ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

月夜見 [ツクヨミ]コミュの閏月と季節の関係!? 〜二十四節気は旧暦でも新暦でもない?

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
更新(2006/9/28)

今日(2006年9月9日)は、旧暦で閏7月17日です。
今年は閏年で、旧暦7月が二度あります...


最近、巷でもこの話題になるとやたら気になることがあります。


 旧暦で夏に閏月がある年は暑い季節が長い...


そのために「災害が多くなる」とかの話しです。
みなさんは、どう感じていらっしゃったでしょうか?
今回はその謎に迫るべく、まずこの話しがデタラメであることを検証し、残り少ないですがこの「閏月」をどう過ごしたらいいのか、一緒に考えていきたいと思います。


旧暦での生活が、スローライフや日本の自然にマッチした素晴らしい暦であることに変わりありませんが、旧暦の仕組みを理解しないまま過度の期待と勝手な思い込みだけで捉えていくと、思わぬ勘違いの落とし穴にはまります。
例えば、「20世紀に入って閏月が夏に集中し、夏が長くなっている。四千年前に生まれた旧暦が現在の温暖化の様子を予言している。」と書いてある著書が流行るくらいだから、『閏年は夏が長い』という間違った常識が蔓延しているようです。
19世紀後半から閏月が夏に多くなってしまったのは暦の計算方法が変わったからで、閏月の入れ方はいろいろあり得るため気候変動の予言などでは決してありません。


 閏年は確かに13ヶ月あり、閏月が夏に入るとその月の分長くなったように錯覚します...


しかし本来、季節とは太陽と地球の公転周期(太陽暦)が作り出すもので、月の周期(太陰暦)とは関係ありません。
太陰太陽暦とはそもそも、季節のずれという欠点を修復するために、月の朔望に基づきながら約3年ごとに閏月を挿入して、太陽年と季節を調和させる暦法です。
平年12ヶ月では1年が353〜355日、閏年13ヶ月では384〜385日となりますが、そのために二十四節気を用いて太陽暦の季節を入れ込みます。
という訳で、例え1年が12ヶ月だろうが13ヶ月だろうが24等分しているだけなので、絶対に夏だけが長くなるはずがないのです!

もっと言ってしまえば、二十四節気は旧暦でも新暦でもなく「天文学上の概念」で、一年を24等分するものであると考えたほうが良いのかも知れません。
旧暦、新暦に関わりなく、「太陽黄経が15度の整数倍になった時点を意味する天文学上の概念」という方がより正解です。

しかし、もう一つ問題があります。
二十四節気の「立春」「立秋」などは、実際の季節とかなりずれたときにやってくることが多いので、これを旧暦の日付をそのまま新暦に置き換えたからと誤解している人が多いことです。


だから閏月を特に意識する必要はありませんが、昔の人は楽しいことは何度あっても良いという考えで、例えば月見などの行事があれば閏月にも再度行ったりしたようです。
今年はもう終わってしまいましたが、7月が閏月ですので「七夕」も二度あっていいことになります。
ただし「あっていいだけ」の話しで、現在でも基本的には行事はないということです。

また昔より閏月はおまけに与えられる月として、この月にはどんなことをしても何の差障もないという考え方もありました。
旧暦での風習の多い沖縄では、閏月(ユンジチ)のある年はタブーとされていたことが解禁になり、年回りを気にしなくてもお墓を作ったり、仏壇や位牌を新しくして良いと言われているそうです。





他にも、閏年や閏月に関して風習などご存知でしたら教えてください...


コメント(8)

いろいろと情報ありがとうございます!

1:の閏月が入る場所が中国時間と日本時間のたった1時間で違うなんて...
複雑なシステムということが改めてわかりました(@_@;)

2:の中秋の名月の風習に関する情報は、こちらのトピへ集約したいと思います。
このネタはどんどん膨らましていきたいですね!

 「月より団子」のお月見だんご!? 〜各地の風習について
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=10274192&comm_id=1110372
2006年9月21日(木)/旧閏7月29日

今日は閏月の最後の晦日(二十九夜)。
明日から旧暦ではやっと8月に入ります...
トピック本文に少し書き加えました...

