ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

HUCC小説うpるコミュコミュの夏休みコラボ。雨弓

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
夏だ! 熱い!
どうも、雨弓です。

というわけで夏休み期間限定企画やります。
夏休みと言いはるのが難しい時期になるか、
飽きるかしたら打ち切り。です。

トゥリたんからネタ振られちゃったんで、ホントに拾ってみた設定でコラボ。

>過去の大規模な戦争の教訓から
>完全平和をうたっているファンタジー世界
>実態は全人類余すことなく脳に爆弾をとりつけて
>いつ爆発させられるかわからない恐怖統治
>自身の生命より悪とされる行為に傾かざるえない境遇に生ま>れた少年
>生涯に一度きりの悪を働くが爆発しないことで世界のルール>に疑問を抱いたモノと
>なぜか全人類起爆装置をもった少女のボーイミーツガール
>なんてラノベがあったらよみたいんですが
>解除できる人とか反政府レジスタンスとか宗教とかでてきた>りして

多分違うものになるが、GO!

コメント(2)

「あたし次の『女神』サマなんだってさ。
他の選択肢はオール禁止なの。
意味わかんない。ヤだけどなりたくないけど、他になりたいものもわかんないの。
ていうか、何になれるのかわかんないの。

そもそも、ナニ禁止されてんのかも実はよくわかんない。
とりあえず、ヤなモンはヤダから、全力逃げてみた
だって嫌じゃん、『女神』とか」
 膝を抱えて言う少女に、オレは言った。
「じゃあ、そんなんやめて、オレの嫁さんになれよ」

      * * *

1.悪いことって、何だっけ?

 えーと、まず世界の設定から入ろう。
 とりあえず、世界には、イイヒトしかいません。
 嘘っぽいしちょっと間違ってるが、要するに。

 悪いことをしたら、死にます。

 『女神』サマの天罰で。
 天罰って言っても、物理的に。
 俺たちのアタマん中には、ちっこい爆弾が仕込まれている。
生まれたときに埋め込まれるモンで、例外は無い。この儀式のことを『洗礼』って呼ぶ。
街には、『洗礼』を受けたイイ子しかいません。
悪いこと、ってのも学校で教えられるので、大体刷り込まれる。
まー、ややこしいんで「大体」しか分からねーんだけど。
この授業の成績が悪い奴=頭の悪いやつ=早死に。
でなきゃ、必要以上に(どのへんまでで、命に十分かわかんないんだもん)品行方正にやる。
頭のいい奴は、なんか上手いことやってるみたいのもいるけどな。
凡人は、せいぜい慎ましく生きるのです。
 ……この授業ばっかりは、みんな(オレ含む)、真面目に聞く。
 …………真面目に聞いた、はず何だけどなー。

 オレは首をかしげる。
 手に持った、鎌を見る。
 それと同じ色をブチマケた、足元に転がっているソレも見る。

 死体が一つ。

 を、見る。
もちろん目で。
俺の目は、当然顔についていて、顔は当然、脳みそのすぐ近く。

「……あれー、オレ、なんでまだ生きてんの?」
 
 殺したのは、間違いなくオレ。手に感触があります。覚えてます。
 殺してない? いいえ、キオクニゴザイマセン。


 Q.殺人って、悪だよね??



 不思議すぎて、空とか見上げた。
 本日青空。

 そしたら、空から女の子が降ってきました。

人生何がビックリって、

「ちょ、っっつ!! どいて馬鹿!」

空から降ってきたすさまじく可愛い女の子に、
うっかり直滑降フライングニーキックくらうこと以上って、そう無いだろ。
この瞬間、完全に悪とか死体とかどーでも良くなった。
ところで、初対面の女の子の太ももとその奥チラ見するのって、悪?

  2.悪いことしたら、罰……?

