■Alton Miller アルトン・ミラーといえばデトロイトのディープ・ハウス・シーンにおけるベテラン、今をときめくムーディーマンの先輩のひとりだ。彼は1988年のデトロイトの伝説的パーティ〈ミュージック・インスティテュート〉の言い出しっぺのひとりでもある。そのパーティからデリック・メイは羽ばたいたのだ。あるいはアルトン・ミラーは、シカゴ時代のフランキー・ナックルズと天才ロン・ハーディの目撃者のひとり、要するにオリジナル・ハウス世代、いわばハウスの精神史における生き証人のひとりでもある。彼の音楽を特徴づけるのは彼のパーカッション奏者としてのセンスだ。そう、この男はアフロなドラムを演奏するプロでもある。そして彼は、1991年に最初のシングルをケヴィン・サンダーソンのレーベルから出してから現在にいたるまで、地味ながらこつこつと良い作品を信用できるレーベルから出し続けている。カール・クレイグのプラネット・E、ムーディーマンのKDJとマホガニー・ミュージック、ディープ・ハウス好きにはたまらないレーベル、トラック・モードにガイダンス、M3にムーズ&グルーヴス、それからUKのピースフロッグ、もしくは玄人にはお馴染みのオランダのクローン 等々、実に数多くのレーベルからシングルを出している。また彼は、1990年代後半におきた ディープ・ハウス・リヴァイヴァルにおける主要人物のひとりでもある。