『二十四節気は旧暦でも新暦でもなく「天文学上の概念」で、一年を二十四等分するものであると考えたほうが良いのかも知れません。
旧暦、新暦に関わりなく、「太陽黄経が15度の整数倍になった時点を意味する天文学上の概念」という方がより正解です。

しかし、もう一つ問題があります。
二十四節気の「立春」「立秋」などは、実際の季節とかなりずれたときにやってくることが多いので、これを旧暦の日付をそのまま新暦に置き換えたからと誤解している人が多いことです。』
こよみのぺーじの「かわうそさん」が、この件に関してわかりやすく解説されていますので参考にしてみてください...

以下、メールマガジン「日刊☆こよみのページ」の中のコラム
ほぼ日刊 『暦のこぼれ話』に書かれています...



 ■地球温暖化を旧暦は予言している?その1
 http://koyomi.vis.ne.jp/cgi/magu/index.php?date=20070310

「旧暦は日本に季節によくあった暦である」

と主張する方は多く、たびたびそんな話をされて閉口します。
確かに現在使われている新暦(グレゴリウス暦)の年首(年の始まり)の時期には天文学的・暦学的な意味はなく、日本の四季の区切りとも当然(?)一致していませんから、その点を問題にするのはわかるのです。

しかし新暦は季節の循環である「1年」を正確に表し、毎年同じ季節に同じ日付が巡ってくるという点では旧暦よりずっと優れた暦なのです。
「旧暦礼賛」の方々には、こうした話はなかなか通じません。

本屋さんでよく見かける「旧暦・・・」という本の中にも、「旧暦こそ日本の季節に合致した暦」という観点から書かれた本が多く、皮肉なことにそうした本の方がきちんとした暦法の説明を行っている本より売れ行きは好調なようです。
ちょっと困った現象ですね。

私から見ると「ちょっと困った本」の中には驚いたことに現在問題にされている地球温暖化現象を「旧暦は予言している」ということを書いた本があります。
ここまで来るとちょっと困ったを通り越した暴論・妄論。
旧暦への誤解を生むだけの話です。

「私が読んだ本の範囲」でその暴論のもととなった本はK氏の書かれた本のようです。
他の本はK氏の本を参考にしているようです。
K氏の本には紀元後〜21世紀までの間の閏月が何月に何回入っているかをまとめた表、「閏月配置表」が掲げられています。

K氏の主張は、19世紀〜21世紀の閏月が夏の時期に集中し、冬には全くと言って良いほど入っていない事が

 地球温暖化を旧暦が予言した結果だ

と言うものです。
夏の時期に閏月が多いのはそれだけ「夏が長い」ことを意味するという考えです。

この表をせっせと作ってくださったK氏の努力はたいしたものだと思います。
また表示自体には間違いは無いようですのでその表から1〜18世紀と19〜21世紀の閏月挿入の全体に対する割合を読み取ってみる事にします。

 春(1〜3月): 25.4% と 25.1%
 夏(4〜6月): 25.7% と 49.1%
 秋(7〜9月): 25.0% と 21.4%
 冬(10〜12月): 24.1% と  4.7%

前の%が1〜18世紀のもの。
後の%が19〜21世紀までものです。
()内の月は旧暦の暦月。
どちらも合計が100%とならないのですが、これは0.1%でまでに四捨五入した結果ですので大目に見てください。

%の計算の分母になるそれぞれの期間の閏月の数は662と108ですから、上の数値は統計的な揺らぎで偶然発生するようなものではありません。

確かにこの結果を見ると「一目瞭然」で18世紀までは各季節が平均的に 25%前後であったのに、19世紀以降は圧倒的に夏の閏月が増えて、冬の閏月が減っています。

あらら、K氏の主張通りだ! 旧暦はずっと昔から現代の温暖化を予言していたのだった・・・なんて。
でも残念ながらこの数字の変化は温暖化が起こることを予言した結果ではないのです。
理由は別のところ、そう「旧暦の計算方法」自体にあるのです。

つづく


...
※続きです...


