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開催終了文化セミナー「講座 日本近現代史概説―なぜ“十五年戦争”は始まったのか?−」開講のお知らせ

詳細

2006年04月24日 16:37 更新

 皆さんこんにちは!文化部代表・大庭です。ここ数年、いわゆる「靖国参拝問題」など歴史認識をめぐる、日本と中国およびアジア諸国との対立の溝が深まっていることはご存知の通りです。事実上、不幸なことに日本政府要人と中国政府要人との対話が決裂状態にあることは、両国の国益からみても極めて遺憾な状態です。

 私たち一般市民においても一時期、連日のようにテレビで報道された反日暴動の映像に心を痛めると同時に、本来共に理解しあい、手を携えてゆくべき日中両国民の相互認識に大きな歪みが生じているのも否めない事実です。日本の戦争責任問題を議論するマスコミの企画、報道、出版物も毎年増大の一途をたどっていますが、議論ははてしない迷宮入りとなっている状況です。

 ここで問題を提起します。今、本稿をお読みのあなた、日本がなぜ、戦争に突入したのか、その開戦と敗戦に至るプロセスをどの程度理解できていますか?自分でどの程度説明できますか?結果のみを善悪の観点から議論しても結論は出ません。戦争は自然災害と異なり、「始まり」と「終わり」が必ずあり、決定に至るまでのプロセスがあります。それを理解せずして平和の実現と維持はありえません。

 今回、我が文化部では文化セミナーの一環として日本近現代史入門講座を開催します。といっても趣味のサークルやカルチャーセンターではなく、真剣に、体系的に知識を身に付けることを目標とした、大学での講義と同様の本格的なセミナーです。もっとも、限られた時間内ですべてを講義することは不可能です。あくまで受講者皆さんの主体的な学習をサポートする準備セミナーであることを断っておきます。
 本セミナーの受講を通じて、受講者皆さんが近現代史、さらには歴史学全体に関心と興味を持ち、自身の実生活における様々な局面で、学び得たことを活かすことができるようになることを願ってやみません。

 講師は不肖・大庭が担当いたします。一市民の視点で勉強を続けてきた成果を少しでも皆さんのお役に立てるよう努力いたします。ふるってのご参加、よろしくお願いします。

講義要項

科目名「日本近現代史概説―なぜ“十五年戦争”は始まったのか?―」
担当講師 大庭乱
講師略歴 
1977年長野県生まれ
愛知大学文学部史学科日本史専修卒 中学・高校地歴公民教員免許取得。
同大学院修士課程(日本文化専攻)中退。
現在 日中交流会Project 21st 文化部代表
専門 日本近現代史・日本政治思想史。歴史教育にも広く関心を持つ。
講義の目的
 いわゆる十五年戦争(満州事変から敗戦まで)の起源は明治までさかのぼることができる。敗戦までの過程を学ぶことは近代日本の歩みを総括することに他ならない。戦後60年、中国を始めとするアジア諸国とわが国との間に「歴史認識問題」をめぐり紛糾が絶えない。歴史観を問う以前に、日本が近代に歩んできた道筋をたどり、体系的にプロセスを把握する必要がある。講義では基本的な歴史的事実・流れを把握することにつとめ、受講者が自主的に学習を行うことのできるようになることを目標とする。

 なお、歴史観そのものを問う(自虐的か否か)、歴史事実の是非を問う(南京大虐殺はあったか、なかったか)といった議論のための議論は扱わない。基本的に「考える題材」は提供するので結論は受講者各自が導きだして欲しい。

テキスト
 江口圭一『1941年12月8日―アジア太平洋戦争はなぜ起こったか―』
岩波ジュニア新書 1991
上記文献に沿って講義を進める。受講者は全員購入し、指定する章を事前に読んでいることを前提に講義を実施する。

講義形式
 通年(2006年4月開講2007年3月まで)とする。半年をもって前期・後期とする。1ヶ月に1回、全12回。一回あたり120分とする。時間配分は以下の通り。
 60分 テキストに依って概説(例 日清戦争から日露戦争までの過程)
 30分 トピックス解説(例 特攻隊・沖縄戦・原爆など重大事件・用語の解説)
 15分 質疑応答 講義中にわかりにくかった点、もっと知りたい事柄があれば応じる。
 15分 小レポート 講義内容の理解度をはかる問題を回答してもらう。他、感想など

試験形式
 講師・受講者双方の緊張感を持続し、一定の成果をあげるため試験を実施する。
前期一回、後期一回。筆記試験(短答式と論述式)及びレポート。
点数配分は短答式30点・論述式50点・レポート20点とする。他、平常点も若干加味する。前期・後期合計150点以上を単位認定とする。なお、講義終了後、さらに学習を深めたいなど要望があれば相談に応じる。

