フランスの哲学者ジャック・デリダは詩を「apprendre par coeur(心臓で学ぶ=暗記する)」ことといっています。それをうけて次のようにいえるのはないでしょうか。詩とは、わたしがあなたの言葉を覚えられるか、あなたにわたしの言葉を覚えさせることができるか、というもっともありふれた、そしてもっとも困難でもあるコミュニケーションから、言葉を記憶に残すためのリズム(心臓)を、言葉を練ることそのものでつくり、特定の時代や空間、言語からもっとも遠くまで漂流させる翻訳可能性を練ることである――いわば言葉によって言葉を入れる壜をつくる「投壜通信」である。Bottle/Exercise/Cypherはそのような詩の可能性をもういちど目に見えるようにするためのエクササイズです。