アムネスティより、チベット人歌手ジャムヤン・チー（加羊吉）さんを救うための緊急行動が出されました。

アムネスティ日本による公式な日本語訳とアピール例文がリリースされましたので、情報を更新しました。

下に詳しいことが書かれていますが、ジャムヤン・チーさんは何の罪状かも分からないまま、ある日突然職場から私服の公安によって連れ去られ、安否の分からないまま、もう1ヶ月以上が経過しています。
ジャムヤン・チーさんは、拷問や虐待を受け、命を脅かされている可能性があります。

アムネスティの緊急行動（アージェント・アクション）では、ジャムヤン・チーさんのような「良心の囚人」（暴力をもちいていないのに、自らの信念、人種、宗教、肌の色、出自などを理由に囚われの身となった人びと）を救うための活動が行われており、今までに何人もの人々が釈放されてきました。

ご協力のほどよろしくお願い致します。m(__)m

また、この件に関する日本語によるご案内が「チベット式」ブログにありましたので、そちらも転載させていただいます。

　　　　　　　　　　◇

■ジャムヤン・キ（加羊吉）／
著名な歌手（チベット語の歌謡曲）。『香巴拉』(シャンバラ)、『黒帳逢』(黒テント)、『遠方的情人』（遠くの恋人）、『縁分』（カルマ）など作品多数。
近年は青海テレビ局（青海電視台）でチベット語番組の制作に携わる。
2006年に訪米し、亡命チベット人ミュージシャンらと共演。
女性や子どもの権利についての執筆活動でも知られている。
4月1日に青海省公安当局に拘束されたと報道された。

（チベット式：青海省でチベット人歌手、テレビ関係者、教師らが行方不明
　http://tibet.cocolog-nifty.com/blog_tibet/2008/04/post_07a7.htmlより引用）

　　　　　　　　　　◇

UA ナンバー：UA 117/08 　　　　　国際事務局発信日:２００８年５月１日
AI Index : ASA 17/073/2008 　　　期限：２００８年６月１２日
国名：　中華人民共和国
ケース：　拷強制失踪/拷問とその他虐待の恐れ

対象者： ジャムヤン・チー（加羊吉）　42歳　チベット人ミュージシャン、作家

チベット人のミュージシャンで、女性問題の作家としてよく知られるジャムヤン・チーさんが強制失踪の犠牲者となっているとみられる。ジャムヤンさんは拷問あるいはその他虐待を受けている危険性があり、生命の危機にさらされている可能性がある。

国営青海テレビ局のチベット語部でテレビプロデューサーとして勤務するジャムヤン・チーさんは、4月1日青海省西寧市にある彼女の事務所から私服警官に伴われ連れ去られた。ジャムヤン・チーさんは当初西寧市の公安オフィスに拘束されていたが、4月4日あるいは5日にジャムヤンさんは連行され居場所は公表されていない。彼女に対する正式な起訴は明かされていない。

ジャムヤン・チーさんは4月17日までは自分の携帯電話で家族と連絡を取り続けることができた。それ以後彼女の携帯は電源が切られていると思われる。2回行われた家宅捜査の間、彼女個人が所有するパソコンやその他私物品が警官によって押収されたと報告されている。

ジャムヤン・チーさんはミュージシャンとして、また女性問題の作家としてチベット人の間でよく知られている。モダンポップと伝統的なチベット音楽を融合した4枚のアルバムをリリースし、2006年にはアメリカツアーで公演と講義を行った。彼女のブログ　www.tibetabc.cn/user1/jamyangkyi/index.html　
はチベット人の若者の間で人気がある。しかし、拘禁される7ヶ月前からブログ更新はされていない。当局によるジャムヤン・チーさんの拘禁は今回が初めてであると思われる。

