mixiで趣味の話をしよう

mixiコミュニティには270万を超える趣味コミュニティがあるよ
ログインもしくは登録をして同じ趣味の人と出会おう♪

開催終了第5回SSD研究会

詳細

2009年10月24日 01:35 更新

場所:相模女子大学   8号館831室
時間:午後4時から7時

講師:甲田 烈
タイトル:「統合的構造構成主義の原理と実践」

特別講師:新 真理子<インナービューティ・バランス>

姿勢・インナーマッスル・チャクラの3つのバランスを整え、心と身体を美しく健康に導いていくエクササイズです。各チャクラに集中しながら簡単なエクササイズと呼吸を合わせて、心も身体もリラックスさせていきます。


終了後はお食事を考えています。

皆様ご都合がつきましたら是非足をお運びください。
参加希望者はご連絡をお願いします。


講師プロフィール

 甲田 烈(こうだ れつ)  1971年、東京生まれ。東洋大学大学院博士後期課程満期退学。2004年より相模女子大学非常勤講師。2007年より河合塾河合文化教育研究所研究員。専門は比較思想・トランスパーソナル心理学・仏教心理学。関心領域は現代インド思想・井上円了の妖怪学・京都学派の宗教哲学など、関連論文多数。最近の関心は、「役に立つ哲学」の再創造。具体的な人間の成長にも寄与するメタ理論の開発や工学的思考。関連論文多数。著書『手にとるように哲学がわかる本』、かんき出版など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      
                   統合的構造構成主義の原理と実践

                                             相模女子大学 甲田 烈

 「大きな物語」の終焉が説かれたポストモダン思想以降、わが国においても、また欧米においても、メタ理論(meta theory)の重要性が高まっている。1980年代以降、「学際(interdisciplinary」の名のもとにさまざまな学範が領域横断的な学知の蓄積を志し、文系と理系、理論知と臨床の知などの総合や統合を試みてきた。しかし多くの場合は、総合的なテーマを掲げたのみで、結局は個々の学範に依拠した個別研究のみが羅列される「束論」に終わってきたのではないだろうか。それは、諸学の前提を根本的に問うという原理的思考の不在による困難を示していると考えられよう。

本発表では、このような状況をふまえ、人文・社会・自然諸科学や新しい人間科学において汎用性を有するメタ理論として、西條剛央氏の提唱する構造構成主義と、ケン・ウィルバーの提唱する統合的アプローチ(Integral Approach)を結合した統合的構造構成主義(Integral structural constructivism)を提唱する。

これはもともと、「仏教心理学」において、「仏教」と「心理学」を相補的に機能させるためのメタ理論として、比較思想における併用的方法(co-operative methodology)を媒介にして構想されたものであり、今回はその領域の拡張について考えてみたものでもある。

構造構成主義とは、人間科学のメタ理論として、2005年に西條剛央氏によって提唱されたものであり、その優れた汎用性から、質的研究法、心理統計法、知覚研究法、QOL評価、政治学、英語学習法など幅広い領域に応用されているが、その特質として、人文科学における古典学的な研究分野、すなわち国文学や仏教学、宗教学にはそれほど適用されていないことが特徴である。その一因として、構造構成主義の中核原理は「存在・意味・価値は主体の身体・欲望・関心と相関的に立ち現れる」とする関心相関性にあるため、あらためて価値や意味を問う事を主眼とする人文科学領域においては、その価値や意味の「高度」や「深度」について問うための方法論が欠如していることが挙げられる。また、このことの付随的結果として、霊性(Spirituality)の領域について問い得ないという問題点を有する。

他方、ウィルバーによる統合的アプローチは、「全ては正しいが、部分的である」という方針の下、ありとあらゆる知の領域の妥当性を包括する四象限的なアプローチをとることができるが、人間の意識構造の高度の発達という、疑おうと思えば疑える根本仮説に依拠しているため、とりわけわが国においては、慣習的な学問領域と接続を果たしていない。

