Tru Callingコミュの『トゥルー・コーリング』　トリビアvol. ５

前回に続き、『トゥルー・コーリング』のライターであったDoris Eganさんのサイトで説明されていたジャンセンに関する情報をご紹介します。


（注意：以下はシリーズ後半の内容に関しても触れているので最終回（26話）までご覧になられていない方はその旨了解の上で読んでください。 ）

--------------------
と、その前に前回少し説明の足りなかった、リチャードとジャックの関係に関しての補足を。
トゥルーとジャックの役割（とその能力）がずっと太古から世代、世代に継承されてきた事は前回触れました。トゥルーとジャックの前の世代の継承者はリチャードとトゥルーの母親と言う事になりますが、リチャードが自分の能力をなくした時に過去から継承されてきた遺産（情報）を次の継承者へ引き継ぐため、その継承者捜しを行っていました。そしてリチャードは精神病院に目をつけます。「Relive（同一の日を繰り返す）」の話など一般常識社会では受け入れてもら得る筈もなく、この能力に目覚めたものはきっとここに落ち着き先として送られてくるに違いない、との読みです。

一方、当のジャックはDorisさんのBlog内容からすると、トゥルーがその能力に目覚めた時から同時に彼の能力に目覚めたようです。トゥルーが死者から助けを求められて１日を繰り返す度（エピソード１からのストーリー展開です）に、ジャックもまた１日を繰り返していたのです、それも原因や理由もわからず、また何故自分に起るのかも知らず....
そしてその出来事を誰にも信じてもらえず精神障害として病院に送られることになり、ついにリチャードが「Relive（同一の日を繰り返す）」の体験をもつ自分の継承者となるジャックに出会うことになります。リチャードはジャックにこう言います、『今、君が体験していることに関して私は全て説明できる。（そしてまさしくジャックが体験している事を言い当てます）　そして君が医学的に「死」の状態にあった時に何が起ったかも全て把握しているし、これから君が知るべき多くのことに関しても説明できるのだ。君は私の話に耳を傾けるべきだとは思わないかね?』、と。

シーズン１のフィナーレ（第20話）ではいきなりリチャードとジャックがお互いに知っていた事に衝撃を覚えます。シーズン２の後半では、その過去を少し説明すべくシーンが用意されていたのでしょうね。

--------------------
さて、ここから今回のメイン・テーマですが、デイビスも心配していた助けを求めていないジャンセンの命をトゥルーの意思で救ってしまう事が正しい事なのか、そして予期せぬ事が起りはしないかという杞憂が本物となってしまう事に関して27話から33話までの間、どのように展開された筈であったかについて触れましょう。

トゥルーの能力はある意味、ジャックのそれに比べて一層パワーのあるものとして捉えられます。これは「死」に至った個人を呼び戻すだけに終らず、彼らに新たな人生の道を歩む機会を提供する事にもなるからです。ジャンセンのケースでは、ジャンセンは一旦「死」を迎えます。そして最後まで目を覚ますことなく、またトゥルーに助けを求めもしませんでした。これは本人がその意思であえて戻る事を拒んだかどうかは別として、ジャンセンの魂（霊魂とでもいうか）へは「生」へのドアは開かれず、決してこの世に戻る事はなかった筈なのです。

しかし、トゥルーはジャンセンの命を救い再びこの世に引き戻そうとします。トゥルーには目の前に横たわるジャンセンの死体を前に、ジャンセンの魂が既に旅立ってしまった事実を受け入れようとはしませんでした。トゥルーの中では、ジャンセンを呼び戻す事に関して間違った事をしているのではないか、或いはとても危険なことをしているのではないか（大いなる意思に反駁してトゥルー自身の意思で人の運命を変えてしまう事）と言う猜疑心やデイビスも全く同じ杞憂を持っている事に対する心の葛藤も、これまであまりに多くの人を失ってしまった事（ルークの件が大きいのでしょう）、またトゥルー自身が何故なのか理解できないこの大いなる能力のために彼女の人生まで大きく変えて犠牲にしている事等を前に霞んでいきます。そしてトゥルーは決心します、このまま1日が終るまでずっと起きていようと。ジャンセンが自分で助けを求めないのであれば、他の誰かが助けを求めてきた時に２人とも同時に救えるから、という理由で。たとえ、ジャンセンの魂が決してこちら側に戻る事がないにもかかわらず。

戻る事のない魂の代わりに、ジャンセンの肉体、記憶、習慣は暫く以前のままを引きずっていきますが、少しずつこれまでのジャンセンの性格が変っていきパーソナリティの崩壊とともに「死」を美徳として捉える性格に豹変していく様子をエピソード毎に描く予定だったようです。（25話、26話で既にその伏線が少し見え隠れしていたと思いますが）　その一方でトゥルーとの関係もより親密となり２人の関係は男女の関係として成立していきます。

ジャンセンは次第に耳障りなコメントを吐くようになり暴力志向へと転がり始めます。そしてトゥルーは連続して起る殺人事件においてジャンセンの関わりを中々見抜けないでいましたが、ついに真実に直面する運命の時間（とき）がやってきます。

ある朝、トゥルーはジャンセンと共にしたベットで起きあがります。そう、Reliveが始まったのです。トゥルーに助けを求めたのは殺されたジャンセンの父親。そしてReliveの直前、トゥルーは真実を知ります。それはジャンセンの父親を殺害したのが当のジャンセン自身である事、そしてさらにここ最近起っていた殺人事件でもジャンセンが影で糸を引いていたという事も....
このシーンはまさに鳥肌ものだったでしょうね、トゥルーが起き上がったベットの隣にはジャンセンが。そしてそのジャンセンがとんでもないモンスターとなってしまっていた事を知ってしまったトゥルーの衝撃（ショック）を考えると。

ジャンセンをこうしてしまったのはトゥルー自身。かつてその人柄とやさしさでトゥルーの愛を勝ち得たジャンセンは今でも明るく、聡明で、彼の事件への関わりなどはっきりとした証明もできない状態のなか,　このまま事態をほっておく事がより多くの犠牲者も出してしまうことにも為りかねない　--　ジャンセンの父親のように。今回のReliveでは、ジャンセンの父親を救う事のほかにトゥルーには避けて通れない大事な問題に直面します。本来蘇るべきでなかった筈のジャンセンの魂を永遠の眠りに還すという大事なミッションが。

そしてトゥルーはついに尋ねる事を決意します。人の「命」に終止符を打つ経験のあるものにそのミッションを委ねるために....　　そう、ジャック・ハーパーに。

--------------------------------------------------
内容が内容だけにシーズン２の最終話、或いは最終話近くでのエピソードとして製作されていたのではと予想しますが、自分の愛する人が悪魔に変豹、その責任はトゥルー自身にあり、そしてそれを阻止することのできる残された道は一つしかない....というあまりに衝撃的なストーリー展開のため、番組として制作されていればきっとトゥルーの苦悩するシーンや手に汗握る展開で多くのファンの涙を誘ったものに仕上がっていたでしょうね。

いまではこうやって紙面上で語るしかなく、『トゥルー・コーリング』の復活を願う多くのファンに対してFOXが何らかの決着を付けてくれる日が来る事を願って止みません。


参照：DorisさんBlog:http://www.livejournal.com/users/tightropegirl/　5月10日及び5月31日分日記）