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風の王国(五木寛之)コミュの対談 五木・沖浦

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大阪市人権協会からひっぱってきました。

「人権文化講演会 辺界の輝き−日本文化の深層をゆく」

2006年3月18日、大阪市立浪速人権文化センター(浪速区)にて、沖浦和光さん(桃山学院大学名誉教授)と五木寛之さん(作家)の対談イベント、「人権文化講演会 辺界の輝き−日本文化の深層をゆく」が開催された。

インドと日本
五木さんは、帰国したばかりのインドでの体験から、日本との深い関係を探った。
 インドにはヒンズー教に基づくカースト制度がある。現在、法律では禁止されているが、未だにインドの人々の心に深く息づいていると言われる。「不可触民」と呼ばれるカースト制度の最下層の人たちは、改宗して仏教徒になれば差別は受けないし、違うカーストの人と結婚もできる。しかし、不可触民のままであれば、法のバックアップ(例えば、大学や企業に設けられている雇用率の枠などの積極的差別是正措置)を受けることができる。だから、「表面上はヒンズー教徒、でも実は仏教徒という『隠れブッディスト』とでも言うべき人たちが8千万人〜1億人もいる」と五木さん。「これは日本における隠れ念仏(九州南部の薩摩藩などで念仏が禁止されていた時代に隠れて信仰していた人たちのこと)・隠し念仏(東北地方でみられる、浄土真宗主流から異端とされる一派)に通じるところがある」とも述べ、沖浦さんも納得の様子だった。

穢と浄
「インドから日本に伝えられた仏教には、カースト制度の影響が色濃く反映されている」と五木さん。「斃(へい)牛馬の処理、掃除、きよめなどは特定のカーストの仕事とされたという現実から見ると、差別構造の中の『穢(え)と浄(じょう)』の関係もインド起源だと思う。人々の中に長く残る差別意識というのは、制度が変わって(整って)も、ヒンズー教によって人々の心に深く根づいている。日本でも、明治になりいわゆる解放令が出されて人々が四民平等となっても、意識というのは簡単には変わらなかった」とし、日本における部落差別についても迫った。

人生の磁場
人生には、誰にでも運命的な出会いをするその人にとっての原点となる瞬間・場所がある。それを沖浦さんは「人生の磁場」と称する。自身にとっての磁場は、幼少期に(西国)街道で虚無僧やサーカス団などの遊芸民を見たことや、釜ヶ崎に移り住み「悪所」を見聞したこと、青春期に経験した敗戦直後の時代だと語った。
 特に、印象深く残る釜ヶ崎は、周辺に「悪所の条件」と言われる「色町」「芝居町」を備えた場所の一つで、最近では「ディープサウス」と言われる。飛田新地、新世界、西浜部落と言われた一帯は、当時の文化の発信地であり、沖浦さんの心を掴んで放さなかったという。
 一方、沖浦さんに人生の磁場を問われた五木さんは明言を避けたが、自身の人生を振り返り次のように語った。「私は小学校で4回、中学校で3回転校した。一箇所に定住できない気質なのか、今でも書斎を持たない小説家として有名で、原稿を書くのはもっぱら移動中の新幹線やカフェである」という。
 人生の根幹を築いた「磁場」に深い思いのある沖浦さんと、どこか特定の一箇所に惹き付けられるより方々へ旅することを選んできた五木さん。悪所が育んだ芸能については、まだまだネタがあるといった感じで、話し足りない様子のお二人だった。

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