背景情報
この数週間に、中国当局は何千人ものチベット人を拘禁した。3月10日、首都ラサで行われた僧侶たちによる平和的抗議行動がきっかけで始まったチベットの騒乱は3月14日に激化した。4月29日には、30人のチベット人が3年から終身刑の実刑判決を受け、裁判において、公正な裁判に関する国際基準を違反していることをアムネスティ・インターナショナルは懸念する。

アムネスティ・インターナショナルは以前、チベットで中国の治安部隊が被拘禁者たち　―特に中国当局が‘分裂主義’活動家として起訴した人々　―　に行った拷問と虐待行為の形態に関する報告を文書化した。各国の経験から、拷問やその他虐待は秘密主義、透明性の欠如、公正な裁判の権利の不尊重、そして説明責任の欠如といった環境下で起こりやすいことがわかる。中国は、チベットにおける独立した人権監視団の受け入れを長年拒否し、外国人ジャーナリストや外部の独立した監視員の立ち入りを現在事実上禁止している。こうした理由から、アムネスティは現在拘禁されている人びとの安全と健康状態について危惧している。

アクション：英語、中国語、あるいは母語で以下の内容のアピールを作り、航空便、航空書簡（全世界90円）、電報、ファックスあるいはeメールで、できるだけ早く送ってください。同じ内容のアピール例文が後に続きます。それをご利用ください。

-中国当局に対し、ジャムヤン・チーさんの居場所を明らかにするよう要請する。
-ジャムヤン・チーさんが拘禁されている場合、速やかに身の安全の保証をし、拘禁中に拷問や虐待を行わない保証をするよう当局に対し要求する。
-明らかに国際的に認められる刑事事件で起訴される場合を除き、直に無条件に彼女を釈放するよう当局に要請する、
-ジャムヤン・チーさんが速やかに弁護士と親族に連絡が取れるよう、また必要な治療が受けられるよう要求する。

宛先：
首相
中国100017
北京市　西城区　府右街2
国務院
温家宝　総理　收
ファックス：　＋86 10 65961109（中国外交部部長様方）
Eメール：gazette@mail.gov.cn
英文の場合の書き出し:　　Yours Excellency

青海省長
中国　810000
西寧市　西大街12
青海省人民政府
宋秀岩　省長　收
Fax +86 971 8239540
Eメール : l webmaster@qhinfo.com
Salutation Dear Governor

青海省公安庁長
中国　810000
西寧市
公安廳大楼
青海省公安廳
何再貴　廳長　收
Fax +86 971 8293220
Salutation Dear Director

コピーの宛先
駐日中国大使
106-0046
東京都港区元麻布3-4-33
中国大使館　特命全権大使
崔天凱　閣下
info@china-embassy.or.jp

できるだけ早くアピールを出してください。期限を過ぎた場合はUAセンターまでお問い合わせください。

（アピール例文）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（手紙を書いた日付を入れてください）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（あなたの住所と名前を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ローマ字で書いてください）

中国100017
北京市　西城区　府右街2
国務院
温家宝　総理　收

I respectfully urge the Chinese authorities to clarify the whereabouts of Jamyang Kyi　(加羊吉）.
And I call the authoriｔies to provide immediate guarantees for her safety, if she is in their custody, and to give assurances that she will not be tortured or ill-treated in detention.

The authorities is required to release her immediately and unconditionally unless she is charged with a recognisably internationally criminal offence.

Lastly I would like to calling for her to be given immediate access to a lawyer, to her relatives, and to any medical treatment she may need.

Sincerely yours,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（あなたの署名を入れてください）

CC: 中国大使館　特命全権大使 崔天凱　閣下

※注意
　住所を書くのをためらわれる場合
　「Tokyo, JAPAN」などと省略していただいても、
　アムネスティ日本の住所を使っていただいても結構です。
　アムネスティ日本の住所は以下のとおりです。

　〒101-0054
　東京都千代田区神田錦町2-2　共同ビル（新錦町）4F

（アムネスティ日本緊急行動サイト
　http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1620より引用）