デビュー50周年を迎え、再び集結したビーチボーイズ。
　　「SONGS」では地元カリフォルニアでのライブを取材しました。これまでの貴重な
　　映像と最新インタビューでビーチボーイズの魅力に迫ります。

　　ビーチボーイズが誕生したアメリカ、カリフォルニア州郊外のホーソン。
　　ビーチボーイズはブライアン デニス カールのウィルソン３兄弟と、いとこの
　　マイク・ラブ。ブライアンの同級生アルジャーディンの5人で結成しました。

　　 1961年「サーフィン」でデビュー。メンバーの中で唯一サーフィンができるデニス
　　の発想でリーダー、ブライアンが中心となって作った曲です。

　　ビーチボーイズは、サーフィンやドライブなどカリフォルニアの当時の流行を歌って
　　若者の心をつかみ、瞬く間にスターになりました。
　　初めて全米音楽チャート３位の大ヒットとなった代表曲「サーフィンUSA」
　　そして当時は若者の間で流行した日本のミニバイクを歌にした「リトルホンダ」です。

サーフィン U.S.A
リトル・ホンダ

　　デビュー当時からビーチボーイズが本格的に強い影響を受けてお手本にしたのが
　　フォーフレッシュメン。ビーチボーイズの美しいハーモニーの原点です。

　　ハーモニーが美しいバラード曲「サーファー・ガール」はブライアンが初めて作曲
　　した作品です。

サーファー・ガール

　　デビューして3年で10枚ものアルバムを立て続けにリリース。アメリカを代表する
　　バンドになったビーチボーイズは、1964年「アイ・ゲット・アラウンド」で初めて
　　全米音楽チャート第１位を獲得します。最新のライブパフォーマンスです。

アイ・ゲット・アラウンド

　　ビーチボーイズの音楽はアメリカのみならず世界中の若者に支持されます。多忙なレ
　　コーディング活動の傍ら海外へのツアーも頻繁に行うようになってきました。
　　しかし、ブライアンは過密スケジュールのもと、コンサートを続けるプレッシャーに
　　耐えきれずツアーの途中で自宅に戻ります。その後ブライアンはスタジオに残り作曲
　　プロデュースに専念します。

　　当時ビートルズが旋風を巻き起こしていました。ブライアンはビートルズに対し強い
　　ライバル心を抱くようになりました。ブライアンに大きな衝撃を与えたのが1965年に
　　発表されたビートルズのアルバム「LOVER SOUL」です。
　　全ての曲の完成度が高く斬新なサウンドに彼は驚きました。

　　そんなブライアンが満を時してして世に送り出したアルバム「ペット・サウンズ」で
　　す。ビーチボーイズの最高傑作と言われ音楽界に多大な影響を与えた１枚です。
　　サウンド、コーラス、効果音に至るまでこれまでのティーンエイジャー向けのポップス
　　から完全に脱却した複雑で色鮮やかな表現。プロデューサーとしてのブライアンの才能
　　が爆発した作品になりました。

　　「ペットサウンズ」のオープニングを飾るのが「Wouldn’t it be nice」
　　印象的なメロディー洗練されたアレンジが特徴の曲をお聞き下さい。

素敵じゃないか（Wouldn’t it be nice）

　　ブライアンが自信をもって送り出したアルバム「ペット・サウンズ」でしたが、その
　　サウンドは当時あまりに斬新でファンを戸惑わせることになりました。
　　一方この作品は多くのアーティストに衝撃を与えました。ビートルズも影響受け名作
　　「sgt.peppers lonely hearts club band」作り上げたと言われています。

　　さらにブライアンはシングル版でもチャレンジしました。
　　「グッド・ヴァイブレーション」緻密なハーモニー大胆な展開、若者向けのポップス
　　グループから大人のバンドに成長したビーチボーイズは、ビートルズのお膝元イギリス
　　のチャートでも第１位を獲得。

グッド・ヴァイブレーション

　　シングルヒットを飛ばしたもののブライアンの重圧は増すばかりでした。
　　次のアルバムは必ずヒットさせなければというプレッシャーを抱えます。彼がスタジ
　　オで格闘し制作したのが「スマイル」。しかし目指す方向が周囲から理解されず完成
　　間際で制作中止。当時幻のアルバムと呼ばれました。

　　「スマイル」が未完成に終わったことでブライアンの心には大きな傷が残りました。
　　ブライアンは麻薬に逃避し引きこもり孤独になっていきます。
　　しかし、ブライアンにとって一番大切なものが音楽であることに変わりはありません
　　でした。
　　当時のブライアンの心の闇が象徴されている曲があります。死ぬことが頭から離れず
　　夜の海岸へ向かった時に出来た曲。彼の苦悩が表現されています。

ティル・アイ・ダイ

　　ブライアンにかわりバンドのリーダー役を果たしたのがウィルソン家の三男のカール
　　でした。カールは兄の作ってきた音楽を信じ、ライブでブライアンの歌を大切に歌い
　　続けました。

神のみぞ知る

　　より多くのファンにビーチボーイズのサウンド届けようと音楽活動も精力
　　的に続けていた彼らに悲劇が襲いかかります。
　　ブライアンの音楽の最大の理解者ドラマーでウィルソン家次男のデニス。何より海を
　　愛していた男デニスが地元ロサンゼルスの海でボートから転落。1983年 39歳という
　　若さでこの世を去りました。
　　そんな悲しみを乗り越えて活動を続けてきたビーチボーイズに久しぶりのヒットが生
　　まれます。
　　1988年映画「カクテル」の主題歌となった「ココモ」が大ヒット。 20年ぶりに全米
　　音楽チャート第一位に返り咲きます。

ココモ

　　しかし、1998年ビーチボーイズもう一つの悲劇が襲います。
　　デニス亡き後バンドを支えてきたカールが肺ガンでなくなります。 51歳でした。
　　ウィルソン兄弟で残ったのはブライアンだけとなってしまいました。
　　オリジナルメンバーの復活こそ叶わなくなったビーチボーイズですが、そのサウンド
　　は多くのファンの心に生き続けています。

　　デビューして50年。今年ビーチボーイズの全米ツアーがスタートしました。
　　ブライアンも26年ぶりにメンバーと共にステージに立ちました。
　　この日地元でのライブは1万7,000人ものファン迎えられました。
　　カリフォルニアの人たちが愛してるビーチボーイズの代表曲です。

カリフォルニア・ガールズ

　　今年ビーチボーイズはファン待望のオリジナルアルバムを発表しました。
　　かつて少年だった頃仲間と過ごした大切な時間。初めて音楽を聴いたときの喜び。
　　音楽で家族や仲間とつながる気持ち。 50年という時を経てビーチボーイズが出発点に
　　戻りました。

ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ〜