 顔面の衝撃にのけぞる。
 地面に頭から落ちる間にリフレイン。

 空にいるその子に気が付いたのは、俺だけだった。
 偶然で必然。
 現時刻は、朝。「おそうじ」の時間。
 奉仕の時間とも言う。
 みな一心不乱に真剣に、ひたすらタイルを磨いたり、草刈りしたり。
 他人を気にするような時間でもないし、周りで何があっても、顔すら上げないのが基本だね。
 ぽかんと空なんか見てたのは、草刈り鎌を間違った使用法してた、俺ぐらい。
 まだ淡い青い空。
 翻る白は、ワンピースのすそと、ぼやけた『翼』。
 でも、本来の『翼』からはずれた使い方で、背中ではなく、遠目に見ても華奢な左手首から、きらきらと白い光の両翼が伸びている。
 ああ……ていうかなんだろう、遠目なのに可愛い。シルエットから可愛い。
 天使のように可愛い。マジ天使。ちなみに、あの『翼』は、『天使』と呼ばれてる女神の臣下みたいな連中が使っている飛行装置だけど、
この場合の天使は、こっちの夢も何もねえ『天使』じゃなくて、もっとホーリーで崇高で美しくてラブリーなほうの天使な。ていうか、彼女を賛美するのにジャマだから歴史から消えろ『天使』。
 ふわふわとした飛び方も可愛い。
 彼女がこっちを見下ろして、それで見上げていたことに気が付いたくらいに、ただ彼女に見惚れていた。
 目が合った。
 ふわ、と、長い髪が空気で膨らむ。
 温かな血色の、白い顔。
 小作りな、奇跡のバランスの輪郭線。
 見開いた目の色がもうちょっとで良く見えそうで、
 さくら色のくちびるが、早回しの開花のように動いて――
 真っ白い太もも。

「ちょ、っっつ!! どいて馬鹿!」
 声も可愛かった。


 ……現在。後頭部に集中するはずの痛みを、全身で倒れることで誤魔化すことに成功。ていうか痛みとかどうでもいいよ、さっさと起きろすぐ起きろオレ!
 だって、彼女がすぐ近くにいるってことだぞ、一瞬前に接触したってことは! 残念ながら、膝の感じとかは衝撃に吹っ飛ばされてわかんなかったけど。チッ!
 オレ的超速で飛び起きると、彼女の顔が近い。1mも無い。
 近くで見ると、もう、間違いなく可愛い。
 華奢で小さめの顔に、大きめの瞳。今は見開いているせいで、透きとおった虹彩が、よく見える。
 血の気の引いた顔でくちびるをわななかせて、斜め下を見つめ……ん?
 あ、死体。
 
 きっ、っと彼女が振り向く。風で乱れた髪をさらに乱して、オレを睨む。

「こ、れ、……アナタが」
 強い瞳に見入る。
 
 そこに、
「見つけました! 姫!」
 邪魔が入った。
 上空から落ちた声、彼女がそっちを忌々しげに見上げてしまい、綺麗な眼が見えなくなってしまう。
 誰だよ、てか何だよ。
 彼女の仕草に釣られたように見上げると、『天使』がいた。
 当然のことながら、目の前のオレの天使のような愛らしいモノじゃなく、単なる官僚仕事の羽根生えたオッサン(にーちゃん?)だ。うわ邪魔、マジ邪魔――
 急に手を引っ張られて、オレは走り出す。
 引っ張ったのは、オレの天使。細すぎない手足が、疾駆の名に相応しく、はじけるように走り出す。
「ちょっ、どうしたの」
 最悪なことに、これがオレが彼女に話しかけた、記念すべき一言目だった。
 一心に前を見て彼女は走る。
「逃げるの! いそいでっ!」
 え? なんで?
 ま、いいか
「なあ、オレ、レイシ! 洗礼名は、001040404! 君の名前は!?」
 彼女は、すごく怒ったような顔で一瞬だけ振り向いて、無言でさらに速度を上げて走った。

 これが、オレと、花の出会いだった。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

HUCC小説うpるコミュ 更新情報

HUCC小説うpるコミュのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング