テクノ大国ドイツにおいて、10年以上に渡って第一線で活躍を続けるミニマム・ファンク/テック・ハウスのマイスター Steve Bug。'91年にイビザの名物クラブ Space の近くにあるアフター・アワーズ向けのバーで DJ としてのキャリアをスタートさせ、その後間もなく地元ブレーメンのクラブにレジデント DJ として迎えられた彼は、テクノとハウスの間を行き交うその個性的なサウンドで注目を浴び、一躍人気を博すこととなる。
'93年には、ハンブルグの Superstition Recordings から初のオリジナル作品をリリース。その3年後には自身のレーベル Raw Elements を設立し、Felix Da Housecat の12インチや、自身のオリジナル・アルバム "Volksworld"、 ミックスCD "Da Minimal Funk Part 1 & 2" といったハイ・クオリティな作品を次々と世に送り出していった。レーベルは好調に活動を続けていたが、新たな2つのレーベル Poker Flat と Dessous 設立のため、彼は Raw Elements の短い歴史に幕を閉じることを決意する。
'98年に立ち上げたその2つのレーベルの成功により、Steve Bug の快進撃が始まることとなる。Poker Flat からの記念すべき初リリースとなった自身のセカンド・アルバム "The Other Day" の一曲目に収録されていたミニマル・チューン "Loverboy" がいきなりのヒット。一方、ディープ・ハウス系のリリースが中心の Dessous では、Vincenzo と組んだ Discowboys として活動し、自身の幅広い音楽性を世間にアピールすることに成功した。また、Jeff Samuel、Martin Landsky、Phonique といった質の高いアーティストを次々と世に送り出したことにより、世間は彼の鋭い選択眼に一目を置くことになるのであった。
'01年には、ミックスCD "Steve Bug presents The Flow" を Sven Vath の Cocoon Records からリリース。続いて、翌年にはサード・アルバムとなる "Sensual" を Poker Flat から発表する。'03年になると、Richie Hawtin とのコラボレーションで Minus から "Low Blow" を、また Common Factor とのコラボレーションによる12インチを Tactile からリリース。また、同年には7年ぶりとなるミックスCDシリーズ待望の第3弾 "Da Minimal Funk Part 3" をリリースして話題を呼んだ。