こうした、構造構成主義における根本仮説に依拠しない態度と、統合的アプローチにおける、包括的な姿勢とを統合する萃点となるのが現象学である。とりわけ構造構成主義においては、その中核原理が、もろもろの世界観・学問の確信成立の条件を問うための「方法」として位置づけられた現象学から導出されており、その意味で根本仮説に依拠しない姿勢を貫いている。他方、統合的アプローチにおいては、主観主義として現象学を捉える誤解はあるとしても、統合的アプローチの根底はやはりメガ(Mega-Phenomenology)提示されており、そうした意味で、根本仮説性を脱却する契機を有していると言えよう。

統合的構造構成主義は、「方法」としての現象学を基礎とすることによって根本仮説に依拠しないと同時に、立ち現れた「現象」における「視点」を定める領域存在論として統合的アプローチを用いることにより、古典解釈学としての文献学や人文科学のその他の領域、さらには社会・自然・人間諸科学における学的厳密性と科学性を担保することができる。また、現象学における超越論的主観性を、さらにそれを可能とする超越論的領野へと問うという深化によって、「霊性」の領域をも、そうした領域が確信される条件を取り出すという関心相関的方法によって、主体的にアプローチすることが可能になるのである。

当日は、この統合的構造構成主義の説明とともに、研究あるいは日常的実践の目的に応じた具体的な実践法を判断停止と還元・関心相関的/方法論的多元的選択・「構造」化・溯行的探求という3(4)ステップにまとめ、理解を容易にすることを目指したい。

コメント(9)

  • [1] mixiユーザー

    2009年10月08日 08:03

    うわ、充実してますね。

    烈君、生きてるか〜い?
    どうぞよろしく〜
  • [2] mixiユーザー

    2009年10月18日 07:42

    コーリン先生もいらっしゃるとか。
    期待してます。
  • [3] mixiユーザー

    2009年10月18日 11:24

    楽しみにしてます。

    ・根本仮説に依拠しない
    ・立ち現れた「現象」の「視点」の領域における存在論
    ・統合的アプローチにより、人間諸科学における学的厳密性と科学性を担保する

    この辺が、とっても興味です。
    現在の科学的方法論が、物質科学に根ざしているので、それをもっとメタな方法論を提示できれば、現在うまく科学的になれない領域にも、科学的に方法を確立することができる。
    それを可能にする方法論だなと、考えてます。
  • [4] mixiユーザー

    2009年10月18日 17:57

    補足です。

    メタ理論とは、研究したい領域に合わせて、具体的な理論にできる型のようなものと理解してます。

    つまり、メタ理論に、研究対象固有の条件をパラメータとして設定すれば、具体的な理論が出来上がるという便利なものとなる可能性があるわけです。

    このメタ理論が、メタ科学的方法論であれば、研究対象としたい領域固有の条件を設定すれば、その領域の科学的方法論が、出来上がるわけです。

    あくまで、理想系の話ですが、原理的には、そうなるはず。

    システム工学、モデリングでは、こういったアプローチを良くやりますが、とても良い方法だと思うのですが、こういったアイデアが、工学の世界に留まってしまっています。

    なんか拡がりが出てきて欲しいところです。

  • [5] mixiユーザー

    2009年10月23日 17:41

    参加者される方はお知らせくださいね。
    現在のところ、さわら・清志郎・アンナ・まりぃ・コーリン・甲田でしょうか。
    少人数もいいですが、ちょっともったいないですよ〜
  • [6] mixiユーザー

    2009年10月24日 13:12

    もう一度よんだけど、むむむむむむずかすい。
    れつくん、おてやわらかに。
  • [7] mixiユーザー

    2009年10月24日 13:46

    ふらふらふらふらふらふらげっそりげっそりげっそり

  • [8] mixiユーザー

    2009年10月26日 00:08

    素晴らしい議論でしたね。
    難しかったですが、勉強します。
    ありがとうございました。
  • [9] mixiユーザー

    2009年10月26日 05:21

    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1320565043&owner_id=4639496

    解説をごらんください。
mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!
  • 2009年10月24日 (土) 土
  • 神奈川県 相模大野
  • 2009年10月24日 (土) 締切
  • イベントに参加する
  • 気になる!
参加者
3人