(4)サン・ジョセフ【新ローヌ】 Pierre Gonon, Saint Joseph AOC 2006 ⇒シラー100%。開放式の大きな発酵槽を使用し、一部は除梗します。発酵とマセラシオンの段階でルモンタージュとピジャージュを一日に2回、3 週間行います。その後ワインを大樽に移し12〜14ヶ月熟成させ、フィルターをかけずにボトリングします。若いうちに非常にタニックですが、数年寝かせることでタンニンは滑らかになり、アロマはより複雑になります。2004年ヴィンテージはややブルゴーニュらしさを感じます。シルキーなタンニンで味わいは柔らかく開いておりプルーンのアロマが特徴的なクラシックなサン・ジョセフです。 ⇒ワイナート5号 何も特別なことはない旧式のセラー。何年も使ってきた大樽で熟成されたワインは人を驚かすような新樽の香も、艶やかな媚れもない、極めて穏やかなもの。 それでも一度味わったら忘れられられない魅力があふれる。特に白ワインは素晴らしい。だから徐々にではあるが、世界中で人気が出てきているのだと思う。 もともと明確な花崗岩土壌であり、醸造法もブルゴーニュ式という特徴を持つサン・ジョセフは、どちらかというと硬い味わいで、かつパワーやフルーティーさという誰にでも理解しやすい特徴より、エレガントさや細やかさを表現しているものばかりだ。若いうちは硬い表情もある。だからこそじっくり味わうに相応しい。 ローヌ北部としては広大なアペラシオンとはいえ、AOCはここでは畑の方角や標高を厳しく査定したため、結果としてワインの品質向上も目覚しい。そしてドメーヌ・ゴノンのワインは、サン・ジョセフそのものといえる優雅さを備えたものとして。おすすめである。