フランスの現代劇を代表するダヴィッド・レスコによる戯曲『破産した男』(原題:Un homme en faillite)は2007年にランスの劇場で初演された後、フランス各地で上演され大きな反響を呼びました。 物語の着想は「借金の返済能力がなくなった人々は自己の所有物を売却すること」、という近年制定されたフランスの法律から得られています。彼らは「生活必需品」として認められるわずかなものを除き、今までの人生で手に入れてきたもの、彼らのアイデンティティを形成してきた道具でもある様々な品物を手放し、新たな人生を歩まなければなりません。 『破産した男』は、現代的なテーマをもとに、人間がたった1人、四方を壁に囲まれた時何を発見するか、ということを語る、独特で啓蒙的な物語です。