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開催終了イギリスで三線

詳細

2013年06月17日 20:24 更新

先日「スイスで三線を弾く」という話題を提供しましたが、
実は、私は海外では3回目になります。
その初回(イギリス)の模様を記録していますので紹介させていただきます。
因みに、2回目は南太平洋のフィジー島です。これはまた後日に。


英国で沖縄サンシンを弾く
                    2008.8.17. 高橋 勝史
英国バークシャー州の田舎町で姪(NORIKO 私の姉の娘)の結婚式があり、その披露宴の席で沖縄サンシンを弾くことになったのです。
渡英の数ヶ月前にNORIKOから連絡があり、
「おっちゃん、イギリスでサンシン弾いてよ。いろいろな国の人が来るからウケると思うわ。」
私は、5月に沖縄で別の姪(私の兄の娘)の結婚式でサンシンを弾き、そのウワサがイギリスにいるNORIKOに伝わったためです。
私は、サンシンを習いはじめて2年のど素人であり、沖縄での結婚式なら余興でやってみるかということになったのですが、英国で弾くとは考えてもいなかったのです。

2008年8月10日に英国のストリートリーという田舎町で姪の結婚式が行われました。
結婚式では、チェロ奏者がバッハの何とかかんとかを弾き、若いお嬢さんが爽やかなフォークソングをギターで弾き語り、披露宴になってからも冒頭から弦楽五重奏でブラームスの何とかかんとかを演奏したりとハイレベルな音楽演奏が続く。
おいおい、こんな中で、サンシンなどというマイナーな民族楽器を持ち出しても良いものだろうか。しかもど素人が。
その後、披露宴は英国流で司会もなくスピーチもなく延々とバイキング方式の食事が続く。
超心配になってきたおっちゃんは弱気になり花嫁にささやくのであった。
「友人のスピーチのついでにちょこっと余興でサンシンを弾くだけにするからね。」
「おっちゃん!友人のスピーチなんて無いねん。イギリスでは食事の時にスピーチや余興なんてことせえへんねん。」
彼女は大阪育ちなので大阪弁丸出しである。
4時から始まったディナーは8時半になってようやくデザートに移る。少々うす暗くなってきて、鴨の群れが水辺のレストランの窓をかすめていく。この辺は北海道より緯度が高く、夏でも肌寒く、夜の9時になっても未だうす明るい。
「おっちゃん!そろそろ出番やで。」
おっちゃんは沖縄のミンサー織りの着物に着替えて心細く待機する。
その前に、ソプラノ歌手の出番があり、アベマリアを熱唱する。声が部屋の隅々にまで響き渡る。
もうダメだ。
サンシン1本の音量はしれている。しかも私の声は通らない。このレストランには音響装置がなく全てナマである。日本カラオケ流でエコーとボリュームでごまかすわけにはいかない。それに私はあがり症ときている。できることなら逃げ出したい。
それでもついに気弱なおっちゃんがサンシンを持って諸外国の招待客80余名の前に立った。
後で調べて判ったのだが、以下のような国々の人が出席していた。
イギリス、ドイツ、イタリア、イスラエル、エジプト、パレスチナ、ギリシャ、メキシコ、スペイン、インド、トルコ、南アフリカ、アメリカ、韓国、それに在欧日本人。
さて、サンシンの説明を英語でせねばならないが私にできるはずがない。
ここは、かねてより計画してあり、花嫁の妹の夫(ARJUN インド人)が担当する。
まずは、「沖縄」を説明せねばならない。
日本通の彼はみごとにこれを説明した。
「日本は4っつの大きな島で構成されているが、そこから2000km南西の洋上にオキナワという離島があります。」
彼はインドの正装、私はオキナワの着物と見た目もおもしろく、ARJUNのナレーションもみごとで会場は静まりかえり注目が集まる。
意外にも、一曲目の「芭蕉布」は快調に弾けた。声も通っている。
適度な時差ボケとディナーのワインがほどよく効いているからだろう。
ARJUNの解説は続く。
「サンシンに張ってある皮は、ニシキヘビの皮で、希少動物保護のワシントン条約に触れるため、英国へ持ち込むにはいくつかの手続きが必要だったのです。」
会場からどよめきがおこる。
実は、この時のサンシンは人工皮革であり、お咎めなしの物だったのです。
当初、本物を持っていく予定だったのですが、直前になって気が変わり、沖縄料理店の壁にかかっていたイミテーションを借りてきたのです。
本物を持って行きたかったのですが情報によるとかなりのリスクもあるようだ。関空の出国窓口の所にも持出制限品目が並べられておりニシキヘビの皮を張ったニ胡も置いてある。また、入国チェックリストにワニ、ヘビ、カメなどの制限が記されており、見つかれば没収の危険性もあるのです。
結果的には、一度も楽器ケースを開けられることなく出入国できたのですが、気の弱いおっちゃんは慎重を期したのでした。
二曲目「なりやまあやぐ」は、さらに快調で、自分の肉声が部屋の隅々に届いているのが判る。
三曲目「安里屋ゆんた」では、在欧日本人のテーブルから手拍子が起こり、やがて会場中が手拍子となった。
終わってみれば、やんやの喝采で大成功でした。
演奏が終わってからも、私のテーブルに次々と外国人がやってきて、
「右手に持っていたピックをみせろ。」
「弦は何でできているのか?」
「この弦とこの弦は1オクターブか?」
「税関をどうして抜けてきたんだ?」
「ロンドンにもシャミセン教室があると聞いている。」
在欧日本人からは、
「イギリスでこんなのが聴けて感動だった。」
「夏川りみの涙そうそうを弾いてくれ。」

思えば、私は、ここのところ毎月どこかでサンシンを弾いてきた。
下手だけれども場数は踏んできた気がする。その蓄積が英国で役に立った。
2月 親戚の法事で(松阪)
3月 大学のクラス会で(鎌倉)
4月 部下の結婚式で(富山)
5月 姪の結婚式で(沖縄)
6月 サンシン教室の発表会で(宮古島)
6月 会社の送別会で(富山)
8月 花火大会前夜祭で(富山)
8月 イギリス出発直前に会社の納涼祭で(富山)
8月 そして今回、姪の結婚式で(英国)

単身赴任のつれづれに始めたサンシンがすっかり自分の趣味に定着した。
サンシン教室では「サンシン赴任おじさん」の名で通っている。
今回ARJUNに「サンシン赴任おじさん」を通訳して紹介してくれ。」と言ったが、さすがに「ギブアップ!」であった。

コメント(1)

  • [1] mixiユーザー

    2013年06月18日 12:19

    なんとInternationalな…(^_^;)

    でもこういう国際交流が、一番楽しくて効果的なんだろうなぁと思います。

    2回目の海外演奏レポも楽しみにしています(笑)
mixiユーザー
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