 ■地球温暖化を旧暦は予言している?その2
 http://koyomi.vis.ne.jp/cgi/magu/index.php?date=20070311

「旧暦はずっと昔から現代の温暖化を予言していたのだった!」

19世紀以降、旧暦の閏月は夏場に集中し、冬に入ることがほとんど無くなったという衝撃の事実(?)の報告で終わった昨日に続いて、本日はその謎解き編です。
昨日掲げた 1〜18世紀までの閏月の配置と19〜21世紀のそれとの比較を再掲載します。

 春(1〜3月): 25.4% と 25.1%
 夏(4〜6月): 25.7% と 49.1%
 秋(7〜9月): 25.0% と 21.4%
 冬(10〜12月): 24.1% と  4.7%

後の%は19〜21世紀のもの。
確かに19世紀以降は閏月は夏が圧倒的に多く、冬はほとんど有りません。
この事実に着目なさったK氏(先日号で紹介した「旧暦はくらしの・・・」の著者)は、この事実を以て

 夏に閏月が多くはいるというのは、夏が長い(閏月が入ると夏の期間が4ヶ月になる)、つまり暑い期間が長引くということで温暖化の証拠である。

と主張なさっています。
ところがこの「事実」の説明は地球温暖化を持ち出すまでもなく「旧暦の計算方法」そのものによって説明出来てしまうのです。


◇19世紀、その前と後とで旧暦の計算方法が変わった

我々は明治の改暦以前に使われていた太陰太陽暦を十把一絡げに「旧暦」と呼んでしまいがちですが、これは正しくありません。
この太陰太陽暦の時期にも暦の改良(ときには改悪?)があって、ずっと同じ暦が使われていたわけでは有りません。

まあ、違うといっても明治改暦で太陰太陽暦から太陽暦へといった「大改変」ではなくて、学者にしか判らないような「小改変」がほとんどなので、あまり問題にされないだけです。
ところが、この学者にしか判らないような小改変が、夏に多く冬に少ない閏月を作り出してしまったのです。

旧暦での閏月の挿入は、「何ヶ月に一度閏月とする」といった単純な規則ではなくて、新月から次の新月までという暦月の中で、二十四節気の「中気」を一つも含まない暦月が閏月となるというのが、原則です。
ですから、真面目に新月の日付と二十四節気を毎年計算しないと決まりません。
なかなか大変です。

19世紀になって変わったのは、ここで登場した二十四節気の計算方法です。
19世紀の半ば、1844年に天保の改暦があり、日本の最後の太陰太陽暦である天保壬寅暦が使用されるようになりました。
この暦は明治改暦以後もほぼ踏襲され、普段「旧暦」といわれる日付はこの暦の取り決めに沿って計算されています。

この天保暦の大きな特徴の一つに、二十四節気の計算に「定気(じょうき)」と呼ばれる方式をとったことがあります。
定気とは太陽が一年で一巡りする黄道の 360°を角度で24等分した15°毎のポイントを太陽(中心)が通過する瞬間を二十四節気の節入りとするという計算方式です。

これに対してそれ以前の暦では「恒気(こうき)」と呼ばれる方式を採用していました。
これは一年の長さを決定し、その一年の長さを24当分して二十四節気の節入りを決定するという方式です。


※全角2000文字以内に引っ掛かったので、一旦分割します。


...
↑続き...


◇定気法と恒気法の変更で何が変わるのか?

