目次読書会コミュのムハンマド・バーキルッ＝サドル『イスラーム経済論』（未知谷・1993年）

　　　　訳者まえがき

第１章　イスラーム経済の基本的特質
　　?　イスラーム経済の一般的構造
　　　　　ⅰ複合的所有原理
　　　　　ⅱ限られた範囲内での経済的自由の原理
　　　　　ⅲ社会的公正の原理
　　?　総体の一部としてのイスラーム経済
　　?　イスラーム経済の一般的枠組
　　　　　ⅰ知性に問題解決の可能性はあるか
　　　　　ⅱ史的唯物論とその問題点
　　?　イスラーム経済は単なる学問ではない
　　?　生産形態から切り離された配分の関係
　　?　イスラーム的観点からみた経済的諸問題とその解決策
　　　　　ⅰ経済問題とは何か
　　　　　ⅱ配分の形態
　　　　　ⅲ配分における労働の役割
　　　　　ⅳ配分における必要の役割
　　　　　ⅴイスラームと共産主義の観点からみた必要
　　　　　ⅵイスラームとマルクス社会主義の観点からみた必要
　　　　　ⅶイスラームと資本主義の観点からみた必要
　　　　　ⅷ私的所有
　　　　　ⅸ所有は配分の二次的要素である
　　　　　ⅹ交換

第２章　経済理論発見の方法
　　?　経済理論とイスラーム
　　?　理論と法律の関係
　　?　解明と構成の手続
　　?　市民法としての財政システム
　　?　概要と推論
　　?　諸規定の構成の手続
　　?　発見の試みにおける概念の貢献
　　?　経済的法令における間隙の部分
　　?　イジュティハードの行使と主観性
　　　　　ⅰ現実の正当化
　　　　　ⅱ特殊の枠組への典拠の挿入
　　　　　ⅲ法的証拠の状況、条件からの切り離し
　　　　　ⅳ典拠に対する既存の立場の採用
　　?　主観性の必要
　　XI　応用面での欺瞞

第３章　生産に先行するものの配分に関する考察
　　?　総則
　　　　　ⅰ二つの次元における富の配分
　　　　　ⅱ基本的な生産財
　　　　　ⅲ自然の配分に関する立場の相違
　　　　　ⅳ自然的生産財
　　?　土地
　　　　　ⅰ征服によってイスラーム化された土地
　　　　　　　ａ征服のさいに活用されていた土地
　　　　　　　ｂ征服のさいに活用されていなかった土地
　　　　　ⅱ教宣によりイスラーム化した土地
　　　　　ⅲ和平の地
　　　　　ⅳ国家に帰属するその他の土地
　　?　土地に関するイスラームの一般的見解
　　　　　ⅰ土地所有を否認する意見
　　　　　ⅱ土地所有に関する政治的要因
　　　　　ⅲ新たなイスラーム的観点
　　?　大地から得られる原料
　　　　　ⅰ第一次鉱物
　　　　　ⅱ第二次鉱物
　　　　　　　ａ地表近くに見出される第二次鉱物
　　　　　　　ｂ埋蔵された第二次鉱物
　　　　　ⅲ鉱物所有は土地の所有に従属するか
　　　　　ⅳイスラームにおけるイクター制
　　　　　ⅴハラージュ税が課される土地のイクター
　　　　　ⅵイスラームにおけるヒマー
　　?　天然の水
　　?　その他の天然資源

