劇作家・演出家コース 第16回公演

「ミラー・ツイン」

原案／舘小登里
作・演出／舘小登里・白川ヒロ・森澤宏昭・叶逆転
出演／渡辺 和徳・杉山 圭一・北田 理道・高野 愛

劇作家・演出家コース生４名による、初の合作作品！

今回の作・演出を担当するのは、コース第５期生の４名。うち白川、森澤、舘の３名は、すでに数回の公演を経て、自身のスタイルを確立しつつあります。そこに新人の大嶋を加え、全く異なる４人の個性がぶつかり合うこの公演。いったいどんな作品が生まれるのか、どうぞご期待ください。

---公演情報---

日時／2009年7月31日（金）〜8月2日（日）　全4公演
　　　　・7月31日19時開演　8月1日14時/19時開演　8月2日14時開演

会場／滝野川会館・大ホール（ＪＲ駒込駅東口　徒歩10分／ＪＲ上中里駅　徒歩７分

料金／当日券のみ　2,000円（全席自由）

＊開場は開演の30分前です。
＊当日券は開場時から発売いたします。

---あらすじ---

　その記者会見場は異様な熱気に包まれていた。移植医療の世界を一変させる画期的な人体再生技術の成功が発表されたからだ。ミラー・ツインと呼ばれる特異な体質を持った一卵性双生児だけに見られる特殊な遺伝子を利用することでの臓器の完全再生に、帝都大・畠田教授のチームが成功したのである。後は人体への移植実験に移行するのを待つのみである。

　チームの主任研究員・永瀬律は誇らしげに胸を張り、畠田らと記者会見場のひな壇の上で取材カメラのフラッシュの放列を浴びていた。しかし、会見場にいた一人の医療ジャーナリスト・沙希の追及によって晴れやかな場は台無しとなってしまう。

　数日後、重い肝臓の病気を患って余命幾ばくもないという相川響が沙希とともに律たちの研究室を訪れてきた。畠田教授は格好の人体実験材料が現れたと喜ぶ。が、響は幼少のころに生き別れとなった律の弟であり、その出生を巡る律との悲しくつらい過去を持っていた。２０年ぶりの響との再会に、律は忘れようとしていた過去という鏡に映ったもう一人の自分と向き合わなければならなくなった。

　果たして、響の来訪の目的は？　沙希はなぜ響とともに律の前に現れたのか？　突然突きつけられた鏡の向こう側に、律はいったい何を見つけるのか？　

　再生医療の現場を舞台に、人間の絆と生の在り方を問う、★☆北区つかこうへい劇団劇作家・演出家コース第５期生４人の共作による意欲作。乞うご期待。


---劇作家プロフィール---

・舘 小登里

　石川県金沢市出身。高校卒業後、東京に憧れ、「何か」が見つかる気がして上京。しかし、何も見つからないまま１０余年が過ぎる。２００２年、初めて観た舞台に、「何か」を直感、劇作家コースに応募し、現在に至る。今回が上演３作目。

【上演記録】
　劇作家・演出家コース公演
　「トライアングル・ウェディング（第一話）」「石動まどりがる」

・白川ヒロ

　新人劇作家公演にて「オオカミの耳はロバの耳」「トライアングル・ウェディング（第二話）」「殺人のスヽメ」　作・演出。
その他、外部舞台・アニメ・映画など様々活動中。

【上演記録】
　劇作家・演出家コース公演
　「オオカミの耳はロバの耳」「トライアングル・ウェディング（第二話）」
　「殺人のスヽメ」

　舞台「メルシィ！僕ぅ？」（明石家さんま主演）
　舞台「エブリリトルシング」（井上和香主演）同作今夏再演予定。
　アニメ「うちの３姉妹」

・森澤宏昭

　★☆北区つかこうへい劇団〈劇作家・演出家コース〉の中にあって、際物作家と呼ばれ、過去３回の自作公演では、役者に箱をかぶせるわ、よさこいを踊らせるわ、坂本龍馬をカーボーイ姿で演じさせるわと、その自由さにコース仲間からは白眼視されているきらいがある。
だから今回５期生チームの共作という形で参加はしているものの、出すアイデア、出すアイデア、芝居の流れから逸脱するものばかりなので、ことごとく仲間から拒絶され、半ばアンタッチャブル状態になっている。しかし、そういう空気の読めないこの男は、「今回の芝居では、役者にミトコンドリアみたいな着ぐるみを着せて、遺伝子をやらせよう」と強硬に主張している。そんな不謹慎きわまりないこの男のそばには、仲間も役者も近づかないようにしているらしい。
でも、夜明け間近の吉野家で、牛皿をつまみにビールをやりながら、「作家や演出家っていうのは、いつだって孤独なもんさ」といっぱしの口を叩いている身の程知らずなこの男の姿には、すでに加齢臭も加わった悲哀が漂い始めていて、なにやら涙を誘う。

【上演記録】
　劇作家・演出家コース公演
　「明日のシェリー」「ブーツを脱いで朝食を」「ブルー・スカイ・ブルー」

・叶逆転

　長崎県出身。都会に憧れ上京。演劇の素晴らしさ知り、芝居見たさに下北沢に引っ越す。今度は書きたくなり３回目の挑戦で５期生として入塾を許される。作・演出は初体験。夢は単独での作・演出。