この変更によってどんなことが起こったかというと、閏月と関係する二十四節気の中気の間隔が変化したのです。

 定気法での中気の間隔 29.44〜31.46日
 恒気法での中気の間隔 30.44日

旧暦の暦月は新月から次の新月直前までです。
この長さは多少変動するのですが、平均すると 29.53日(これを平均朔望月といいます)という長さになります。

恒気時代の二十四節気の中気の間隔、 30.44日は平均朔望月の 29.53日より長いので、その差である0.91日の差が累積して朔望月より長くなる間隔で、ほぼ平均して閏月が入ることになります。
この間隔は、

 29.53 / 0.91 ≒ 32.5

ということで、32〜33ヶ月に一度閏月が入ります。
幸いこの間隔はほぼ 3年の長さですが、32も33も 1年月数である12ヶ月では割り切れない数字ですので、閏月は入る毎にその入る時期が変化します。
結果として閏月はどの季節でも均等に入るものでした。

これが定気法になると、中気の間隔が29.44〜31.46日と変化するようになりました。
これは太陽の周りを巡る地球の軌道が円軌道ではなくて楕円軌道で有るためです。
地球が太陽に近い位置にある時には中気の間隔が狭まり、遠い位置に有るときにはこの間隔が拡がります。

そして、現時点では地球が一番太陽に近づくのは新暦では 1/6あたり。
これは旧暦でいえば、12月ないし11月にあたります。
つまり旧暦では冬とされる時期の中気と中気の間隔は大変狭いのです。

中気と中気の間隔が最短である 29.44日は平均朔望月の 29.53日より短いので、こうなってしまうと「中気を含まない月が閏月」という定義から、閏月はこの時期には入らないことになります。
逆に中気の間隔が 31.46日と長い時には閏月が入りやすいわけですが、この時期は新暦では 7/6頃、旧暦でいえば 6月ないしは 5月、つまり夏です。

つまり、それまでの恒気法から定気法への変更が

 夏に多くて、冬に少ない閏月

を生み出す原因になってしまったのです。


◇定気法採用について

定気法の採用は中国の時憲暦が採用し、天保暦はこれを真似て(?)採用したものです。
これは西洋天文学が流入したため、地球の軌道が楕円だという概念が最新の天文学の知識が作暦に影響したものです。

つまり、天文学的な精密さを誇るために導入されたものですが、結果として閏月の挿入時期が特定の季節に偏在するという暦としてみると欠点となる現象を生み出してしまいました。

この定気法の導入による弊害は、天保暦の欠点として批判されることの多いものです。


◇「旧暦が地球温暖化を予言していた」という誤解とその余波

K氏の著作を読むと、どうやらK氏はご自分で暦計算が出来る方では無いようです。
そのため、計算された「旧暦」から閏月の拾い出して「閏月配置表」としてまとめ、これを見て「地球温暖化の証拠を発見」したように思いこんでしまったようです。

自分で暦計算をなさるのであれば、この恒気法と定気法の違いという基本的な計算方法の違いによってこれが起こってしまうのだとすぐに気が付いたはずなのですが。

K氏は、旧暦を使うと季節の変化が正確に予測出来、「異常気象」と騒がれるような年があってもそれは「閏月の配置」で説明が付くといった論を本の中で展開しています。
そして困ったことに、

 「旧暦は日本の季節にピッタリの暦だ」

と主張する方々はこの本の内容を鵜呑みにしている方が多く、そうした人々が旧暦に対する誤解を振りまいているようで、K氏の本の内容を引用してい本(例えばM氏の著作)があり、これを信じている人は多いようです。


◇最後に

「旧暦とスローライフ」といったキーワードで旧暦が脚光を浴びることの多い昨今、暦が注目されるのは暦に興味を持つものとしては嬉しい反面、その内容の多くが「誤解にもとづく」注目なのに頭を痛めてしまいます。

K氏やM氏とイニシャルで登場して頂いた両氏も旧暦に興味を持って本を出していらっしゃるのでしょうが、出来ればもう少し基本を学んでから正しい内容の本を書いて頂きたいものです。

K氏、M氏については両氏の本の内容全てが間違っているわけではなく、それなりに意味の有る部分も有ります。
また現在も販売されている本なので営業妨害になってもいけないので、イニシャルのみにさせて頂きました。
歯切れが悪いのですが、そうした事情ですのでご容赦下さい。



...

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

月夜見 [ツクヨミ] 更新情報

月夜見 [ツクヨミ]のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。