Pastelsらも熱狂的なファンであることを公言し、Jad Fair(Half Japanese)はアメリカでのMaherのライブを最前列のかぶりつきで楽しんだと伝えられている。そのPastelsのレーベル、 Geographicから発表した『From A Summer To Another Summer (An Egypt To Another Egypt) 』(2000)、『Blues Du Jour(今日のブルース)』(2003)の2つのアルバムで広く海外にも知られ、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどでもツアーを行っている。 2007年にはキャルヴィン・ジョンソン(ビート・ハプニング他)が主宰するアメリカの名門インディーレーベル、Kレコードより『L'Autre Cap(邦題:他の岬)』(ライヴ録音のボーナスCDにはジム・オルーク、中尾勘二、植野隆司他参加)、2009には同じくKレコードより3枚組み237 曲の大作『C'est La Derniere Chanson』をリリース。
■工藤礼子 プロフィール 兵庫県出身。1970年代後半、裸のラリーズのコンサートからの帰りの電車内で工藤冬里と意気投合し、冬里の参加していたグループ「Worst Noise Dance To Death」や、周辺の演奏家とのセッションで歌うようになる。'97年に柴山伸二(渚にて)の制作による初のソロ・アルバム「ファイア・インサイド・マイ・ハット」(Org)を発表。かつて誰も聴いたことのないような詞と声とメロディーで綴られた、すぐれて神秘的な作品として結実した。以後、現在に至るまでに「夜の稲」(Majikick)「人」「草」「塵をなめる」(瓢箪)「Light」(Siwa)など、一貫して何物にも媚びることなく、自然の事物や営みを力強く写し取った、清らかな視点を誇る傑作群をコンスタントに発表している。