講義計画 

前期(2006年4月〜9月)
第1講 ガイダンス 
なぜ近現代史を学ぶことが重要なのか?学ぶことの意義・現代社会との接点、歴史教育の抱える問題点を考える。
 基本的用語の解説 陸海軍の制度機構について(階級など)

第2講 明治維新から日清戦争まで
 日本はどのようにして朝鮮半島・中国大陸へ侵略していったのか。
<トピックス> 建軍の思想について―軍人勅諭と皇軍の誕生―

第3講 日露戦争から満州事変の発生まで
 西欧列強に並ぶ軍事的実力を発揮した日露戦争で日本が得たものとは何か?中国側における抗日運動はどのように発生したか?
<トピックス> 日本海海戦と大艦巨砲主義

第4講 満州事変と日中戦争の始まり
 満州国建国がもたらした影響、日本の満州経営構想、日中戦争の原因と実態
<トピックス> 2・26事件について―統制派・皇道派の派閥抗争と軍部独裁―

第5講 泥沼の日中戦争と戦争犯罪問題
 華北分離工作・西安事件から、いわゆる南京大虐殺などの発生について
<トピックス> 731部隊と細菌戦・人体実験の実態

第6講 日独伊三国同盟と南進論
 アジア太平洋戦争への道はどのように切り開かれていったのか?
<トピックス> ノモンハン事件にみる日本軍の本質
(前期試験実施)

後期(2006年10月〜2007年3月)
第7講 日米開戦
 仏印進駐とアメリカの反応、開戦までの外交戦略、東条内閣の成立。開戦の決定はいかにして下されたのか?
<トピックス> ゼロ戦―零式艦上戦闘機の実力と日本航空産業の歴史―

第8講 真珠湾奇襲攻撃と緒戦の勝利
 真珠湾からマレー半島攻略まで。世界戦争はどのようにして広がっていったのか?
<トピックス> 山本五十六と連合艦隊
第9講 挫折と敗戦の予兆
 日本初空襲とミッドウェー海戦の敗北・ガダルカナルを巡る攻防戦
<トピックス> 「大東亜共栄圏」の実態

第10講 戦時下の日本国民・アジア民衆
 配給生活の日本人の陰で中国・朝鮮などアジア民衆の犠牲があった。
<トピックス> 戦争体験の継承と問題点―体験者の語ること、語りたがらないこと―

第11講 「大日本帝国」の崩壊
 サイパン陥落と東条内閣退陣、フィリピン戦と「神風特攻隊」の誕生、沖縄戦
<トピックス> 特攻隊の実態―神風特攻隊から戦艦大和出撃まで―

第12講 敗戦
 東京大空襲、本土決戦の準備、二度のポツダム宣言、ソ連の対日参戦と満州侵入、広島・長崎の原爆投下から御前会議による「終戦」の決定。
<トピックス> 沖縄戦と原爆―国民が戦火にさらされる、ということの意味―

まとめ 

(後期試験実施)

 講義計画はあくまで予定。状況によっては変更・省略もあり。トピックスでは大学・高校などで教えられることの少ない軍事史を中心に取り扱いたい。参考文献は随時紹介する。以下、基本的な文献のみ列挙しておく。

江口圭一『十五年戦争小史 新版』青木書店 1991
江口圭一『大系日本の歴史?二つの大戦』小学館ライブラリー 1993
江口圭一『昭和の歴史?十五年戦争の開幕』小学館ライブラリー 1988
家永三郎『太平洋戦争 第二版』岩波書店 1986
遠山茂樹・今井清一・藤原彰共著『昭和史 新版』岩波新書 1959
吉田 裕『昭和天皇の終戦史』岩波新書 1992
保阪正康『あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―』新潮新書 2005
保阪正康『昭和陸軍の研究』 朝日文庫 2006

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第1講「ガイダンス」開催日

受講料:1回につき、2,000円
定員:10名(10名になり次第締め切らせて頂きます。)
テキスト代別

受講御希望の方は参加希望の旨を書き込みください。

コメント(1)

  • [1] mixiユーザー

    2006年05月22日 15:25

    第2講 明治維新から日清戦争まで

    日本はどのようにして朝鮮半島・中国大陸へ侵略していったのか。

    <トピックス> 

    建軍の思想について―軍人勅諭と皇軍の誕生―

    いよいよ、28日(日)は2回目ですね。
    受講される方は、テキストの30−40頁を読んできて下さい。
mixiユーザー
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  • 2006年04月30日 (日) 10:00〜12:00
  • 愛知県 当校セミナールーム
  • 2006年04月28日 (金) 締切
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参加者
1人