mixiで趣味の話をしよう

mixiコミュニティには270万を超える趣味コミュニティがあるよ
ログインもしくは登録をして同じ趣味の人と出会おう♪

開催終了夫婦(番外編です。8月のテーマではありません)

詳細

2006年08月13日 11:25 更新

 先日、親しい友人(といっても年齢差があって、『後輩』というのも職場くさくて少し違う。友達、友人という言い方がもっともしっくりくるだろうか)から、彼氏を紹介された。彼氏といっても、もうすぐ結婚を意識しているようで、いっしょに居酒屋でお酒を飲んだのだが、二人の仲睦まじさに思わず内心微笑んでしまった。彼女は明るく外向的で友達も多い。かくいう私の当然その一人だが・・・。今までも彼女を通じて何人かの人と良い出会いをさせてもらっている。
 2時間ほどお酒を飲んだのだが、その後、酔いの回った頭でいろいろ考えさせられた。彼女と彼氏はこれから結婚(たぶん)することになるのだろうが、やがて歳月が過ぎ、彼女たちが今の私の年齢になったとき、時代はどのように変わり、彼女たちはどんな生活をしているのだろうか? そして、私が彼女たちと同じ歳の頃どうであったか?
 あの頃、妻は自分の慣れ親しんだ環境からこっちへ来たばかりだった。こちらに土地勘が無かったわけではない。大学の4年間は東京で暮らしていた。1歳になったばかりの長男を抱え、次男がお腹の中にいた。
 そして私はというと、仕事がもっとも忙しい時期で、毎日帰宅は夜中の2時頃だった。私の身体もよく続いたと思う。朝には起きてちゃんと仕事に行ったのだから。会社に泊まることもしょっちゅうあった。だが、その反動は当然のことながら土日にきた。特に土曜日は朝起きられなくて、床から出るのがいつもお昼だった。日曜日も疲れがとれずにぼーっつとしていたのを覚えている。
 だが、妻は土日こそ家族団らんの日と心待ちにしていたことだろう。公園や図書館やデパートに身重の身体でありながら、よく外出したがった。私は疲れてはいたが、それでもつきあうのが夫としての愛情だと思って一緒に出かけた。
 町では私たちと同じく夫婦、家族連れ、若いカップルが様々に歩き、おしゃべりをしていた。
 時代はちょうど平成になったばかりで、自粛と新しい何かへの期待とが入り交じった不思議な静けさがあった。
「あなたと歩いていてもつまらない」
 ファミリーレストランで突然妻に言われたときは、何のことかよく分からなかった。
「いま、何を考えていたの」
「別に」
「仕事のこと?」
「仕事は家庭に持ち込まない約束だから、そんなこと考えてないよ」
「じゃ、何を考えていたの」
 時計を見ると午後1時半を少しまわっていた。
 お昼の混雑を避けて、雷鳥のマークのファミリーレストランへ昼食に入った。郊外を中心に最近活発に展開している。明るくて広い店舗と大きめのイスとテーブルは、小さな子供を連れている我々家族連れには重宝するお店だった。
 ランチをとりながらの二人の会話には取り立てて話すことは何もない。特に私は仕事の話を妻にはいっさいしなかった。だが、平日の大部分は仕事なのであり、その話をしないということは、自ずと話題にも限りがある。差し向かいでも、黙って食事をすることが多くなったのも事実だった。
 そんなとき、妻は長男に食べさせながら、さりげなく聞いてきたのだった。テレビドラマであれば、ここで男は不倫相手の女のことを考えていて、女は女の勘でそれを突き止めていく。そんなドラマが展開されるのだろうが、現実の私は疲れていて、何も考えていない、というのが本当のところだった。
「何も考えていないよ。ただ、何となく億劫で」
 私は正直に答えた。
「あなたは残酷よね」
 突然の妻の言葉に私は凍りついた。
「あなたは私が何か言っても生返事ばかり。こうして家族3人、黙って歩いて、食事して、何が楽しいの」
 妻の言いたいことは分かっていた。
「でも、毎日がお祭りじゃなし。楽しいことばかりはないよ」
「当たり前じゃない。そんなことを言ってるんじゃないわよ」
 今日の妻は少ししつこかった。
「なぜ、あそこの家族連れは楽しそうに見えるの?」
 妻の目線を追うと、そこには同じく3人連れの家族がいた。どんなおしゃべりをしているのだろうか。妻と夫に交互に顔がほころんでいかにも楽しそうに見えた。だが、話していることはたわいもないことのように思われた。
「何か冗談でも言ってるのかなあ」
「あなたからは冗談も出ないのね」
「親父ギャグでも聞きたいの」
 妻のしつこさに私は苛立っていた。
「親父ギャグを馬鹿にしてるけど、あなたなんか親父ギャグ一つとばせないじゃない」
「そんなに面白いギャグを聞きたければ、家に帰って漫才でも見ろよ」
 後はお互いにとげのある言葉の応酬だった。
 あのとき私は、
(おしゃべりのうまい奴はいいな。俺みたいな下手な奴はどうすればいいんだ。そんなことも夫婦げんかのたねになっちゃう)
 やれやれ、と落胆したものだった。
 だが、本当にそれで良かったのだろうか、といまになって思う。
 と同時に無理をしたら、どこかにそのひずみはきていただろうとも思う。
 私は二人の仲睦まじさを思い返しながら、翻って私たち夫婦は結婚するまでに、そんな期間がほとんどなかったなあと思い返していたのだった。

コメント(4)

  • [2] mixiユーザー

    2006年08月18日 06:13

    私は、自分の事を何でもいいから話すようにしていますね。
    「今日わたしはこうだった」「私はいま、こう思っている」とか……

    相手に「何で話さないの?」と言っても、話す内容が無いから話さないのは当り前ですしね。相手が話して当然、と思うなら、なんで話さない?と思うのであって… それが当然じゃなければ、別に、話さなくても普通ですしね。

    結構「周囲がこんな事して当然!」と思っている人が多いのには、ちょっと驚き。相手に望んでも意味無いし… だったら自分がどんどん話せばいいだけだし、って事で、結局簡単なことなんじゃないかな。

    趣味の内容や価値観とかが正反対なら、それは自分が知らない世界だから「それってなに?」って聞くのって、面白くないですかね…… う〜ん、私なら、趣味や価値観の違う人、世代の違う人はかなり大切で、話を聞いているだけで面白いですが…… う〜ん。難しいのかな。
  • [4] mixiユーザー

    2006年08月18日 22:18

    たろさん、あずさん、コメントありがとうございます!
    「作家街」のコミュは、現在ミクシィを飛び出して、ウェブに移行しようかと検討しているところです。
    ただ、たまにこうして番外編で作品を発表しても良いですね。
    参加者の方もテーマにとらわれず、発表して頂ければ、と思います!

    >たろさん
    40代の人から特にこの「ずれ」の話を聞きます。
    ちなみにたろさんが作者なら、無口になった理由は何にしますか?

    >あずさん
    あずさんみたいな人だけだったら、人生は楽しいかもしれませんね。「小説は人間を書け」と言いますが、人間を書くのはなかなか難しいですね!
mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!
  • 2006年08月31日 (木)
  • 都道府県未定
  • 2006年08月31日 (木) 締切
  • イベントに参加する
  • 気になる!
参加者
1人