第４章　生産に先行するものの配分の理論
　　?　理論
　　　　　ⅰ理論の消極的側面
　　　　　　　ａ上部構造
　　　　　　　ｂ演繹
　　　　　ⅱ理論の積極的側面
　　　　　　　ａ上部構造
　　　　　　　ｂ演繹
　　　　　ⅲ理論における労働の評価
　　　　　　　ａ上部構造
　　　　　　　ｂ帰結
　　　　　　　ｃ諸権利の理論的基礎としての経済的活動
　　　　　　　ｄ複合的性格を持つ占有
　　　　　　　ｅ経済的特性を持つ諸行為の理論的区別
　　　　　　　ｆ労働を基礎にした私的権利の確立
　　　　　　　ｇ動産の所有権の基礎
　　　　　　　ｈ理論における生産的労働の役割
　　　　　　　ｉ動産に対する占有の役割
　　　　　　　ｊ占有に関する理論的原理の一般化
　　　　　　　ｋ理論的帰結の要約
　　?　考察
　　　　　ⅰイスラーム理論の比較研究
　　　　　ⅱ租税の現象とその理論的説明
　　　　　ⅲイスラームにおける所有権の道徳的説明
　　　　　ⅳ私的権利の時間的限定

第５章　生産に後続するものの配分の理論
　　?　生産の諸要素に対する配分の理論的基礎
　　　　　ⅰ上部構造
　　　　　ⅱ理論
　　　　　　　ａ資本主義経済における理論モデル
　　　　　　　ｂイスラーム的理論と資本主義の理論との比較
　　　　　　　ｃ上部構造からの理論化
　　?　イスラーム的理論とマルクス主義の差異の諸側面
　　　　　ⅰ上部構造
　　　　　ⅱ理論
　　　　　　　ａイスラーム的理論における所有権継続の原理
　　　　　　　ｂイスラームの理論における所有権と交換価値の分離
　　　　　　　ｃ上部構造からの理論化
　　?　生産の物質的基本要素に対する報償支払いの一般的規則
　　　　　ⅰ上部構造
　　　　　ⅱ理論
　　　　　　　ａ上部構造の概要
　　　　　　　ｂ利得は費やされた労働に基づく（労働利得権の原則）
　　　　　　　ｃ原則の肯定的側面
　　　　　　　ｄ原則の否定的側面
　　　　　　　ｅ否定的側面とリバーの禁止の関連
　　　　　　　ｆなにゆえに生産手段は利潤を共有しえないか
　　?　生産に後続するものをめぐる考察
　　　　　ⅰイスラーム経済における投機の役割
　　　　　ⅱ資本主義の利潤（利子）に対する正当化とその批判
　　　　　ⅲ資産家の利益支配に対する制限

第６章　生産の理論
　　?　イスラーム思想と生産との関係
　　?　生産の促進
　　　　　ⅰイスラームの思想的手段
　　　　　ⅱイスラームの立法的手段
　　　　　ⅲ生産促進のための経済政策
　　?　生産の目的
　　　　　ⅰイスラームにおける富の概念
　　　　　ⅱ生産の促進と配分の関連性
　　　　　ⅲ経済問題に対するイスラーム的アプローチ
　　?　生産と配分との関係
　　?　生産と流通との関係
　　　　　ⅰイスラームの流通観
　　　　　ⅱ流通概念に関する思想的典拠
　　　　　ⅲ概念を反映する法制的方向性
　　?　誰のために生産するのか
　　　　　ⅰ資本主義の立場
　　　　　ⅱ資本主義に対する批判
　　　　　ⅲイスラームの立場

第７章　イスラーム経済における国家の責任
　　?　社会的保証
　　　　　ⅰ社会的保証の第一の基礎
　　　　　ⅱ社会的保証の第二の基礎
　　?　社会的均衡
　　　　　ⅰ総論
　　　　　ⅱ均衡に関するイスラーム的観点
　　　　　ⅲ均衡維持のための力の行使
　　　　　ⅳ固定税の賦課
　　　　　ⅴ公的セクターの創出
　　　　　ⅵイスラーム的立法の特性
　　?　国家の介入の原則
　　　　　ⅰ間隙の領域が設定された理由
　　　　　ⅱ間隙の領域は欠陥ではない
　　　　　ⅲ法的証拠
　　　　　ⅳ実例

　　　　解説
　　　　訳者解題