IL CASTELLO DI ATLANTE Il Castello di Atlanteは北イタリアピエモンテ州ノバラ出身のシンフォバンド。ヴァイオリニストを含む5人編成。1976年に結成され、Vinyl MagicやArti e MestieriのリーダーBeppe CrovellaのElectromanticレーベルからCDをこれまでに合計5枚発表している。音楽的にはPFMやQuella Vecchia Locandaに近く、流麗で洗練されたドラマチックなイタリアン・シンフォの伝統をアナログキーボードを多用して表現している。プロデューサーはArti e MestieriのBeppe Crovellaで、メロディーラインの美しさには定評がある。
*Discography http://www.ilcastellodiatlante.com/dischiframe-e.html -SONO IO IL SIGNORE DELLE TERRE A NORD (1992) -PASSO DOPO PASSO (1994) '80s demo and live recording -L'IPPOGRIFO (1994) -COME IL SEGUITARE DELLE STAGIONI (2001) -QUINTESSENZA (2004) -CONCERTO ACUSTICO (2006) -the new CD is planed (2008)
1st Sono io Signore delle Terre a Nord(Vinyl Magic VM NP 03) 1992
Vinyl Magic Neo Prog.90シリーズの第3弾とリリースされたIl Castello di Atlanteの1stアルバム。情感豊かなヴァイオリン、リリカルなピアノと、まるで70年代イタリアのタイムスリップしたようなそのサウンドは当時かなりの話題となりました。ただし、テクニック的には同じレーベルのCalliope, Syndone程ではなくて、若干の甘さがあるところ など、70年代イタリア的です。
それもそのはず彼らは76年から活動するかなりのベテラン・バンドだったのでした。
出典: Gate of Dawn http://homepage2.nifty.com/gdawn/index.htm
76年から84年のデビュー前の未発表マテリアル集。録音状態も演奏も確かに荒いのですが、勢いのある演奏は往年のイタリアン・ロックを思わせます。特に80年代に入ってからの曲は、1st, 2ndに入っていてもおかしくないような出来。そのかわり、70年代の曲は少しシンドイかな? 大曲が多いのも時代を考えれば意外ですね。リメイクしてくれないかな?
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Il Castello di Atlanteの2ndアルバム。ヴァイオリンやピアノを活かしたスリリングで美しい1stアルバムの延長線上にある音ですが、全体的にゆったりとした感覚が強まったかな? 1stアルバムと違って、特定の楽器を前面に出すわけでは無く、あくまでも音楽のバランス勝負と言った感じですね。
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Castello di Atlante,待望の3rd!。新レーベルElectromanticのリリースでプロデュースはやはりBeppe Crovella。で、とにかくこれが完成度が高い!ヴァイオリンをメインとしたイタリア的な叙情に、マリリオン以降のNeo Prog.のイディオムが理想的な形で融合しています(ハケット風ギターとかね)。強引な展開はあまり無くとも、しっかりとした曲構成の中でドラマチックに盛り上げる実力は素晴らしい(^^)
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待望の4thアルバム(2004年)。華麗なヴァイオリンやピアノなど、持ち味を活かしたしっとりとした美しいアルバムに仕上がっています。メロディーやフレーズの良さを活かして、変にこけおどし的なところが無く、バンドの魅力がストレートに現れているのが良いですね。超絶技巧な新人が多い中、こういう方向も良いナァと思う今日この頃。個人的には文句無しの最高作!
出典: Gate of Dawn http://homepage2.nifty.com/gdawn/index.htm
70年代後半のイタリアの多くのグループのように、IL Castello di AtlanteはそのころCDをリリースするチャンスが全くなかった。しかし諦めずに活動を続け、Consorzio Acqua Potabileのように90年代にほぼオリジナルメンバーで1stアルバムをリリースした。
1974年後半にHydraというバンド名で結成したときは、Giogio Lobascioがギタリストだった。1975年にStato d' Amllarmeと改名し、ライブ1回だけで再びIL Castello di Atlanteへと改名した。その後、リードヴォーカルでギタリストのAldo Bergaminiがパーマネントメンバーになることにより、故郷のヴェルチェッリにてライブ活動を続けた。デモカセット「La Guerra dei topi」はこのころ録音された。オリジナルの5曲は、1982年までキーボードVittorio Pallavicini とギターDavid Ramponeなどのゲストによって演奏された。
1982年にフルート奏者のMarchioriがライブエンジニアとなってメンバーから脱退し、残った4人で2ndデモテープ「Semplice... ma non troppo」を録音。シングルを1983年2月にプライベートプレスでリリースし、これには新キーボード奏者Roberto Giordanoが参加した。バンドは細々と演奏し続け、1986年に3rdテープ「Passo di danza」を発表した。しかしこれは、Bergamini, Fiore, Ferrarottiの3人によるトリオであり、ほかのメンバーは仕事が多忙で参加できなかった。
90年代初めに、Vinyl Magic labelとArtie Mestieriのキーボード奏者Beppe Crovellaの目にとまり、ついにようやくデビューアルバム「Sono io il signore delle terre a nord」をリリースすることができた。典型的なイタリアンシンフォニックプログレサウンドを残しつつ、90年代フィーリングを取り入れたアルバムで、とても良い評価をうけ、復活したバンドとして、新たなスターティングポイントとなった。オープニングのTirando le sommeは、80年代のネオプログレバンドと少し似ており、la foresta dietro il mulino di Johan or Estateは、バイオリンがリードしフォーク的なタッチも含む大物イタリアンバンドに似ている。日本でもキングレコードが輸入盤を配給した。
1994年の2ndアルバム、「Passo dopo passo」は過去のマテリアル集で、デモテープに収録したスタジオ録音と70年代からのライブ録音により構成されているが、ジャケットには詳細なクレジットはない。同年の3rdアルバム「L'ippogrifo」はテビュー作の延長線上にあり、ある評論家は少しメロディアスすぎると評した。
その後、2001年に「Come il seguitare della stagioni」が、また2004年には「Quintessenza」をリリースした。
Il Castello di Atlanteは伝説の70年代グループPFMやQuella Vecchia Locandaなどの類似点がありりつつも、人柄の良さがにじみ出たとオリジナルなサウンドを持ち合わせているバンドである。
2005年にメキシコのBajaProgフェスティバルに出演し、日本のアストゥーリアス、フランスのEclatと出会う。その縁で2006年に、Eclatが主催するマルセイユProgSud2006に出演、アストゥーリアス, Arti e Mestieri, Caliope, Il Castello di Atlanteの4バンドによるGiovani Espressioni2006(ノヴァラ、イタリア)マネジメント、日本のPOSEIDON Festival 2008出演、など活発に活動している。
Arti e MestieriのリーダーBeppe Crovellaの日本語ブログで、カステロの新譜リリースが発表されました。
タイトルは「CAPITOLO 7 - TRA LE ANTICHE MURA」。来日に合わせての発売で、ライブ会場で販売します。Beppeのブログには、曲ごとの解説が入っていて、すぐに日本語に翻訳予定です。Beppeはこのバンドに随分入れ込んでいるようで、このブログでもたびたび触れています。
http://beppec.blogspot.com/2008/11/31-il-castello-di-atlante-presents.html