1993年11月1日発売。 衝撃の国家への憂いを歌った長渕は2年近く、ひっそりと影を潜めていた。そして、目の前に現われた時、とてつもない精神性を秘めた男へと急変貌していた。このアルバムは、海外で収録され、国境を越えた、人類共通の真理を柱とした作品で溢れかえっていた。2年間の間で訪れたインドで、様々なものを目の当たりにしたのだろう。「ガンジス」では、神秘に包まれた世界へ訪れた時のことを歌い上げている。『神はどこにいるのかと訊ねたら。老婆は自分の胸を指した』『人間死んだら灰になるだけさ』という長渕独特の世界観を通して、聖なる河を垣間見た気にさせられる。「Captain of the Ship」では、『お前が決めろ。お前が舵を取れ』『お前が行くから道になるのだ』という力強いメッセージを聴くたびに、いつも胸座を掴まれる気がしてならない。『やるのは自分だ』長渕の優しさを垣間見た気がするアルバムである。