ニューヨーク連邦銀行が報告しているレポ市場の主要参加者のリストを見ると、債券の出し手、資金の出し手とも欧米系の民間金融機関がほとんどだが、後者の中に例外的に日本の財務省が含
まれている(Copeland et al. 2010)。このことと上記の「外貨準備等の状況」から判断すると、財務省はドルのレポ市場に売り手と買い手の両側から積極的に参加していると思われる。
この種の取引においてはclearing houseと呼ばれる中継銀行に債券の販売代金や担保金の運用が任され、資金の所有者が運用状況を十分に把握していないことも少なくない(McCauley and Rigaudy 2011)。
外為特会の外貨の「戦略的活用」の他の例として、国際協力銀行(Japan Bank for International Cooperation
、JBIC)を通じた民間企業への貸し付けが挙げられる。
本稿の執筆時点では邦銀等の日系金融機関だけでなく、在日外国銀行や海外投資家も積極的に
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Bill
の入札に応じているが、今後もこの
ような状態が継続する保証はない。現時点で在日外
銀や海外投資家の間で
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Bill
の人気が高いのは、欧
米金融市場の混乱に加え、日本国債の格下げが相次
ぐ中、リスクの大きい長期国債から短期債へのポー
トフォ
リオ・シフトが行われているためである。